記事検索

翻訳・広告代理店Ru Communications LLC便り

https://jp.bloguru.com/RuCommunications

私のハートのかけら

スレッド
穏やかな性格で甘えん坊だったバターカップちゃん
 
 
先日、公営シェルターの駐車場でナンパされて、NPO団体のボランティアメンバーになったと書きましたが、今年、既にそのNPOを通じて2匹の犬のお世話をしました。フォスターボランティアーーNPO団体がラスベガスのシェルター等から引き出した犬を一時的に自宅で預かる仕事です。
 
これまで公営シェルターのボランティアを含め、フォスターした犬は6匹。長い子で2年、半年、短い子で1週間。たとえ1週間でも、ワンコが去った後は寂しさを感じます。
 
チワワ&パグミックスのティリーちゃんはいつも、庭のザクロの実をかじったり転がしたりして遊んでいました。あの子が去った後、庭の地面に残されたいくつものザクロ。遊び道具になってイキイキしていたのに、今は寂しげな残骸です。
 
一昨日、我が家を去ったバターカップちゃん。やたらにおしっこをするので動物病院に連れて行ったら(尿道炎でした)、よほど怖かったのか、私の腕にしがみついて離れませんでした。バターカップちゃんは犬としては珍しく、世話などしない夫になつくのではなく(犬は体の大きい人間、声の低い人間をリーダーとみなす)、私のそばにだけいたい犬でした。庭でも家の中でも、「おいで!」と手を広げると、目をピカッと輝かせて、走って私の腕の中に飛び込んできました。
 
一昨日、バターカップちゃんがシアトルのNPO本部へ旅立った後、にぎやかだった家の中はシンとなりました。耐えかねてモールに出掛けると、ペットショップ。「あの子はまん丸い体だからな、あの服なんか似合いそう」なんて、棚を覗き込んで、「あ!もういないんだ」。涙を隠して立ち去ります。
 
毎回毎回、馬鹿ですね、こんなんじゃあボランティアさえできませんよ。
 
バターカップちゃんが去った後、NPOのリーダー、リサとのチャットで思わず、「It was hard to say good‐bye to Buttercup...(バターカップとの別れは辛かった…)」と漏らすと、こんな返事が返って来ました。
 
She was a beautiful baby. A little piece of your heart goes with each one of them,  but she wouldn't have had anywhere to go if not for you. So, thank you again. (バターカップは美しい子でした。どの犬もあなたの心の小さな一部分を一緒に持ち去ってしまう。でも、あなたがいなければ、あの子はどこにも行く場所がありませんでした。だから、もう一度言わせてください、ありがとう」)。

リサもこの気持ちを知っている...。「心の小さな一部分を持ち去る」…これほど的確な表現はあるでしょうか。そして想像してみました。私のハートのかけらを持って行ったワンコたち。私のハートのかけらがお守りになったらいいのに、なんて思いながら。
 
 
#アメリカ在住ライター

ワオ!と言っているユーザー

シェルターでナンパされて

スレッド
たくさんの人の手を経て、シアト... たくさんの人の手を経て、シアトルに向かったティリーちゃん
 
亡くなった愛犬バクスターへの恩返しとして始めた、公営シェルターのボランティア。シェルターでパニックになっている犬を自宅に緊急ステイさせるというもので、自分で勝手に「バクスター活動」と名付けています。こちらが現在、一時避難を必要としている動物のリストです。
 
1月は既に3匹の犬を預かりましたが、その1匹目を公営シェルターに引き取りに行った時、駐車場で白人女性に声をかけられました。「ラッキードッグね!アダプトしたんだ?」。「いや、フォスターのボランティアです」、そう答えると、「私たちのレスキューもフォスターを探しているの。電話番号を聞いてもいい?」。
 
その女性がケージ入りの犬を3匹も車に乗せて、誰かを待っていた様子だったことから、詐欺師ではない(笑)と判断。電話番号を教えると、その一週間後、シアトルのレスキュー団体から連絡があり、面接、家や庭のチェックを受け、私も彼女の仲間となったのでした。
 
このレスキュー団体はパグという犬種を専門としています。パグを専門とし、ラスベガス他、全米からパグをシアトル本部に集めることでパグ好きの注目を集め、アダプション率のアップに繋げているようです。
 
実際にこのグループに仲間入りして気付いたのは、一匹の犬を助けるために、何人もの人が携わっていることでした。公営シェルターをチェックする人、アダプトの手続きをする人、フォスターとして自宅で短期間世話する人(←私)、その後、飛行機で犬をシアトルまで運ぶ人(サウスウエスト航空が無償で協力)、現地で世話する人。それぞれ一銭のお金も受け取りません。
 
病気の犬も寄付金で治療。死ぬ間際の犬でも、このレスキュー団体は引き取ります。
 
一匹の犬を助けるために、随時10人ほどのグループチャットが作られます。あなたが行けないなら、他に行ける人、いませんか?などなど、会話のテンポも早く、ただ一人外国人の私(なぜか全員白人)にももちろん容赦なし(笑)。さらに毎週のように誰か新しい人が家に来たり、私が行ったりして、コミュニケーションを取らねばなりません。誰も押す人のいなかった我が家のスマートドアベル「Ring」は、今年になって押されまくってます。前述したように全員白人のグループですが、動物のために何かをしたいという同じ目的の人々なので壁は感じません。
 
シェルターの駐車場であの女性(パメラさん)に話し掛けられた日、私は夫に言いました。「アメリカでの私の小さな世界が、今日を境に広がっていく気がするの」。そしてそれが今、現実になっています。
 
バクスター、ありがとう。
#アメリカ在住ライター

ワオ!と言っているユーザー

  • ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
    ログイン
  • まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
    新規ユーザー登録へ
ハッピー
悲しい
びっくり