蔑む内に安心を得る 儚くも拙く冷たい青の心情に あなたは近づいて微笑み パンを半分にしてさし出す 貧しさから飛び立つ心 存在の価値と喜び 温かな時間は輝きを放つ 初めて知る奉仕の心 もし僕のポケットに 数枚のコインがあるのなら 僕以外の存在への喜びを想像しよう その喜びがなにより 生きているってことに気づく そんな幸せになる話を聴いたんだ 君も聴きたいだろ 今度一緒に聴きに行こう けしてお金の話じゃないよ
「それまで」と言われ 「これまで」と死んでゆく 君は僕のことを残念な奴で 花咲く前に朽ちたと思っている 花咲く意味を知らぬは悲しいこと 光ばかり見て影でこっそり 伸びやかに咲き誇っている姿を見落とし ああ、もったいない 「これまで」と言う花の名も知らず
好きな言葉を集めたら どんな詩になるのだろう ふわふわ青 あなたの元気は僕の元気 イメージは気楽 鋭く刺すような心の矢印 ボロボロ黄昏 所詮ゼロでいいじゃん 裸の王様 人生山あり谷啓(ガチョーンのオジさん) バスケ部、野球部、ペッパー警部 浅葱色の君 美しい妊娠線 イマジン 暇人的贅沢 物足りない心情の叫び 負の癒し 感情七味 鮮やかなこんちくしょう 俺って誰? 芸術は爆発失敗の人生だ グラスの底に顔がない方がいい 愛という言葉は吐き出した途端、嘘という言葉に変わる どうでもいいけどよ、それ美味そうだな 四十一歳の春だから元祖天才ボカボンのパパだから、パパだから こんな詩になった 自分でもよくわからないが 悪くないと思ってしまう自己満足に酔いしれる
二十代の頃 友と「本物」の存在について ああでもない、こうでもない、と 討論になった 彼は本物なんてない派 私は本物あり派 けっきょく、どっちでもいいじゃないか そんなところには落ち着かなかった 彼は本物も偽物もないだろう 音楽でも詩でも受け手次第なのだから ましてや上手い下手より 好みの世界なのだから、と 私はこりゃ凄えなあ そう思うものが本物で それ以外は偽物だ、と 意外と表現の作品位置というか 価値観が違っていると勝手に感じた たぶん彼の懐は広く浅く 私は狭く深いのだろう、と 違うから面白かったのかもしれない だけど彼はそれから私と絡まろうとはしなかった 自分の世界を構築して行きたかったのだろう そう思ったに違いない、と そして三十年がたち 本物について考えてみたが 「偽物」と言ったのは若さだったのか 傲慢な考え方をしていたようだ 彼は「好み」という言葉を使い 私は「本物」という言葉を使った ただそれだけのことを今さらながら気づく 熱き若さは時に恥ずかしかったりするものだ
ぼちぼち寝ようか そう思ったけど なんだか今は動けそうにない 猫ちゃんが気持ちよさそうで 人ちゃんはしばらく詩を書いている まあ、そのままの状況を 実況中継するような詩なのだが なかなか太ももあたりは 温かくて心地いいくらいだ この猫ちゃんを 予防接種へ連れて行くと 「君は変わった顔をしているね」 なんて獣医さんに言われたけど それが可愛いいのだから 人ちゃんとしては愛着がある でも猫ちゃんにも暗い過去 飼い主がいないと殺処分 それじゃ居た堪れないと 連れて帰ったのである 犬ちゃんがちょっと前に亡くなり もう動物は買わないと思っていたのに…… よかった うちに猫ちゃんが来て けっきょく家族はみんな猫ちゃんに 癒されているのだから さてさてどうしよう 人ちゃんは お風呂に入らないといけないし お布団に入らないといけないし そうなんだけど 人ちゃんが今 一番癒されているのだから しばらくこのままでいよう じゃあ 次の詩に行こうかな
ハートの手をいくつ差し出し 今年最後の狂い咲き なるべく多くの野望を伸ばそう 強引に挑んだ数は裏切らない 影響のピンクは自己満足 浸透のピンクは浮遊思考 燃焼のブラウンは匍匐斜進 切 空洞化の果て 身体は風に反響しながらの 泣きながら笑う 伐採される存在の行方から 佇んでいたその場所を 鳥瞰しようとする目はもはやない 想像の耳が有るだけだ ただ救いなのは「無」ではく 「虚無」という 咲いていただろう 時間をまだ持っていることだ
おはようのポエムは 朝から光が凄くて 眠いけどなんだか うひゃー って、感じ えっ、どんな感じ? いい感じだよ だって昼が古くなり 黝ずんでしまい 月や星が頑張っても 浄化不足だったから ぱっと新しい光に包まれら なんだかいい日 って、感じじゃん まあ、俺自体は 新しくなっているのか わからないけど 気分は軽めになっている さあ どんどんポエムするぞ! さあ どんどん愛そうぜ! さあ どんどん歌おうぜ! さあ、さあ、さあ、始まるよ!
自分が可愛いほど 「わたしは可愛くない」と思いたがる べつにそんなことどうでも良いけど ちょっと気になったからさ 呟いてみたよ まあ、自分が可愛から いろんな悩みが湧いてくる訳さ そんなことよりひとに 「あんた可愛ところあるじゃん」 それが言えないようじゃ 「狭くないかい、あんたの世界」 って、感じじゃないかい 裏切られたとか ひとが信用できないとか そんなことばかり もう聞き飽きてしまったよ 「でも、わたしどうにもならないんです」 そんなことを言っても 「可哀想だねあんたは」 なんて同情はしない あんたの心は可愛くないから 自分が可愛いほど 「わたしは可愛くない」と思いたがる そんなあんたはやっぱり可愛くない でも、良いんじゃないか それがあんたの生き方なんだろうから
朝からYさんの詩を読む ファイティングポーズをとりながら 攻撃の言葉は自分への最大の防御になり それでいて もしパンチが来たのなら 避けずに「試してみろ」と 聴こえてくるような気迫を感じた 古巣の高知を離れ 失踪、疾走し捜索願も出され 飛び出した先は表現の世界 そこで戦って来た詩人なんだろう たぶん詩を書くことにより 殺されてしまうことがあっても 本望だと その日を生きているように Yさんには三人母親がいるらしい 生みの親、育ての親がふたり そして 三人の母親を介護するために 埼玉を離れ高知に帰るそうだ そのことを「背走する太鼓」という 作品で表現している 古巣の太鼓が聴こえて (自身の感情を叩く響きなのか) 引っ張られるように背走して行く そのYさんの動向がやけに気になる 詩は書き続けるのだろか それとも表現する意志をすべて 埼玉において行くのか やけに気になるのは 自分と重ねながら考えてしまう ファイティングポーズの詩人だから 「俺にはファンがたくさんいるんだ」 そう言って巻き込んでしまう Yさんによる 最後の朗読会を楽しみにしている
そろそろ 自分のいなかった風景にも 慣れていかなければなりませんね ではでは 今いるここで世界をひろげて 新しいことを始めましょう とは言っても 世間で新しいことじゃなくても 僕にとっての進歩が大事なのかな、と 思ったりするのです うんうん あなたのように 僕も頑張ってみようかな、と 最近は思えるようになりました あなたが今でもどこかで輝いている、と 想像するとなんだか青空から 力をもらえてくるのです 僕とあなたを比べて追いつこう、と 頑張ろうとは思いません ただ、あなたが放った輝きのように 自分も誰かのためになればと 最近は考えたりしています あなたと出会えて 僕は少し変わってきたことを知り とてもうれしくなるのです ありがとう、素敵なあなたへ