地図にない道
11月
13日
ナビゲーションシステムは作動しているが、周囲に表示できる道はない。
画面は真っ白なままだ。
藪や木の枝が車体を擦り続ける。
かつては道であったのだろう荒れた道を、車体を大きく揺らしながら奥へと進む。
崖っぷちの鋭角なコーナーを慎重に曲がると、大木が倒れ道は閉ざされていた。
バックするには、かなり難易度の高い運転が必要だし、安全に切り返しができる場所まではかなりの距離だ。
徒歩ならば、右へかわす道らしき痕跡をなぞることもできるが、ここにウインチを装着していない4×4の車体をこじ入れるには、ちょっと勇気がいる。
スタックしたところで、誰かが助けてくれるわけではない。
ここでのたれ死んでも、ヒグマ以外の誰かが発見してくれる場所でもない。
林道はビジネスに似ている。
進んできた距離は、これまでの投資額や実績。
それがあるから、簡単には引き返せない。
このまま進めば、案外簡単に大きな道に出れるかもしれないし、泥沼や谷底が待ち構えているかもしれない。
本当の答えはわからないが、周囲のいろいろな情報から洞察力を駆使して予測する。
この場合は、倒れた大木の状態や道の真中で育った木々の大きさから、道が閉ざされてから少なくとも10年から15年は経過していると推測した。
しかし、人間が歩いた形跡はあるので、場合によっては4×4での突入は可能だ。
さあ、どうする?
最後に判断するのはひとり。
経営者の孤独な作業だ。
この日、株式会社4×4のzaki社長は、難易度の高いバックを選択した。
撤退ではない、他のアプローチを探すためだ。
投稿日 2008-11-13 12:16
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投稿日 2008-11-13 12:18
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投稿日 2008-11-13 22:11
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投稿日 2008-11-14 01:51
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投稿日 2008-11-13 12:25
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投稿日 2008-11-13 22:04
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投稿日 2008-11-13 23:17
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投稿日 2008-11-15 00:36
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