ヤマホタルブクロ(山螢袋) キキョウ科(Campanulaceae)
学名:Campanula punctata Lam. var. hondoensis (Kitam.) Ohwi
特徴; 全体にあらい毛があり、萼裂片は狭3角形、花冠は紅紫色で種子に狭い翼をもつ。
「研究者ノート」(筑波大・松本定、中野好基)
『ホタルブクロにマルハナバチがやってきます。
先にオシベが熟し、次にメシベの柱頭が開くときにはちぢれているので、自花受粉しない仕組みになっています。
蜜のある奥の部屋の入り口は狭く、この蜂は口吻を伸ばして吸うため、花粉が体毛に付いて送粉されます。
大島を除く伊豆七島に小型の花のシマホタルブクロが見られるのは、大型のマルハナバチは分布せず、
小型のハチや自家受粉によって種子繁殖を行うためのようです。
本土の海岸付近には淡紅色~白花のホタルブクロが、標高が高くなるにつれ赤紫色のヤマホタルブクロが多く見られます。
両者の区別点は、前者にはガク裂片の間に反り返る付属体があるが、後者には無いことです。
近年、伊豆下田市須崎には
葉が厚く光沢があって毛がほとんど無い白花のハマホタルブクロとソナレヤマホタルブクロが報告され、
計5変種とも園内に植栽されたため中間形が生じています。
現場の目
名の由来は子供たちが捕まえたホタルをこの花で包んだことによるが、
そうして家に持ち帰ってホタルを蚊帳の中に放したのでしょう。
ホタル自らがこの袋状の花に入り込む意味ではなさそうです。
ホタルブクロは種子でも繁殖するが、つる枝で旺盛に増えます。
庭に2-3株植えると3-4年後にはホタルブクロで埋め尽くされます。』
自然分布
本州(東北地方南部-近畿地方東部)の山地に分布。
6月28日誌「6/14座間市・谷戸山公園」