6月
11日,
2021年
英語が出来ないとダメなのか?(第2話)
昨日に続いて今日も「英語」にまつわる話。
今でも時々、始めて米国へ出張した時のことを思い出します。
それは今から25年ほど前。いきなり上司から呼ばれて
「アメリカへ出張へ行って欲しいんだが」
と言われてビックリしたことを覚えています。
当時私は、工場の経理部門で原価計算を担当していた係長。英語は日頃、仕事で少し使ってはいたけれど、いきなり出張?
その時私は、上司にこう泣きついたのを覚えています。
「でも英語で説明はとっても出来ないです。どうしたら良いでしょうか?」
その時、上司から授かったアドバイスは二つ。
一つは、英語で説明が出来なかったから、「仕訳」で説明するように、とのこと。
そもそも出張の目的は、米国で既に稼働しているシステムを、日本へ導入するプロジェクトへの参加の事前準備。特に経理部門としては、日本独自の会計処理の方法などを説明して、現地の人に理解を得て、プロジェクトをスムーズに行うための下地を作ることでした。
上司曰く、
「英語で説明が難しいと感じたら、仕訳を書けばよい。仕訳は万国共通。借方・貸方を書けば、相手は経理のプロ。必ず理解してくれる。」
アメリカ駐在の経験のある上司のこの言葉で大分、気持ちが楽になったのを覚えています。
「仕訳」とは、経理処理を帳簿に書き込むときの記帳法のルールで、万国共通の経理の常識。元々日本も、ヨーロッパから輸入して使用することになった経緯があります。
もう一つは、分らないことに出くわしたら
「私には分からない」、とはっきり答えて良い、と。
アメリカ人は明確な方向性や考え方を好むので、日本人的な曖昧模糊な状況は心地悪いらしい。
「分らないことを、分らないと表明することは恥ずかしいことではない」
と上司は言っていたように記憶しています。
なるほど! だからアメリカ人は最初にYes or Noを、はっきりと言うのだと。
私は実際出張中に英語に窮した時には、アメリカ人の前で黒板を使って借方(Debit)と貸方(Credit)を書き、説明をしたのを今でもはっきり覚えています。仕事仲間の相手はきちんと理解してくれていました。
やはり、英語は出来た方が良いとはもちろん思いますが、出来なくても伝える方法はある、というのが私の実感です。
とにかく自分の専門性を磨くことが大切かな?
その分野のプロは、使う言葉が異なっても、その専門分野に関する知識・経験などを総動員して伝える合うことで、お互いに分ってくれるものだと思います。
ではまた明日!
by 「働くあなたを元気にする」コーチ