《雅羅・/・ 襍画〝希少白花〟植物  ❖ ’24-18 ❖》

ウチダシクロキ(打ち出し黒木)   ハイノキ科(Symplocaceae)
学名:Symplocos kawakamii 
別名:オガサワラクロキ
  《 限られた場所に見える絶滅危惧種の花!!》
ウチダシクロキは、東洋のガラパゴスと称される東京都小笠原諸島の父島のみに生育するハイノキ科ハイノキ属の常緑低木です。小笠原諸島に生育する同属植物として、他にチチジマクロキ、ムニンクロキがあり、これら3種類の先祖から適応放散によって分化したものと考えられています。ウチダシクロキは岩石が多い感想した斜面に生育しています。乾燥した場所は多くの植物にとっては生育には適した環境とは云えないでしょう。ウチダシクロキの葉は、縁が内側に巻こまれた厚い皮質で、表面には深いしわが刻まれています。また枝は、著しく張り出した翼状の稜がついています。長い進化の過程でウチダシクロキは、乾燥した環境の中で生き残る術を身につけていったのでしょう。戦前からすでに個体数が少なかったと報告されているウチダシクロキですが、1980年の夏の厳しい旱魃(かんばつ)によって、乾燥に強いウチダシクロキさえ、大きな株が何本も枯れてしまったそうです。さらに近年の乾燥化によって、ますます個体数は減少しています。また、ウチダシクロキを絶滅に追いやるもう一つの要因が父島に生息するノヤギの増加です。低木であるウチダシクロキは、ノヤギにとって食べやすい高さに葉があります。場所によっては、ウチダシクロキを選んで食べている様子さえあります。環境省では、保護増殖事業を実施しており、ノヤギの食害防ぐため、ウチダシクロキの周りに柵を設置しています。その他、保護増殖事業では野生復帰のための人工繁殖にも取り組んでいます。元々限られた場所にしか生えない植物が環境の変化によって固体数を減らし、外来生物のノヤギによって選択的に食害を受けるという、二重の圧迫を受けて絶滅にひんしています。以上環境省資料より。
 
東京都文京区 小石川植物園(温室)で生育中;2024・01・13
小笠原諸島の父島にのみ生育する高さ0.5~2mの常緑低木。葉は楕円形で厚く、縁が裏面にカールする。葉腋に白い小さな花を数個つける。花冠は5深裂し、雄しべ多数。小笠原諸島には同属の植物として、本種の他にチチジマクロキとムニンクロキがある。花期は11月頃。
花冠は白色で5深裂し、長い雄しべが多数あるので見栄えがします。ハイノキ属の花は小さくて、白色・5深裂・長い雄しべのものが多いようです。(例:ハイノキ、サワフタギ、クロキ等)
ウチダシクロキは小笠原諸島の父島にのみ生育する希少植物です。レッドデータブックによりますと絶滅危惧ⅠA類(CR):「ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの」となっております。
なお、小笠原諸島のハイノキ属には本種の他にも「ムニンクロキ 絶滅危惧ⅠA類(CR)」と「チチジマクロキ 絶滅危惧ⅠB類(EN)」の2種があります。
葉は楕円形で厚く、縁が裏面にカールしています。いかにも乾燥に強そうな葉です。
東京都文京区 小石川植物園資料より。
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余り人目に触れない場所に珍しい植物が生きている。なんとか保護して頂きたい。楚々として魅せる野草だ。
通常は、11月頃に花を付けるようだが、
温室では今の季節でも見られる。
 
「令和陸年(皇紀2684年)1月18日、記」
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