2012年2月 年次総会報告- 2011年活動報告
2011年活動報告
初めに-総論
商工会会長 鈴木 卓郎 Achilles USA Inc.
一昨年(2010年)の4月に社命によりMichigan州より米国内転勤でSeattleに赴任し、3ヵ月後の7月より商工会の会長職を前任者より引き継ぐことになりました。半年間だけでは本当の意味で商工会の役職を務めたとは言い難く、また、常任委員の皆様の援護もあり、非力ではありますが少しでも会のためにお役に立てればと思い、昨年(2011年)も会長を勤めさせていただきました。皆様もご存知のように、一昨年は、現在の形のシアトル日本商工会(春秋会)が1960年に発足してから50周年の年に当たりました。この記念すべき年に合わせて、“50周年記念事業タスクフォース”チームを編成し、幾つかの記念イベントを開催致しました。
この記念すべきマイルストーンを超えて間もなく、3月11日、日本国内において観測史上最大規模の大地震が東日本を襲いました。死者、行方不明者は2万人に及び、また、人類が始めて体験することになった自然災害を引き金にする原子力発電所の人災事故との融合事故が発生し、被害を拡大させました。
刻一刻と深刻化する被災状況がニュースで報道され、また、総領事館よりリリースされる災害速報も当商工会事務局を通じて会員の方々に伝達致しました。
また、地震発生直後から報道される災害状況を見た多くの方々から、「あなたの家族は大丈夫ですか?」「義捐金を出したいのだけれど、何処に出せば良いのですか?」と、米人社員はもちろん、取引先、息子の友達の親達からも暖かい言葉を掛けていただきました。
当商工会としても、まもなく、日系関係団体として義捐金の受付を決定し、日本語に加え英語でもリーフレットを作成し、義捐金の受付けを開始致しました。結果として$118,300という非常に多くの善意を集めさせていただきました。募金の金額もさることながら、これほど米国の方々が心配をしてくれて、少しでも力になれればと声をかけて下さる事に感謝し、その気持ちを大切にしたいと感じました。
集めた義捐金に関しては、有効に役立てて頂けるように災害支援団体に寄付を致しました。その後、黒澤事務局長が日本帰国の際に手弁当で現地に赴き、支援活動の状況の視察をして下さいました。(視察の状況は当会のホームページに掲載しております。)
多大な援助をしていただいたアメリカ政府・国民の皆様に対して、日本人として、そして商工会としても大きな感謝をしておりますし、直接地震/津波により犠牲になられた方々は当然として、原発関係でも厳しい生活を余儀なくされている方が未だに大勢いらっしゃることに非常に心が痛みます。義捐金の募集は終了致しましたが、3月にはチャリティーにも協賛させていただいておりますし、必要に応じて商工会としても活動を継続していければと考えております。
また、震災後の悲しい時期ではありましたが、この悲しさを乗り越えるためにも、通例の3部会の活動も例年通り活発に行われ、この時だからこそ、地域との交流、他団体との交流を例年と同じ様に行いました。
最後に、改めて、会の運営に関わっていただきました役員の方々、ご理解とご協力をいただきました会員の皆様、心からお礼を申し上げたいと思います。
以 上
教育部会
部会長 魚田 克彦 Maruha Nichiro USA Group
シアトル日本語補習学校は昨年4月をもって40周年を迎えました。生徒数は昨年12月時点で、幼・小・中・高を合わせて、約640名となり、この1年で約40名の増員となりました。補習校の位置づけを決めた商工会組織改編、学級編成制度の変更、学年末実力テストの導入、また、事務総長、主幹、副主幹職を置いた補習学校運営組織の強化等、ここ数年の改革の効果が表れ、週1度の授業にもかかわらず日本語教育としては全米でも高い教育水準と安定した教育環境を維持しており、生徒数の増加に伴う規模の拡大への対応に嬉しい悲鳴をあげている状況です。1.補習学校
(運営)
‐石黒校長先生が着任された。
‐生徒数増加に伴い教室の1室増加と教員の2名増員を実施した。
‐昨年度より実施の新学習指導要領への対応としての参考書等書籍の配備、また、各種研修会の充実や他地域との勉強会への参加により教職員の指導力向上を図った。
‐教職員への指導と生徒のケアのためカウンセラーを月一回配置した。
‐保護者見回り当番への理解・協力維持、非難訓練等を実施した。
‐PTAの協力も得ながら、図書の増量や授業効率化のための教育機器の購入、電子教科書の試験的導入を図った。
(会計他)
‐経理処理は四半期毎に会計士のレビューを受けており、補習学校予算・決算は常任委員会での承認を受けている。
‐政府援助、商工会及びPTAからの寄付に加えて、生徒数増により授業料収入が増加したため、財政状況は安定している。
‐サマミッシュ高校(補習校借用校)との友好関係も維持できている。
2.ベルビュー市教育関係者派遣事業
‐会員各位の協力を得てサマミッシュ高校教師を従来通り3名派遣できた。訪問先は昨年まで東京を入れていたが関西地区中心とした。
3.40周年記念行事
‐合同運動会:幼稚園から高校生まで全生徒参加の運動会を開催した。
全生徒の集合記念写真も作成。
‐授業に用いる社会科副読本は改訂版を作成し全生徒に配布した。
‐記念式典は行わなかったが、教職員の方々の懇親会を開催した。
以 上
交流部会
部会長 西川 真人 ANA Trading Corp., U.S.A.
交流部会は、「地域社会への貢献および地域の諸団体との交流を通して日米の友好関係を継続、促進する。また、シアトル日本商工会の存在意義を内外で理解して頂けるような広報活動を行う」という目的に基づき活動を行っております。2011年度もこの方針に沿って、様々な活動を行って参りました。以下にその活動内容をご報告させて頂きます。1.ファンドレイジングの為のタオル販売
2010年度までの数年間は、Tシャツを製作し、販売して参りましたが、ほぼ同じデザインで色違いということもあってか、年々販売数量は低下していました。そこで当年度は、新たにフィットネスタオルを製作し、販売価格もTシャツより低価格で、可能な限りいろいろなイベントの場で販売しましたが、思うように売れず、ファンドレイジングとしては何とか損益分岐点には達したものの、当初の目論見からははずれた結果となりました。残りのタオルにつきましては、引続き次年度の交流部会にて販売して頂くとともに、今後のファンドレイジングについては次年度交流部会にて引続き検討して頂く予定です。
2.桜祭り(4月1日~3日 Seattle Center)
桜祭りは、米国建国200年祭の年である1976年に三木武夫元首相がシアトルに1,000本の桜を寄贈したのを記念して開催されるようになった、パシフィックノースウェスト地区最大の日本文化紹介イベントです。昨年に引続き、商工会としてブースを設け、会員企業名を記載したパネルの展示、ボーイング787の部品を担当する会員企業の紹介パネルの展示、商工会が主催したイベントの写真を展示するなど、商工会を紹介する試みを行いました。しかし、会場を訪れる方は一般の米国人が多く、交流部会理事の中からは、前年度に比べると数倍も向上したとの声は聞かれたものの、この場で商工会についての紹介を行うことの意義については疑問が残り、次年度の参加の仕方については再検討が必要と感じました。本件についても引続き次年度交流部会にて検討して頂く予定です。
3.サマーソーシャル(7月17日 Newport Yacht Club)
サマーソーシャルは、日米協会と相互の会員の親睦を深める目的で始まった合同イベントで、当年度で3回目となるバーベキュー大会です。時折雨の降るあいにくの天候ではありましたが、130名を超える参加者にお集まり頂き、双方の会員同士の親睦が一層深められたことと思います。また、すいか割りやドアプライズの抽選もあり、ご家族の方々にも楽しんで頂けたものと思います。
4.蚤の市(9月10日~11日 Bellevue College)
蚤の市は2011年で8回目を迎えました。前年は寄付品を回収する機会が少なかったとの反省から、回収の回数を増やしました。当初は思うように品物が集まらずに心配しておりましたが、当日までには十分な品揃えができ、前年を上回る収益を上げることができました。その結果、蚤の市の収益金としては$5,580をシアトル日本語補習学校へ寄付することができました。
5.Day of Caring (9月16日 Pacific Connections Garden/Arboretum)
ワシントン湖の西岸に位置する森林公園内の庭園にて、United Way of King County主催のボランティア活動に参加し、庭園内の雑草取りを行いました。当日は19名のボランティアの方々にお集まり頂き、秋空の下、午前中の2時間ほどかけて清々しい汗をかきながらの活動となりました。作業終了後は庭園全体を案内してもらい、そこが太平洋に面した5ヶ国の特徴ある植物を植えた庭園であることを知り、地域の為にわずかながらも貢献できたことを実感しました。
6.ビジネス・ラウンドテーブル(10月26日 ワシントン大学パッカーホール)
今回で3度目となる日米協会との合同イベントで、東日本大震災をテーマにジャムコアメリカ社、極洋アメリカ社、Weyerhaeuser社より代表の方々に発表して頂きました。特に日本の企業からは、ビデオや写真により当時の被害の凄まじさや、復興の状況が説明されました。今回取り上げたテーマが東日本大震災ということもあり、80名を超える参加者からは、多数の質問が寄せられました。
また、今回発表後のレセプションについてはスポンサー企業が見つからなかったこともあり、会員企業各社から頂いたご寄付により、食事、飲み物を用意することができました。
7.地元団体への寄付と交流協力活動
日米文化交流のため、また地元日系社会に長年貢献している活動に寄付を行いました。
具体的内容は下記の通りです。
8.商工会ウェブサイトの維持管理
これまで年間$12,000を委託先に支払ってウェブサイトの維持管理を行ってきましたが、6月より委託先を変更し、サイトの更新は事務局が直接行える方法に変更することにより、当年度は約4,000ドルの経費を削減できました。次年度以降の維持費は約1,500ドルになる見込みです。
今後も会員の方々からの積極的な投稿、会員の広場のご利用をお待ちしております。
最後に、各イベントにご協力下さったボランティアの方々、様々な形でご寄付を下さった会員各企業及び一般の皆様、事務局の方々、交流部会理事の皆様に改めて心より御礼申し上げます。
以 上
経済・文化部会
部会長 近藤 敏行 Toray Composites (America), Inc.
2011年度の経済文化部会の活動として、1月の新年会の他、4月から11月まで7回のセミナー、イベントを実施しました。経済文化部会が担当する商工会の恒例行事である、新年会(1月)、マリナーズ観戦(4月)、及び総領事杯ゴルフトーナメント(8月)については、いずれも多くの参加者を得て実施することができました。
安全対策セミナー(6月)、ODAに関するセミナー(11月)については、いずれも領事館から講師をお迎えし、充実したセミナーを開催することができました。
ボーイング工場見学ツアー(9月)については、2010年と同様、通常の工場見学ツアーに加えて、ボーイングの飛行機製造に関わる商工会会員企業から説明を頂き、会員のご家族も含めたくさんの方に参加頂きました。
また、フィッシング/ツアー(7月)、ボーリング大会(9月)を実施しました。いずれも会員のご家族共々楽しめる企画として好評でした。
上記のように、①会員及びそのご家族の皆様が安全・快適に暮らして行くために必要な知識を提供するセミナー、②会員相互のネットワークづくりを促進するイベントを開催でき、経済文化部会の当初の目的を達成できたものと考えています。
部会役員の皆様のご尽力、及び会員の皆様の多大なご支援・ご協力によっていずれのセミナー・イベントも成功裡に実施することが出来ましたこと心より感謝致します。
以 上
2012年 予算
決議事項 会則別紙、普通会員及び準会員の区分化による会費改定
シアトル日本商工会(春秋会)会則・別紙
普通会員及び準会員の会費を以下の通り定める。尚、従業員数は系列会社の場合その総数とする。
1. 普通会員: 企業規模により以下①及び②の2種類に分類する。
①: 上場企業ないし従業員50人以上の企業
一会員あたり$180を基本月額とし、これに本会に登録される人数により一人$15の割合で加算した金額を会費月額とする。 $180 +($15 x登録人数)=会費月額
②: 非上場企業で従業員50人未満の企業
一会員あたり$100を基本月額とし、これに本会に登録される人数により一人$10の割合で加算した金額を会費月額とする。 $100 +($10 x登録人数)=会費月額
2. 準会員:企業規模により以下①、②及び③の3種類に分類する。
①: 従業員50人以上の企業
一会員あたり$130を基本月額とし、これに本会に登録される人数により一人$12の割合で加算した金額を会費月額とする。 $130 +($12 x登録人数)=会費月額
②: 従業員20人以上50人未満の企業
一会員あたり$90を基本月額とし、これに本会に登録される人数により一人$10の割合で加算した金額を会費月額とする。 $90 +($10 x登録人数)=会費月額
③: 従業員20人未満の企業
一会員あたり$60を基本月額とし、これに本会に登録される人数により一人$8の割合で加算した金額を会費月額とする。 $60 +($8 x登録人数)=会費月額
(以下は現行通り)
3. 個人会員: 一会員あたり月額$40 (年間$480)とする。
4. 遠隔地会員: 一会員あたり月額$50 (年間$600)とする。
会費は6ヶ月ごとの前払いとし、払い戻しは行わない。
・入会審査 :新規区分の普通会員および準会員候補の入会に関しても、従来通りの入会審査を実施するものとする。
・実施時期 :現会員については、次回会費請求分(2012年7月1日)より、また新入会員については、2012年3月1日より適用するものとする。
ご参考 : 会則上の普通会員及び準会員の定義
第四条 普通会員 :
(イ) 日本法人の当地の支店もしくは出張所、または駐在員事務所。
(ロ) 日本法人を主体として設立された法人の当地の本支店もしくは出張所、または駐在員事務所。
第五条 準会員:本会の目的に賛同する普通会員の資格を有しない法人の当地の本支店もしくは事務所。