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ヨンサントウ改正では、波動輸送について特に注意が払われました。それまでの臨時列車は、いわゆる、「盛りスジ」と呼ばれるもので、既に出来上がったダイヤの隙に押し込む形で臨時列車を設定するようになっていました。この方式だと、同じ急行列車であっても、途中駅で後続の定期急行列車に抜かれたり、単線区間では普通列車を交換待ちすると言ったことも起こりえるわけで、列車としての価値は低くなるのでした。そこで、ヨンサントウ改正では、当初から波動輸送が見込まれる線区には当初から定期列車と同じように設定しておくことで、臨時列車の質を高める工夫がなされました。以下は、紀勢本線のダイヤですが、臨時列車が予定臨として、定期列...
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国鉄の部内誌などを参考にして、ヨンサントウ改正の記述を見ていきたいと思います。ヨンサントウの改正で、もう一つの目玉はやはり東北本線でしょう。東海道線と比べると、近代化も遅れ気味でしたが、盛岡~青森間が複線化・電化開業で近代化は一気に進み、昭和42年に月光がたでデビューした583系電車が東北路を走ることとなりました。電車化により、キハ81で運転されていた「はつかり」は、上野~青森間は8時間30分と大幅に短縮されることとなり、現行の「はつかり」と比べると1時間54分の短縮でした。これは、電車化の高速化以上に、複線化による待避等の時間がなくなったことも大きいと思われます。ちなみに、昭和33年に「はつ...
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国鉄の部内誌、 交通技術の昭和43年9月号の記事を見ていますと、四国に関しては、急行列車の行き違いを主要駅と複線区間で行えるように列車の配列を考えたと書かれています。以下、本文から引用させていただこうと思います。 四国連絡網の整備 ここらで四国連絡に目をむけてみよう。四国の列車ダイヤは、ネットダイヤを組んでフリーケンシーを主体とした輸送計画がなされているが、連絡船~宇野~山陽線と、多岐にわたる連絡はスムーズに行かない。そこで今回は白紙改正の効果を生かすべく、次のような順序でダイヤ作成を行なった。 まず、四国線内のダイヤの形として、急行列車同士の行き違いが、主要駅と複線区間でできるように列車配列...
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引き続き、ヨンサントウの概要を見ていこうと思います。JTBでは、ヨンサントウの電子書籍をダウンロードサービスしているらしいですね。さて、新幹線から順に、ダイヤ改正の特徴を見ていこうと思います。 東海道新幹線 現在、1時間当たり「ひかり」3本、「こだま」3本のいわゆる20分ヘッド時間帯は下り延べ約2時間、上り1時間であるが、これを下り9時間、上り8時間に拡大する。と書かれています。実際に、昭和42年10月のダイヤ改正の時刻表を参照しますと、20分ヘッドは、朝8時に新大阪に向かう他は、30分に1本となっています。この改正により、新幹線のダイヤは平常期、波動期平日、週末で異なる形となるが東京口の列車...