5月
25日,
2021年
嚙み合わない会話(第二話)
昨日の投稿、
『「会話が噛み合わない」と感じることはありませんか?』
の続きです。
「会話はキャッチボール」ということで、昨日は、ボールによるキャッチボールと、言葉のキャッチボールの違いについて触れてみました。
実はたまたま、ある二人のこんな会話を横で聞いていて、気が付いたのです。
その会話をここで、かいつまんで再現してみましょう。
親子(娘と母親)との会話
娘:最近、なんか太ってきちゃったみたい。コロナであまり出かけていないからかな?
母:そうかしら?大学の授業とかゼミとかで、結構出かけているように思うけど。
娘:まあ、それはそうだけど。それで食事に気を付けなければと思って、大好きなパンだけど.......今日からパン食を止めようと思う。
母:それなら、玄米食にしなさい!
娘:?!
ここで娘さんが口をつぐんで、二人の会話は突然、終わりました。
母親の表情は「やや満足気」の様子、一方、娘さんの表情は「やるせない」ように見えました。
皆さんはこの会話のどこに、どういう課題があるように感じますか?
母親の方は、パン食を止めるとお腹がすいてしまうだろうから、そんな娘が忍びない。そこで代わりとして、より健康に良い玄米を勧めた。これは健康にもダイエットにも最適!と考えていた。
しかし一方、娘さんの方は何ともやるせない、残念に感じている。
そもそもこの娘さんが、この話を持ち出した目的は何だったのでしょうか?
そして、彼女が母親から期待していたものは何だったのでしょうか?
実はこの娘さんは、本当は大好きなパン食を止めたくない。その気持ちを分かって欲しい。共感して欲しい、と感じて会話を始めたのでした。自分自身でも、コロナ下だけど運動量を増やすことで何とかならないかな?とも思っていたようです。
しかし、そんな淡い期待は「玄米食にしなさい!」という一言で片づけられてしまった。
確かにそういう方法もあるのは、理論的は理解出来る。自分だって運動量を増やすという対応策を何となく思い浮かべていたので。
しかし、その解決策の提示の前に
「そうなんだ、パン食を止めようとまで思っているんだ!」
と気持ちを受け止め、共感したら会話はどう展開していたでしょうか?
我々は困っている相手の話に、つい解決策を提示してしまいがちです。もちろんそれは全くの善意からのもの。それを単純には責められません。しかし、
解決策の提示の前に、まずは「共感」を!
いかがでしたでしょうか?
では今日はここで。また明日!
by ステップ・バイ・ステップ