復刻版 ルー・タバキンクリニック のお話その5
10月
8日
今回は練習方法です。
プロは、一瞬の音楽表現のために練習という準備をたくさんしています。
イチローも滅多にない外野フライを捕るために、外野の壁に勢いよく登る方法を練習しているそうです。
やはり練習ですね。
これは2004年9月15日のブログを見直したものです。
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● ルー・タバキンさんのクリニック 今日は、練習方法についてです。
1.オーバートンシリーズを一通りやります
2.ある決まったインターバル (詳細不明)
3.呼吸法
4.スケール
5.曲とコードチェンジ
どのようなメロディが、どのようなコード・ハーモニーに適合しているか、とにかく時間がかかります。
ハーモニーの独自の解決法を研究しました。
1オクターブは12の音しかないので、その組み合わせを、トニック−ドミナントの関係を、何万・何億通りもあるものを実験しました。
練習というのは、演奏に向けての準備であり、ちょうど宮本武蔵の哲学に習うところが多かった。
宮本武蔵は、できるだけの準備をして、果たし合いに望むが、果たし合いのときは、無になるように心がける。
演奏の場合は、ハーモニーやテクニックをたくさん勉強しますが、演奏の時は全て忘れて、真っ白になる・フリーになる そのために普段練習をしっかりやります。
練習も大切だが、実際に演奏することも、とても大切なことです。
これが、タバキンさんの練習方法です。
= 思うこと =
一流のプロでも、基礎練習と表現力を上げるためのテクニック練習は欠かせないようです。
現代最高のフュージョン・アルトサックスプレイヤー、デヴィッド・サンボーンは、来日したとき石森管楽器に必ず顔を出します。 そして、本番までの空き時間は、石森管楽器の地下で延々と来日するたびに練習していたそうです。 (石森管楽器が移転する前の話なので、最近はどこで練習しているかは聞いていません)
“聖者”コルトレーンと呼ばれる、ジャズテナーサックスに偉大な痕跡を残したジョンコルトレーンも、日々信じられぬほどの膨大な時間を練習にあて、その音楽に対する求道的な姿勢が、『ジャズを通して“神”に近づいた男』 と、ミュージシャン仲間から言われていた由縁です。 (コルトレーンの音楽を聴きたい方は、癒し系で”バラード”、”ジョニーハートマンとジョンコルトレーン”、テクニックを聞きたい方は、”ジャイアントステップ”が聞きやすいと思います。)
ソニーロリンズも、音楽シーンから行方をくらませたとき、仕事中にエレベーターの中で練習していてクビになったと言われています。
オーネット・コールマンも最初のレコードを出すまえに、ロサンジェルスにある百貨店倉庫部のエレベーター係をやっていて、そのエレべ−ターが用なしで止っているときは、なかで音楽の理論書を読んでいたという話もあります。
このように、見えないところでたくさん練習し、追求しているから素晴らしい音楽ができるのですね。 まだまだ修行が足りません・・・
ルー・タバキンさんのクリニック今日は練習方法 のお話でした。
次回は、また基本に戻って 息の出し方とルー・タバキンさんの演奏 のお話です。
ルー・タバキンさんのクリニック のお話その5 でした。