ヨンサントウ改正、波動輸送の確立と特急列車新設
12月
2日
それまでの臨時列車は、いわゆる、「盛りスジ」と呼ばれるもので、既に出来上がったダイヤの隙に押し込む形で臨時列車を設定するようになっていました。
この方式だと、同じ急行列車であっても、途中駅で後続の定期急行列車に抜かれたり、単線区間では普通列車を交換待ちすると言ったことも起こりえるわけで、列車としての価値は低くなるのでした。
そこで、ヨンサントウ改正では、当初から波動輸送が見込まれる線区には当初から定期列車と同じように設定しておくことで、臨時列車の質を高める工夫がなされました。
以下は、紀勢本線のダイヤですが、臨時列車が予定臨として、定期列車とほぼ同じダイヤで運転されています。
例えば、改正前の週末臨時列車の「急行しらはま」は、「急行きのくに」 に統合された上でスピードアップも果たしており、定期列車と所要時間も変わっていません。
昭和43年9月時刻表
「急行しらはま」と異なり、停車駅も整理されてスピードアップしており、定期列車と遜色はありません。
昭和43年10月時刻表
このように、波動輸送の整備を図ったのは、ヨンサントウの改正が最初でした。
また、この改正では中京地区に2本の特急が同時に誕生しました。
1本は、高山本線を走る特急で、急行ひだ2号を格上げする形で設定されています。
急行時代は、富山~名古屋間でしたが、「特急ひだ」は、金沢~名古屋間に延長下にも関わらず、1時間ほどスピードアップしているので、金沢始発の時間は、急行ひだの富山始発の時間と変わらぬ6:45発、(急行時代は富山6:47発)で、名古屋到着は11:57【急行時代は名古屋着12:00)であり、食堂車非連結の6両編成で、1両が1等車【現・グリーン車】で半室が指定席というこぢんまりとした編成でした。
また、もう一つの列車は、「特急しなの」こちらも、「急行第1しなの」を置き換えたようなダイヤで、名古屋始発が急行時代より20分遅い8:40、長野着は12:51で急行時代より50分ほど時間短縮されています。
新製されたキハ181系の堂々9連で、食堂車・1等車を連結した堂々とした編成でした。
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