今年、自衛隊は創設60年を迎えるのだそうだ。
7月に集団的自衛権が合憲であるとの解釈変更の閣議決定が成された。
そのような流れゆえだろう、
NHK特集で自衛隊の幹部候補生学校を取材していた。
入学式の際に校長が披露した一つの箴言が心に留まった。
「大いなる精神は
静かに忍耐する。」
ドイツ人哲学者シラーの言葉だそうだ。
これは同校OBである元陸上自衛隊幕僚長(陸上自衛隊トップ)の
宮澤氏から校長に贈られたものであるという。
その宮澤氏が自衛隊に入った1960年代は安保闘争の最中。
「国のために」という純粋な青年の志を挫くかのような冷たい視線が世間にはあった。
「税金ドロボウ」と罵られることもあった。
そのような理不尽にも堪えて志を全うするように、
と若かりし宮澤氏が教えられた言葉であったという。
今や、3・11の災害救助活動や海外での現地視点に合わせた復興援助に
高い評価を得ている自衛隊。
それでも、20代青年の清い志を砕くような理不尽さに遭うかもしれない。
その時に思い出して欲しい言葉として校長は訓辞した。
「幹部自衛官としての高い志、すなわち大いなる精神をもって
平和な時代に理不尽と思われる環境さえ適合するしたたかさを持つ
静かに忍耐することを望みます」
実に含蓄ある言葉である。
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