私の夫は違う星から来た人
本当にどうでもいい話ですが、先月、夫と田園地帯を数時間ドライブした後、私は車の正面の網目部分に、黄色い蝶々の死骸がいくつも挟まっていることに気付きました。黒い車に黄色い死骸…。私はキャッと小さく叫んだ後、「運転しているうちに取れてしまって!」と願いました。
しかし次の立ち寄り先でも、まだ黄色い蝶々は挟まったままです。夫は気付いていないようですが、気付いたらきっと嫌な気分になるでしょう…この後、飛ばされてくれたら…。
そして次のランチ休憩。ちょうど車を駐車した、その正面の屋外席に案内されたため、私は目を背けつつ座っていました。あれを取り除くには、自動洗車マシンに入る必要があるかもしれません。でも洗車マシンでも取れなかったら……。濡れたまま貼り付いている蝶の死骸を想像すると、一層暗い気持ちになりました。
そうして目を真っ暗にして座っていると、隣にいた夫がテーブルからふいに立ち上がりました。そして車の正面に近付き、まるで普通のゴミでもつかむように挟まっていた死骸をぴっぴっぴっと取り除きました。全部終わった後、手をパンパン!とはたき、大きな声で「食べすぎちゃったなあ!」。
夫は違う星から来た強い人でした…。