10月
27日,
2021年
会社数字を活かす:経理部門から見える会社・社会とは?(Day2)「経理部門の成果物」
昨日アナウンスさせて頂いた新シリーズ
「経理部門から見える会社・社会とは?」
私がプロコーチとして独立する以前、30年以上に渡って従事していた財務経理職。
この仕事を振り返りながら、実務家としての「財務経理パーソン」の視点を、お伝え出来ればと考えています。
このシリーズの全体の流れは以下を想定しています。なお、学術的な視点というより、飽くまで実務者の視点での内容となりますので、ご了解ください!
(仮)全体の流れ・章立て
第一部:財務・経理部門の役割
第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」
第三部:経理財務部門とどう付き合うか?(活用方法)
今日のテーマは
「第一部:財務・経理部門の役割」
章立て
1.財務諸表:経理部門の成果物
2.財務・経理部門は何をしているのか?
3.財務経理パーソンの視点
1.財務諸表:経理部門の成果物
(1)財務会計と管理会計
①会計の世界には大きく分けて「財務会計」と「管理会計」というものがある。
財務会計は端的に言うと会社の財務状態の「報告」を目的としている。一方、管理会計はその名の通り「管理」、即ち会社や事業を管理することを目的としている。
②従って、財務会計は基本的にはいかなる会社・企業でも準備する必要がある一方、管理会計は企業のニーズによって準備したりしなかったりする、任意のものである。
③また財務会計の報告対象はいわゆる「利害関係者」と呼ばれる人たちで、株主を筆頭に債権者や取引業者などである。
もちろん従業員も自社の業績に興味関心は高いので、利害関係者と言える。
(2)貸借対照表と損益計算書
①財務諸表の代表例は「貸借対照表」「損益計算書」。
②お小遣い帳に喩えるのであれば、貸借対照表はある時点(通常は月末・年度末)の残高を示す。一方、損益計算書は収入と支出から利益(儲け)を示す。
貸借対照表が「ストック(残高)」を表すことに対比して、損益計算書は「フロー(流れ)」を示す、とも表現される。
③財務会計は報告を目的としているということは即ち、他社との「比較」が出来ないと意味がなさない。
そこで財務諸表の作成に当たっては統一された一定の開示ルールがあり、それを遵守することが求められる。
④会計帳簿は会計ルールに従って事実を記帳することが求められているが、「事実」というものが「言うが易し、行うが難し」である。
また会計数字の品質は当然求められているが、どこまで「精度」を追求すべきなのか?
ここは非常に重要で、かつ、深い論点である。そして実はここに「経理パーソン」の存在意義がある。
発生している事象(会計帳簿に載せるべき取引)を単純に記帳するならロボットでも出来るはず。ここにヒトの「判断」が介在する。これが経理部門で働く醍醐味の一つである。(後で再度、話題にします。)
⑤一方、管理会計は社内のためのものであることから、このような統一ルールはなく、管理ニーズに応じて様々な様式が作成しうる。金額以外の情報・データも活用されることが多い。(例えば、人数や時間など)
(3)税金の計算
①税金の計算に財務諸表(損益計算書)が活用されるが、そもそもの目的が税金計算のためのものでは無いことから、様々な調整が必要となる。
税金計算用の会計帳簿を準備する企業もあるほど、これらには大きな違いがある。
②なお、税当局はなるべく多くの税金を徴収したい、一方、企業側はなるべく税金は税金は少額、または支払いを先送りしたい。この思惑の違いを巡って、「大人のバトル」が現場で行われている。
続きはまた次回へ。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
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