国鉄の白紙ダイヤ大改正 ヨンサントウ【昭和43年10月ダイヤ改正】第四話 詳細解説(東海道新幹線他)
10月
7日
JTBでは、ヨンサントウの電子書籍をダウンロードサービスしているらしいですね。
さて、新幹線から順に、ダイヤ改正の特徴を見ていこうと思います。
東海道新幹線
現在、1時間当たり「ひかり」3本、「こだま」3本のいわゆる20分ヘッド時間帯は下り延べ約2時間、上り1時間であるが、これを下り9時間、上り8時間に拡大する。
と書かれています。
実際に、昭和42年10月のダイヤ改正の時刻表を参照しますと、20分ヘッドは、朝8時に新大阪に向かう他は、30分に1本となっています。
この改正により、新幹線のダイヤは平常期、波動期平日、週末で異なる形となるが東京口の列車本数はシーズンでは、平日73往復(現行63往復)、土曜81往復(65往復)、休日82往復となる。とされています。
現在の東海道新幹線ダイヤが、8時台で「のぞみ」9本、「ひかり」2本、「こだま」2本、計13本と考えますと、隔世の感がありますね。
在来線を見ますと、下記のように書かれています。
東海道・山陽・九州線
ア 東京~九州に関しては、
需要の多い夜行特急を東京・博多間に1往復増発して6往復とし、直通旅客の少ない定期急行3往復を1往復に集約する。
なお、この改正で、「特急あさかぜ」が増発され2往復体制になります。
特に、最初に20系化された、あさかぜ号は、「あさかぜ (下り)1号・(上り)2号」となり、1等個室寝台【全室】1両、1等個室寝台+半室車、1両、開放式1等寝台3両、1等座席車1両、食堂車、2等寝台車7両
特に、1等寝台車を5両+1等座席車1両を含む6両もの優等車を連結する「あさかぜ」は、「殿様あさかぜ」とファンの間では語られるなど、別格扱いでした。
さらに、この改正では、「急行3往復を1往復に集約する」と書かれています
急行、雲仙・西海を廃止、霧島を、高千穂と併結して1本の列車に集約されました、後年。高千穂・桜島という列車が走っていましたが、ヨンサントウの改正では、桜島は、臨時列車扱いでした。
なお、急行雲仙・西海も高千穂、霧島もいずれも、東京を10:30から12:00の間に東京を出発する昼行列車で、山陽区間で夜行列車となり、翌朝目的に到達する列車であり、新幹線への転移がどれ程進むか読めませんでしたので、あえて東海道区間に残した長距離列車でしたが、新幹線への転移が順調に進み、利用者が減少していましたので、集約したとされています。
最後まで残ったのは、急行高千穂・桜島で、食堂車も寝台車もない輸送力列車でしたがEF58が昼間堂々と旧型客車を従えて下っていく様は何ともミスマッチな感じがありました。
イ 名古屋-九州 名古屋・博多間については、夜行特急(電車)を一往復増発し、昼行とあわせ二往復とする。
ということで、前年誕生した、581系の改良型583系により名古屋発博多行きの金星が増発されます。
なお、特急「金星」は昼間間合いを利用して、「しらさぎ」として、金沢まで1往復しています。(済みません訂正します、白鷺への投入は、昭和50年3月ダイヤ改正以降で、それ以前は「特急つばめ」西要されていました。)
ウ 大阪~九州 新幹線と完全に接続した夜行特急4往復(客車2、電車2)を増発し、6往復にする。
とありますが。このとき、「明星」と「あかつき」「彗星」がそれぞれ新幹線を受ける形で接続する寝台特急として運転を開始します。
明星も、あかつきも、彗星も、元々東海道線で運転されていた夜行列車であり、再び寝台列車の愛称として復活したのでした。
急行も、大阪(新大阪)・博多間、新大阪・大分間に各1往復増発する。と書かれています。
他には、
エ 九州線 日豊線回りの博多・西鹿児島間特急(気動車)を増発する。
オ 東京~名古屋・大阪 東海道線の昼行急行二往復を廃止し、東京・名古屋(大垣)間急行4往復のうち、二往復を東京・静岡間列車とし、これにかえて普通列車を増発する。この結果、「こだま」との接続も改善されます。
カ 大阪~四国 新幹線・山陽線・四国線を主要線区の輸送改善
完全な接続ダイヤとするため、新大阪・宇野間に特急を一往復増発して三往復、急行は季節1往復増発で10往復とする。四国線はこれをうけて高松・高知問い。高松~徳島間に各急行1往復を増発する。
3 東北・常磐線
東北線全線の複線、電化の完成に併せて大幅な改善を行う。
ア 上野~青森 特急は現行昼行1往復、夜行2往復を昼行2往復(電車)、夜行3往復(客車1電車2)にする。電車特急には、この方面で初めて「月光形」の寝台電車を投入する。
イ 上野~仙台 軌道強化によるスピードアップのほか、電車特急を三往復増発し5往復とする。急行は4往復となる。
概要は続くのですが、次回の機会にさせていただこうと思います。
ただ、ヨンサントウのダイヤで注目すべき点は、前年開発した581系【増備は改良型の583系】電車を東北線などに投入したことでした。
新幹線が当時はありませんでしたので、夜行列車の需要は盛んで、その後昭和45年にはコンプレッサやMGを床下に搭載して機械室スペースを寝台区画に充てた、クハネ583が集中的に東北地域に投入され、それまで東北本線で使われていた、クハネ581は南福岡・向日町に転出することになったのは、熱心なファンの方であれば御存じでしょう。
続きます
一部記載に誤りがありましたので、お詫びして訂正させていただきます。
今後もより正確な記述に努めて参りますのでどうかよろしくお願いいたします。 (2021/08/09 追記)
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