《 面白い名の花(園芸種か)“匂款冬” 逗子市内 ❖ 2019/03/01 ❖ 》
地中海周辺地域を原産とする多年草で、雌雄異株(しゆういしゅ)。
名は、芳香のあるカントウを意する。カントウはフキ(蕗)の別称。
セイヨウフキ(西洋蕗)の仲間でもある。
生え方や葉の形状などは日本在来のフキに似ている。
が、ニオイカントウの方がやや小型。花時の茎丈は20cm程度。
園芸種の植栽しか見ていない。地下茎で増える由。
雌株より華やかな雄株が殆どで、雌株を見つけるのは大変。
奇妙な名だが、葉や花が「フキ」や「ノブキ」等に一寸似ている。
花序が淡紫色の小さな筒状(集合)で周りの舌状花で構成。
筒状花の先端は5裂し、濃紫の葯と白い柱頭が突き出ている。
フキにそっくり。赤紫色がかり色鮮やかな姿。
雄株は、小花で花冠は五裂し星形。両性花の形態を示す。
花喉部(かこうぶ)から一本突き出るこん棒状の突起は雌蕊。
雌蕊の基部を囲う赤紫色の部分が雄蕊。
開花して雌蕊が伸長する時に雄蕊から花粉を付着する。
そして、雄蕊の伸長を促進させ突き出てくる様だ。
見た目は授粉した雌蕊に見えるが、雌蕊は不稔(ふねん)に由。
花後は枯れ結実しない。諸々複雑かつ不合理な仕組みもフキと同じ。
花名の“匂い”は、弱い。かすかにバニラの様な甘い香りを持つ。
花序一個の直径は1cm強、星形小花は、直径4mm強とかなり小さい。
蘆花記念公園(旧脇村邸)の花も総て雄株のようだ。
「令和陸年(皇紀2684年)2月29日、記」