マンハッタンの地下鉄での楽しみは、 様々なエンターテイナーとの出会いである。 セントラルパークを南北に走る長距離移動では、 体育会系お兄さんたちのアクロバット宙返りが見ものであるが、 今回は遭遇できなかった。 父親とその子供らしい2人組が楽器を奏でている光景は何とも微笑ましい。 彼らは趣味でしているのか、生活の糧を得るための生業なのかは分からない。 昨年の国勢調査によれば、 ニューヨーク在中の約20パーセントが貧困ライン以下の生活を強いられており、 フードスタンプ(食糧配給券)利用者が約25パーセントであると 地元新聞紙が伝えていた。 ニューヨークは地上のあらゆる階層を集めたような ディバーシティの激しいところだ。 超裕福層が気取りながら買い物をしている店の裏口では、 南米からの不法労働者たちが最低賃金で重労働に就いている。 経済間も、民族間も、それに年齢や職業も実にバラエティに富み、 厳しい格差があるのに秩序を保ちながら、 それぞれ楽しそうに暮らしているところがユニークである。