6月
23日,
2021年
「心理的安全性」は、どのすれば実現できるのか?(第四回)
再び、ハーバード・ビジネススクールのエドモンドソン教授の著書「恐れのない組織」を読み進めて行きます。
米国で超有名な優良企業のトップマネジメントが、こんな悩みを漏らす下りがあります。
「CEOとして最も恐れるのは今、(社内で)本当に何が起きているのかが分からないことだ」
会社のトップは、経営に関わる様々な意思決定をするのが仕事。そのためには自社の現状を正確に理解することが必要です。しかし、自分のお膝元?である自社の本当の姿が見えない、と言っている。
確かにネガティブな情報やリスクの存在を、積極的に上司に相談したいと思う部下はいない。上司の不機嫌な表情を見たくないし、報告したことで怒られたくもない。増してや自分の過ちを進んで上司へ報告するなんて!
そうですよね!
それで、このCEOはこう続けます。
「リーダーは、進んで自分をさらけ出し、自分の過ちについて率直に話さなければならない。そうすれば、社員も安心して自分の過ちを話すようになる。」
確かに、完璧で非の打ちどころのない上司には、部下としてちょっとした間違いでも話をするのは憚られる。
そう言えば、以前仕えた人の中に、こんな風に私に仕事を依頼する上司がいました。
「その分野はどうも苦手なんだよね。なので、他部署への説明はもちろん私がして回るので、君にはデータ収集・調査から、分析・提案までやってもらえますか?」
一方、その上司は説明やプレゼンテーションがぴか一上手い人。どんな内容でも相手を上手に説得できる才能がある。何回となく助けてもらった記憶があります。
この上司とは、色々な話をしたことを覚えています。仕事の話はもちろん、プライベートなことまでも。そして上司も、自分の家族の話などをしてくれましたね。
すると段々と、お互いの距離が近くなったというか、上司部下の関係を超えた「人間同士」の付き合いが出来たように感じました。
再度「恐れのない組織」へ戻りますと、もう一点触れている点は
「沈黙」
です。
「あ、これ言っておこうかな?どうしようかな?」
と迷う場面を、少なからず経験されているかと思います。
こういう場合は大抵、
「ま、いいか!大した内容では無いから。」
と心の中でつぶやいて、発言しなかった自分を正当化させます。
でも後日になって、
「やっぱり、あの時言っておけば良かった!」
と悔やむことも多いかと感じます。
対人関係を悪くしてしまうリスクがあるけれども、言うべきことは口に出すことが、長い目でみるとそのチームや組織にとっては有用なことが多い。
皆さん、いかがでしょうか?
ではまた明日!
by 「働くあなたを元気にする」コーチ
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