10月
28日,
2022年
「1on1ミーティング」を再考する(Day10)「天は自ら助くる者を助く!」
最近「1on1ミーティング」と言う制度を導入した、導入したいと要望される会社が多くなっています。特に大企業にその傾向が顕著のように感じます。
しかし、「上手く行っている!」という声よりは、「導入が難しい!」「定着するのが大変」という声の方が多いように思います。
そこで私の経験も交えながら、「1on1ミーティング」の原点や本質に立ち返って、この残念な現実にどう対応したらよいか?
この点を私の独断と偏見で綴って行きたいと思います。ブログタイトルは題して
「『1on1ミーティング』を再考する」
前回は私自身がセルフコーチングという手法で「気になる点」や「課題」を列挙しました。そしてそれらを、3つの大テーマにカテゴリー分けをしてみました。
【大きな章立て】
第一章「1on1ミーティング」の本質・目的(完了)
第二章「1on1ミーティング」の準備・導入(完了)
第三章「1on1ミーティング」の継続・定着(今回から)
今日は、その10回目。
第三章「1on1ミーティング」の継続・定着
についてです。
【章立て】
1.そもそも主役は誰なのか?(完了)
2.主役の心掛け(今回)
3.定着のための工夫・こつ
【2.主役の心掛け】
(1)部下自身が「自分が主役」と認識する
「1on1ミーティング」を導入する、と聞くと「また仕事が増える」と感じる部下もいるかも知れません。確かに会社の施策として上司から言われればそう感じることもあるでしょう。
しかし、これまで何度か繰り返しお伝えしているように、「1on1ミーティング」は誰のために実施するかと言えば、
部下であるあなた、のためです。
従って、部下は先ずは「自分自身が主役である」と心することがとても重要です。
主演者がこけてしまっては、作品がいくら良くても、助演者の演技がどんなに素晴らしくても、インパクトが減じてしまうのは否めません。
この腹落ち感や「覚悟」が先ずは必要です。
上司がなんとかリードしてくれる、という甘い考えは捨てましょう。
つまり「主体的」になる、ということ。
この心構えが重要です。
(2)上司という「リソース」を活用するという発想を持つ
では「主体的になる」ということを、もう少し具体的に考えてみましょう。
「1on1ミーティング」で部下が主体的になってその時間を活用するということは、取りも直さず上司という
「リソース」
を最大限活用する、ということです。
上司は大抵の場合、人生の先輩です。同じ職種かどうかは別として、経験値は部下より多いはずです。
また上司が年下であったとしても、社内やその業界、職種において秀でたものを持っているからこそ、上司・管理職の任に就いているはず。
その人から色々なものを吸収したいです。
成功体験はもちろんですが、ぜひ「失敗談」や「苦い経験」を是非聞き出して欲しい。この部分に「人としての上司像」を垣間見ることが出来る。
そしてよく言われるように、失敗談から学ぶことは多いです。
失敗談をたくさん語れる上司は総じて、人として素晴らしいです。
なぜなら、普通は自分のネガティブな面を口に出したくないからです。それを敢えて部下に話せる度量。これに触れる機会なのです。
またこの失敗談を部下に語ることができるのは、その失敗をその後で何らかに形で現在に活かしているからに他なりません。いわゆる、
「経験学習」
だから他人、成長を期待する部下だからこそ伝えることが出来るのです。
(3)社員は「何を以って」自分の仕事・職場の良否を測るのか?
会社の名声や規模ではない。給料の大小でもない。そして仕事の内容でもない。
「上司」や「周りの仲間」が尊敬できるか、協業できるか、相性が良いかどうかである。
つまり「1on1ミーティング」という機会を通して、自分自身のこれからのキャリアプランを考えることに繋がるのです。
今の会社で、職場で、仕事を続けるべきか、他社でチャンスを見出すか?
その一つの判断材料になるのが、「1on1ミーティング」の場かも知れません。
以前私が外資系企業に勤務していた頃、いきなり米国本社からこんな電子メールが届きました。内容を掻い摘んでお伝えすると、
「あなたの部下が、会社を去る理由をあなたは知っているか?
それは会社の業績が悪いからではない。貰っている給与が低いからでもない。
一番の理由はあなた、上司が理由であることが多い。
だから自分の部下たちの姿をよく観察すること。
そして彼ら・彼女らのニーズは何か?彼ら・彼女らの強み・得意分野は何か?
シンプルなことだが、これが最も大切だ。」
このような趣旨だったように記憶している。
こんな面持ちで「1on1ミーティング」を活用すれば、大きな収穫が得られる時間となることは間違いない。
ではまた次回に!
働くあなたを元気にするプロコーチ、砂村よしお