昔々或る所に大本家のお爺さんと分家のお爺さんが住んでいました。
大本家のお爺さんは墓を建てる所を整地するから手伝えと分家のお爺さんに言いました。
分家のお爺さんは喜んで整地を手伝いました。
7日後に整地は終わりました。
分家のお爺さんは、自分の墓の場所はどこ?と聞きました。
大本家のお爺さんは、お前の所は無いよといいました。
そうです。初めから分家のお爺さんの分は無かったのです。
分家のお爺さんはがっかりしました。
今に見ていろ!お前の所にもムコが来るからな!と分家のお爺さんは自宅で言いました。
今から70年程前、
田舎のある地域では「ムコ」というのは格好のイジメの対象でした。
どれだけ有能であって、力があっても対象でした。
分家のお爺さんはムコだったのです。
戦争から引き揚げてきて苦労しても変わりませんでした。
ほどなくして、大本家のお爺さんの所へムコが嫁いできました。
同じ立場の分家のお爺さんは、大本家のムコをイジメたりなんかしませんでした。
その後は大本家も分家も仲良く暮らしましたとさ。
こんな事を思うのは何でか?
そう、今日は終戦記念日でもあり、分家のお爺さんの命日でもあるのです。
霊界からの指令だったのかもしれません。
おしまい。
# ただ、分家のお爺さんの孫が親からその話を聞き、いつまでもその事を忘れる事はできません。