人口20人に満たない瀬戸内海の志々島がまたまた脚光を浴びている。
平日にも関わらず香川県三豊市多度津の宮ノ下港には朝早くから志々島へ向かう観光客が連絡船を待って長蛇の列を作る。
定員70名の渡船は満杯の客を乗せて出航。20分ほどの船旅である。
志々島へはかつて何度か行っている。最近はコロナ前に島の頂上にある樹齢1200年とも言われる「大くす」を撮影に渡った。巨大なくすの木で弘法大師が唐に渡たる時代既に若木であったろうと推測される。弘法大師も志々島のそばを通る時、くすの木を見ていたかも知れない。
戦後の昭和期にはこの辺りの島々では傾斜地を利用して除虫菊の栽培が盛んだったが、その後、キンセンカなどの出荷用花栽培が盛んだった。その後の人口減少と高齢化で花畑は消滅していたが、今年島で暮らし90歳になる母を支えるご夫婦が多度津から通って「天空のお花畑」を再開した。
「天空のお花畑」のある丘の方は今回初めて来たが、素晴らしい眺めである。大くすからすぐ登った「横尾の辻」の見晴らしも含めて瀬戸の景観は素晴らしい。
松坂慶子をマドンナに迎えた「男はつらいよ・寅次郎の縁談」、「機関車先生」など志々島は映画のロケ地にもなっている。周囲わずか4kmの小さい島だが、瀬戸の島独特の景観、文化が映画の舞台として魅力ある島と評価されたに違いない。
お店も一軒もない島だが、船着場も出来て乗り降りは楽になった。観光客が増えると連絡船も増便されるかもしれない。売店もできるかもしれない。楽しみである。