決断の際に大切にしたいこと
7月
23日
決断というと
「正しい選択をすること」
「結果に責任を持つこと」
と捉えがちになりませんか。
何だか重くなりますよね。
もちろん、結果への覚悟も大切ですが、本質的には、「その選択をどんな姿勢で行うか」「どれだけ自分で納得できるか」が最も大切な要素のような気がしています。
つまり
決断とは「選ぶこと」以上に
「選ぶための自分との対話」
その営みの質にこそ意味があると思っています。
決断は、情報や選択肢の比較だけでは完結しません。
なぜなら
・感情:「本当はどうしたい?」という内なる声
・状況:「何が今ここで可能か?」という環境要因
・価値観:「何を大切にしたいか?」という軸の確認
といったような、これらの重なりが、「今の自分」としての選択を形づくるからです。
この重なりを無視して「正しさ」だけで判断すると、
・決断後に後悔が残ったり
・他者とのズレが生まれたり
・自分の思いが置き去りになったりする
つまり、情報処理ではなく、「」自己との誠実な対話」によって選ぶことが、決断の質を整える鍵なのではなかと。
決断は、感情・状況・価値観の重なりによって動き始めるのかもしれません。
ある支援者が、研修プログラムの変更を検討していた時のこと。
事前アンケートでは「現行のままが安心」という声もあれば、「もっと深めたい」という期待もあり、振り幅がある状況。
支援者自身も「変えたい気持ち」「変える不安」のあいだで葛藤していました。
その中で支援者は、あえてすぐに決断せず
・自分の感情を言語化する(例:なぜ迷っているのか、何を怖れているのか)
参加者の背景やニーズを再確認する
・ 自分が場で大切にしたい価値を整理する
というプロセスを丁寧に行いました。
結果として
「一部の構成を変更し、問いが立ちやすい余白を加える」という決断に至ります。
その後その方はこう語りました
「正解は分からないけれど、今の自分としては『納得して決めたという実感』がある。 それが場の質に責任を持つ第一歩だと思えた。」
この言葉には、決断の本質が迷いを経て育った納得にあることが、静かに表れています。
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決断とは、ブレないことではありません。
むしろ
ブレながらも、実直に選ぶという実践そのもの。
そのために大切なのは
・ 自分の感情や直感に耳を澄ますし
・ 判断基準に自分の価値観を含めながら
・ 外的な状況だけでなく、“自分らしさ”という内的条件も整える
つまり
「何を選ぶか」以上に、「どう選ぶか」が、リーダーとしての在り方にも、支援者としての誠実さにも、深く響いていくのだと思います。
今日はもしかしたら迷いに出会うかもしれません。
どうか納得できる選択を!