<慶応幼稚舎の流儀> 著者・ 歌代 幸子 福澤諭吉が二人の息子に遺した<ひびのをしえ>がある。 1871年(明治4年)一太郎8歳・捨次郎6歳のとき、福澤が半紙四ツ折りの帳面二冊をつくり、毎日一ケ条ずつ書き与えたもの。 最初は<おさだめ>と題し、七ケ条が記される。 1・ うそをつくべからず。 1・ ものをひらふべからず。 1・ 父母(ちちはは)にきかずしてものをもらふべからず。 1・ ごうじゃうをはるべからず。 1・ 兄弟けんくわかたくむよふ。 1、 人のうわさかたく無用(むよう)。 1・ ひとのものをうらやむべからず。 晩年、福澤が幼稚舎性に向けて書いた書幅には、<今日子供たる身の独立自尊法は唯父母の教訓に従て進退す可きのみ>とあるように、家庭教育の重要性を唱えている。 140年以上前に示した教訓は現在でも充分通用する。 改めて福澤諭吉翁の偉大さを感じました。