世界最大と謳われる自転車レース(ツールドフランス)。

(画像は、料理研究家の大森由紀子さんブログから拝借しました。)



3週間にも及ぶレースが6/30に開幕した。今年のスタートは、フランスのお隣・ベルギーのリエージュ。この地は、自転車レースでよく登場する場所である。
この出発点から3日間、ベルギー内でステージレースが行われた。
唯一参加している日本人の新城君、春のレースで手首を傷めたが、ほぼ回復しているようだ。 この先の活躍が楽しみ。

レースとは関係ないがスタート地、リエージュには有名なお菓子”リエージュ・ワッフル”がある。こんがりとキツネ色に焼きあがったアツアツのワッフル。弾力のある甘い生地とシャリっと歯応えのある真珠砂糖、立ちのぼる甘いバニラの香り。シンプル極まりない。この三位一体の組み合わせがなんともいえません。特に冬の寒い日、街角に漂う甘いワッフルの香り。人々はまるで花を探すミツバチのようにワッフル屋に引き寄せらる。初めていただいたのは、知り合いの家でのこと(30年以上も前)。いまどきのワッフルとは少し違っていた(伝統あるワッフルの原点を食べさせてくださったとのこと)。
ベルギーの至るところで売られているワッフルには必ず真珠砂糖が入っている。それ故、ユニークで美味しい。しかし、13世紀に生まれたとされるワッフルには真珠砂糖は入っていなかった!
ワッフルの起源は古く、古代ギリシャやエジプトまで遡る。当時は粉と水で練った粥状のものを熱い石の上で焼き食料としていた。13世紀になると鍛冶業が発達。鍛冶屋が長い柄をつけた鉄の型を考え、長方形の2枚の鉄板の間に粥を流し、上下をひっくり返して焼くという発明は、時間の節約という意味で画期的なものだったとか。小麦粉以外にもそば粉や栗粉、ドングリ粉そしてジャガイモの卸したものまで使われていたらしい。18世紀に入り卵やミルク、蜂蜜、シナモンなどが加えられ、ワッフルが甘い嗜好品に。説明してくれた人にいわく、古くは、真珠砂糖ではなくシナモンを入れていた。その理由にも歴史的背景がある。リエージュはフランク王国分裂以来、皇子司教が支配する司教国となりフランス革命まで続いた。皇子司教はバチカンの法王に次ぐといわれたほどの権力を持っていて“聖職者はうまいもの好き”といわれるように、歴代の皇子司教は大変な美食家だった。司教宮殿の台所には世界中の珍味が集まり、当時は高価な香辛料だったシナモンも豊富にあり、その影響で、昔からリエージュ地方ではシナモンを何にでも使い、おのずからワッフルにもたくさんのシナモンを入れたとか。真珠砂糖がシナモンにとって代わった理由・・それは単なるコストの問題。ベルギーは昔から砂糖大根から良質の砂糖を生産、輸出していました。ワッフルがデザートとして民間でも食べられるようになると、高価なシナモンの代わりに安価な砂糖を入れることが考えられた。では何故グラニュー糖ではなく真珠砂糖だったのか?この地方では昔からクラミック(真珠砂糖と乾しブドウ入り)とクラックラン(真珠砂糖のみ)と呼ばれるパンがあり、自ずとワッフルにも真珠砂糖を使った。食感にもこだわるグルメなリエージュ人というわけで、真珠砂糖入りのワッフルが出来た。
古典的なシナモン入りのワッフルを口にすると…柔らかい。真珠砂糖入りのしゃきっとした食感と異なり、甘くとろける生地とシナモン独特の上品で繊細な美味しさのハーモニーなんともいえませんでした。

今年は、レースステージの中で、通過する街等のお菓子を追っかけてみたい!?!
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