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地域医療の見え方  2015.Nov.11;1(43)

スレッド
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1. CLINICAL EVIDENCE SUMMARIES
-セフカペン・ピボキシルを擁護してみる試み-

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[イントロダクション]
今回はあまり気合を入れずに、感染症に詳しい医療者からたびたび批判されるセフカペン・ピボキシルをちょっと擁護(?)したい、そんな記事を書く試みです。

先日、日経メディカルオンラインの記事に興味深いアンケート調査が掲載されていました。セフェム系抗菌薬のうち最も処方頻度の高いものに関するアンケート調査で、有効回答数は3122人。内訳は病院勤務医2188人、診療所勤務医419人、開業医463人、その他52人となっています。その結果、1位はセフカペンで45.2%、2位はセフジトレン16.9%、3位のセフジニル14.4%と続き、いずれも経口第3世代セフェムが並んでいます。

(出典)セフェム系抗菌薬:セフカペンが一番人気
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/survey/201510/544211.html

抗菌薬物療法を勉強すると、プライマリ・ケアのセッティングにおいて外来患者に抗菌薬を使用する場合、そもそも第3セフェムをチョイスするという判断がなかなか理解しがた行為ではありますが、処方頻度が高いのが実態ではあります。日経メディカル登録医師でもさえもこの現状であり、この結果は悪夢のようにも思えます。まああくまでセフェムを処方するなら、という事なのですが、第1世代セフェムはほとんど使用されていないのが現実であり、いずれ市場から消えてしまうのではないかと心配になるほどです。セフカペンを擁護するなんて言って全くその気配が見えてきませんが、気を取り直していきましょう。

セフカペン・ピボキシル、そんなに悪い抗菌薬なのでしょうか。よく言われるのがバイオアベイラビリティの低さと、そのブロードな抗菌スペクトラムです。中途半端な血中濃度で、組織での抗菌効果なんてほとんど期待できないうえに、やたら広い抗菌スペクトラムは耐性菌を増やし有害でしかない、という主張。また一般的な上気道炎にそもそも、3世代セフェムは必要ない、と言う主張もあり(いや多くの場合で抗菌薬は必要ない…だがしかし、抗菌薬で肺炎による入院を予防できるNNTは12000であるがゆえに、救われている人も確かにいる?しかしそれは少なくとも経口第3セフェムでのエビデンスは無いっ!ああ、きりがないこの議論…。)、僕はどちらかと言えば後者の観点から外来で経口3世代セフェムを使用する意義は低いと考えています。

(参考)外来小児患者の風邪症状にセフカペン、セフジトレン、クラリスロマイシン…
http://syuichiao.blogspot.jp/2014/01/blog-post_26.html

[セフカペン・ピボキシルにエビデンスはあるのか?]
cefcapene でPubmedを検索すると73件しかヒットしません。(平成27年10月16日現在)そのうち、臨床上参考となるエビデンスはかなり限定的です。主なランダム化比較試験は3つしかありません。順に見ていきましょう。

①細菌性副鼻腔炎に対するアモキシシリン-クラブラン酸とセフカペンの比較
Lee JE.et.al. A Randomized, Double-blinded, Open Label Study of the Efficacy and Safety of Cefcapene Pivoxil and Amoxicillin•Clavulanate in Acute Presumed Bacterial Rhinosinusitis. Clin Exp Otorhinolaryngol. 2011 Jun;4(2):83-7.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21716955

細菌性副鼻腔炎に抗菌薬が必要か、という前提の問題もあるかもしれませんが、読んでみます。抗菌スペクトラムに関して言えば、セフカペンとアモキシシリン・クラブラン酸はほぼ同等です。(医学書院 感染症レジデントマニュアル 第2版)

研究デザインはA randomized, open labeled, double-blinded trialとなっていて、盲検化についてよく分かりませんが、患者はどちらの治療に割り付けられていたかはわからないようになっているようです。(open labeled, double-blindedってなんやねん。ちなみに本文がフリーで読めるので、そこに書いてあるかもですが、時間の都合上深追いしません。)セフカペンは150mg/を1日3回、アモキシシリン/クラブラン酸は625mgを1日3回となっています。14日間の治療で患者の臨床症状を検討しているわけですが、両群に明確な差は無かったとしています。臨床的治癒は7日で96%~100%両群に統計的有意な差を認めていません。

スペクトラムが同等だから、まあ結果は同じでしょう、という見方もできますが、バイオアベイラビリティがものすごく低いと、巷でささやかれているセフカペンで100%近く治癒している? もしバイオアベイラビリティが低く、臨床的に有効な抗菌力を示していない理論を用いるのであれば、まあそもそも抗菌薬なんて使わなくても7日以内には臨床的治癒を達成できてしまうという見方もできてしまうのではないか、なんて考えてしまいます。これは抗菌薬不要論に傾く主張ですね。全然擁護していません…。

あえて言えば、消化管障害、おそらく下痢でしょうが、こちらはアモキシシリン・クラブラン酸で多かったようで、セフカペンは副作用が少なく、効果が同等である、なんて主張も可能かもしれません。

②連鎖球菌咽頭炎に対するアジスロマイシンvsセフカペン
Koga T.et.al. Evaluation of short-term clinical efficacy of 3-day therapy with azithromycin in comparison with 5-day cefcapene-pivoxyl for acute streptococcal tonsillopharyngitis in primary care. J Infect Chemother. 2011 Aug;17(4):499-503. PMID: 21249415
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21249415

戦わせている相手同士がいかがなものか、なんて思ってしまうわけですが、連鎖球菌咽頭炎には、普通ペニシリンだと思います。ただアレルギーのある人にはマクロライドを考慮することもあるでしょう。これは第2選択としてどの抗菌薬を使えばよいか、という疑問に対してある程度意義のあるエビデンスかも知れません。

A prospective, randomized, comparative multicenter studyとありますから、ランダム化比較試験のようです。アジスロマイシン3日間(88人、平均16.5歳)とセフカペン5日間(69人、平均16.9歳)の治療を比較しています。4日目における臨床的治癒はアジスロマイシンで80.7%、セフカペンで67.6%、両群で統計的有意差を認めませんでした。8日目では両群ともに95%を超えており、まあほぼ同等と言う感じです。アジスロマイシンは人によっては激しい下痢を起こすこともあるので、セフカペンと言う選択肢も考慮できるのかなあ、なんて思いますが、連鎖球菌咽頭炎治療における最大の目的はリウマチ熱の予防にあるわけで、そのあたりの検討はされておらず、この論文はあくまで代用のアウトカムの検討に過ぎないという見方もできてしまう…。はあ…、全然擁護できていません。

③連鎖球菌咽頭炎に対するアモキシシリンvsセフカペン
Sakata H. Comparative study of 5-day cefcapene-pivoxil and 10-day amoxicillin or cefcapene-pivoxil for treatment of group A streptococcal pharyngitis in children. J Infect Chemother. 2008 Jun;14(3):208-12. PMID: 18574656
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18574656

気を取り直して3つ目の論文。研究デザインはprospective multicenter randomized open-label comparative studyとあるのでオープンラベルのランダム化比較試験でしょう。6か月~12歳の連鎖球菌咽頭炎小児250人が対象となっています。セフカペン5日間(82人)セフカペン10日間(88人)アモキシシリン10日間(80人)の3群が比較されているようです。治療終了時のそれぞれの細菌が木的治癒は93.8%, 96.2%, 91.7%となっており、臨床的治癒はいずれも100%となっています。いずれも明確な差は無く、効果はほぼ同等と言う感じでしょうか。再発率に関しても一番高いのはセフカペン10日間のレジメンで4.0%、一番低いのはセフカペン5日間のレジメンで1.3%。なんだセフカペン5日間でいいのでは?なんて思えてきそうですが、これもリウマチ熱の問題や「バイオアベイラビリティが低い理論」を持ち出すと、そもそも抗菌薬いらなくね?という悲観的(?)な意見も出てきそうです…。

[セフカペン・ピボキシルの意外な有害事象]

個人的には経験したことはないのですが、PMDAより以下の注意喚起がなされています。

ピボキシル基を有する抗菌薬投与による小児等の重篤な低カルニチン血症と低血糖について
http://www.pmda.go.jp/files/000143929.pdf

「ピボキシル基を有する抗菌薬は中耳炎などの感染症の治療に汎用されていますが、小児等に投与した際に、重篤な低カルニチン血症に伴って低血糖症、痙攣、脳症等を起こし、後遺症に至る症例も報告されています。」とのこと。いやあ、恐ろしいですねぇ…。

[セフカペン・ピボキシルを擁護する?]

本稿の目的は擁護でしたが、どうにも批判的な要素が織り交じり、なんだか着地点が見えてきません。外来でセフカペンを処方する医師は、少なくとも患者に良くなってほしい、安心してほしい、そんな気持ちで処方しているわけで、毒を盛るつもりはないのだと思います。抗菌スペクトラムは第3世代セフェムですからかなり広い、下痢の副作用はアモキシシリン・クラブラン酸より少ないかも、場合によってはマクロライドより少ないかも。自分が処方しているセフカペンでまあ耐性菌が急に増殖するわけじゃないし、念のため出しておくか・・というロジックに陥りそうになるような気持ちもなんかわかるような、わからないような。

医療は良い面も悪い面も、そう二重性を帯びた性質を有します。リスクとベネフィット、それは両輪であり、良い面も悪い面も考えていかねばならないのは当たり前ですが、一方で批判するという立場においては悪い面ばかりが強調されることも多々あるでしょう。風邪に抗菌薬は悪、とするなら、悪という使われ方をする薬剤はたくさんあるはずです。それに対してはあまり注目することなく、風邪に抗菌薬には批判が集中する。その構図が僕は悪いとは思いませんが、なんとなく腑に落ちないなあ、なんて思うわけです。ちなみに風邪に抗菌薬を投与すると肺炎による入院がほんとにほんとにごくわずか(もはや誤差範囲かもしれないけれど)に減るんですよね。まあその分、起こりうるリスクの確率の方が高いのでしょうけど。

そう医療は常に確率的要素を孕んでいます。セフカペンが良いのか悪いのか、それは文脈にもよるかもしれません。ただ耐性菌の問題は人類共通のリスクと言えます。個別の文脈を考慮するというわけにもいかないこともあるかもしれません。セフカペン・ピボキシルのように、世間でさんざん批判されている薬剤の擁護を試みるという作業の中で、よりフェアな批判ができる、今回の記事をまとめながらそんなことを考えていました。このロジックを今後様々な薬剤評価に応用したいと思います。

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2. CLINICAL EVIDENCE SYNOPSES
-注目論文の紹介です-

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■マクロライドと死亡リスク■
Li X.et.al. Association of macrolides with overall mortality and cardiac death among patients with various infections: A meta-analysis. Eur J Intern Med. 2015 Sep 24. pii: S0953-6205(15)00294-0. [Epub ahead of print]PMID: 26412674
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26412674
背景と研究デザイン:感染症治療におけるマクロライドと全死亡、心臓死亡の関連を検討したメタ分析

P:あらゆる感染症を有する患者
E:マクロライドレジメン
C:非マクロライドレジメン
O:総死亡、心臓死亡

総死亡:オッズ比0.65[95%信頼区間0.46~0.92]
心臓死亡:オッズ比1.43[95%信頼区間0.86~2.40]

なおサブグループ解析によれば48歳を超える集団では心臓死亡のリスクは上昇した。
オッズ比1.99[95%信頼区間1.53~2.59]

■大腸腺腫再発予防に対するビタミンD、カルシウムサプリメントの効果■
Baron JA.et.al. A Trial of Calcium and Vitamin D for the Prevention of Colorectal Adenomas. N Engl J Med. 2015 Oct 15;373(16):1519-30. PMID: 26465985
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26465985
背景と研究デザイン:ビタミン Dやカルシウムの摂取量が高いと、大腸腫瘍のリスクが低下することがこれまでの疫学研究で示唆されている。ビタミン D,カルシウム,またはその両方の摂取が大腸腺腫を予防するか検討した2重盲検ランダム化比較試験

P:大腸腺腫の既往があるが、全大腸内視鏡検査により残ポリープのない患者
E:ビタミン D3 1000 IU/日、カルシウム1200 mg/日それぞれ単独、もしくは併用
C:プラセボ
O:大腸内視鏡検査までの期間に診断される腺腫(腺腫の再発)

腺腫再発リスクに明確な差は見られず

ビタミンD投与なし群に比べてビタミン投与群で
リスク比0.99[95%信頼区間0.89~1.09]

カルシウム投与なし群に比べてカルシウム投与群で
リスク比0.95[95%信頼区間0.85~1.06]

プラセボ群に比べてビタミンD、カルシウム併用群で
リスク比0.93[95%信頼区間0.80~1.08]

■Choosing Wisely Campaignその後■
Rosenberg A.et.al. Early Trends Among Seven Recommendations From the Choosing Wisely Campaign. JAMA Intern Med. 2015 Oct 12:1-9. [Epub ahead of print] PMID: 26457643
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26457643
背景と研究デザイン:Choosing Wisely Campaignにより、実際に行われている医療にどのような変化があったのか検討した後ろ向き解析

P:医療をうける人全般
E:Choosing Wisely Campaign実施後
C:Choosing Wisely Campaign実施前
O:提供される医療の頻度変化

①単純な頭痛のための画像検査
・14.9%⇒13.4%  trend estimate, 0.99 [95% CI, 0.98-0.99]; P < .001
②心疾患の既往のない患者への心臓の画像検査
・10.8%⇒9.7% (trend estimate, 0.99 [95% CI, 0.99-0.99]; P < .001).
③腰痛診療のレッドフラッグに該当しない腰痛に対する画像検査
・53.7% utilization throughout study; P = .71
④既往と身体検査の結果、特筆すべき事項がない患者への術前胸部X線照射
・trend estimate, 1.00 [95% CI, 1.00-1.00]; P = .70
⑤30歳未満の女性に対するHPV検査
・4.8% ⇒ 6.0% (trend estimate, 1.01 [95% CI, 1.00-1.01]; P < .001
⑥急性副鼻腔炎に対する抗菌薬
・84.5% ⇒ 83.7%; trend estimate, 1.00 [95% CI, 1.00-1.00]; P = .16
⑦高血圧、心不全、慢性腎臓病を有する患者へのNSAIDs投与
・14.4% ⇒ 16.2% (trend estimate, 1.02 [95% CI, 1.01-1.02]; P < .001

■テレビの視聴時間とCOPD関連死亡■
Ukawa S.et.al. Association Between Average Daily Television Viewing Time and Chronic Obstructive Pulmonary Disease-Related Mortality: Findings From the Japan Collaborative Cohort Study. J Epidemiol. 2015;25(6):431-6.PMID: 25947581
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25947581
背景と研究デザイン:テレビの視聴時間とCOPD関連死亡を検討した日本のコホート研究(JACCstudy)

P:癌、脳卒中、心筋梗塞、結核の既往のない76688人(男性43274人、平均56.9歳、喫煙20本/日以上は男性で約50%、女性では3%~7%程度)
E:テレビの視聴時間2~4時間、4時間以上
C:テレビの視聴時間2時間未満
O:COPD関連死亡

追跡期間:19.4年
交絡因子:年齢、地域、喫煙状況、BMI、教育水準、妊娠状況、アルコール摂取、運動時間

男性では4時間以上の視聴でCOPD関連死亡が増加。女性では差が見られず。(そもそも女性ではCOPDの最大要因と考えられる喫煙者が少ない)

・男性2~4時間視聴:ハザード比1.40[95%信頼区間0.92~2.14]
・男性4時間以上視聴:ハザード比1.63[95%信頼区間1.04~2.55]
・女性2~4時間視聴:ハザード比1.03[95%信頼区間0.42~2.55]
・女性4時間以上視聴:ハザード比0.84[95%信頼区間0.29~3.28]

喫煙状況や運動時間で補正していることからテレビの視聴時間が独立したリスクファクターなのか、興味深い

■インフルエンザワクチンと肺炎予防効果■
Grijalva CG.et.al. Association Between Hospitalization With Community-Acquired Laboratory-Confirmed Influenza Pneumonia and Prior Receipt of Influenza Vaccination. JAMA. 2015 Oct 13;314(14):1488-97PMID: 26436611
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26436611
背景と研究デザイン:インフルエンザ感染症の重篤な合併症である肺炎とインフルエンザワクチン接種の関連を検討した症例対照研究

P:市中肺炎で入院した2767人
(症例)インフルエンザ陽性者162人
(対照)インフルエンザ陰性者2605人
E:インフルエンザワクチン接種あり
C:インフルエンザワクチン接種なし
O:肺炎発症

交絡調整:人口統計、併存疾患、季節、試験施設、および疾患発症のタイミング

インフルエンザ陽性患者162人中28人、陰性の対照患者2605人中766人がワクチンを接種。
調整オッズ比0.43[95%信頼区間0.28~0.68]
ワクチンの推定有効率56.7%[95%信頼区間31.9%~72.5%]

■高齢者におけるインフルエンザワクチンの有用性■
Chan TC.et.al. Effectiveness of influenza vaccination in institutionalized older adults: a systematic review. J Am Med Dir Assoc. 2014 Mar;15(3):226.e1-6. PMID: 24321878
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24321878
背景と研究デザイン:高齢者におけるインフルエンザワクチンとインフルエンザ関連入院の関連を検討したシステマテックレビュー・メタ分析

P:11研究に参加した11,262人の高齢者
E:インフルエンザワクチンの接種あり
C:インフルエンザワクチンの接種なし
O:インフルエンザ様症状、インフルエンザ、インフルエンザもしくは肺炎による死亡(総死亡は検討せず)のd vaccine effectiveness(VE)

・肺炎:37%[95%信頼区間18%~53%]
・肺炎もしくはインフルエンザによる死亡34%[95%信頼区間10%-53%]
異質性や出版バイアスを認めず。

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3. CASE REPORT
-気になる症例報告をピックアップします-

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■ルセオグリフロジンによる薬疹■
北本 友佳 他 ルセオグリフロジンによる薬疹が経過より疑われた2型糖尿病の1例 糖尿病 Vol. 58 (2015) No. 5 p. 317-322
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/58/5/58_317/_article/-char/ja/
63歳女性で、食物アレルギーのある2型糖尿病患者。シタグリプチン50 mg/日、グリメピリド0.5 mg/日でHbA1c 8 %。とルセオグリフロジン2.5 mg/日追加した後、8日後、頚部に紅斑が出現し,四肢・体幹に拡大。ルセオグリフロジンの内服を中止後も改善せず、ステロイド内服にも反応しなかった。皮膚科診察にてルセオグリフロジンによる薬疹疑いと診断、プレドニゾロン40 mg/日点滴にて,皮疹改善。

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4. EDITORIAL NOTE
-編集後記-

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経口第3世代セフェム、なぜか外来で使用される機会が非常に多い薬剤ですが、その90%くらいは妥当な使用法ではないような印象です。ただ一方で、感染症を専門とする医療者からは非常に叩かれている同薬剤。この2極化の構造がちょっと興味深いです。

このような構造は医療のあちらこちらに散見されるような気もしています。スクリーニング事業などもその良い例ではないでしょうか。

このことから示唆される重要なポイントは、物事の一つの側面が「明確」になると、そのもう一つの側面が「不明確」になるという事ではないでしょうか。物事の多くが2面性を備えています。医療ももちろん、リスク、ベネフィットという2面性を備えていますが、リスクが強調されると、ベネフィットは途端に見えずらくなり、ベネフィットが強調されると、リスクが見えにくくなる。

おおよそ世の中の出来事は2極化しないとわかりづらいのだと思います。世界をコトバで分けて理解するように、良いもの、悪いもの、という区別は物事をより理解しやすくします。しかし、このプロセスは単純化、という作業に他なりません。大事なのは、複雑なまま物事を見るという事じゃないでしょうか。僕もあいまいなままモヤモヤみていこうと思います。

(参考)モヤモヤしたものをモヤモヤ見るということ
http://syuichiao.hatenadiary.com/entry/2015/10/13/223053
#学校 #教育 #受験 #外国語 #科学

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