今度はユダヤ教徒からの視点での講義があった。 1時間ほどでそこを去ろうとした時、事件が起こる。 廟の外でユダヤ人の婦人が何者かにより狙撃され、 救急病院に運ばれた。 イスラム教徒らしい犯人は逃走し、町には戒厳令が敷かれた。 私たちは2時間ほど建物の中に拘束され、 どの商店も閉店し、どの道路も完全封鎖。 家々の屋根には犯人を捜すイスラエル狙撃兵が配置されている。 戒厳令が解除されてからはユダヤ教徒のシナゴーグへ移動。 そこのユダヤ教徒コミュニティー代表からのレクチャー。 聖書時代からユダヤ人コミュニティーがここで綿々と存続していたこと、 長い間、ユダヤ教徒とイスラム教徒とは平和に共存していたこと、 昨今のテロがコミュニティーに及ぼしている経緯や結果、 米国や欧州の対応に対する評価など、、、 これまでのどんなプレス報道や解説からも聞いたことのない 現地の当事者ならではの深いナレイティヴを聞かせていただいた。 ツアー参加者からの容赦ないツッコミもありました。 「パレスチナ人サイドは〜〜と言っているが、その点はどうなのか」 「私はそうは思わないわ」 問題点の核心にまで深く掘り下げれいくと 解決という特効薬は 現実を無視したものに見えてくる。 「この問題は、政治や共同体形成といった方法論に本質があるのではなく、 本質は宗教なのだ」 この長老の結論が広く国際社会に認識され共有されなければ 的外れの議論が今後も繰り返されるように感じた。