「あなたのことが嫌い」と言われたことはありますか
6月
20日
「ごめん、正直に言うと……あなたのこと嫌い」
不意に投げ込まれたその言葉に、時間が止まった気がした。
何かを間違えたのか。
何かを傷つけたのか。
頭の中は真っ白で、言い返すこともできなかった。
ただ、ただ、何かが崩れるような音がした。
それまで「うまくやっている」と思っていた。
空気も読んでいたし、相手に嫌な思いをさせないように気を配っていた。
なのに~♪
な~ぜ~♪
そんなメロディーがぐるぐると頭を巡って、 自分の存在価値まで揺らぐような気がしていた。
「ボクの何がいけなかったの?」
その問いが、しばらく心に根を張っていた。
数日経っても、モヤモヤは消えなかった。
でも、ふと思った。
「誰かが自分をどう感じるかは、100%自分の責任とはいえないよな」
もしかしたらその人の「苦手」は私の全否定ではなく、「その人のレンズ」を通して見た結果だけだったのかもしれない。
そう思ったら、少しだけ呼吸が楽になった。
「嫌われた自分を直す」ことも大事かもしれないが、自分をそのままに理解してみることも大切なんじゃないかなとも思った。
それから私は、自分に問い直してみた。
それはもう何度も何度も(笑)
いやってほどに。
私はどんなときに自然体でいられる?
どんな人といるとき、安心できる?
「好かれるための努力」ではなく、
「本来の自分を大切にすること」
に意識を向けてみることにした。
すると、少しずつ変化があった。
同じように繊細なところを持った人とつながるようになり、「なんだか安心するー(笑)」みたいなことを言われる機会が増えた。
たしかに、あの一言は痛かった。
でも、それは「本音と本音で付き合える関係を選ぶ」きっかけになったんだと思う。
嫌われることは、すべてが終わることではない。
誰かに「嫌い」と言われることは、たしかに苦しい。
でもそれは、「自分の全てが否定された」わけではない。
むしろその一言をきっかけに
自分にとって大切な人や、自分らしい在り方がくっきりと見えてきたと、今なら思える。
嫌われたことを痛みで終わらせず、気づきに変えていけたとしたら、たぶん人は、さらに一段、やさしく強くなれるのだと思う。