悲痛の彼岸の美しさ?
7月
3日
この日も、
ポートランドのダウンタウンを駆けずり回っていた。
日本の準決勝の対イングランド戦が気になる。
もちろん、ワールドカップ女子サッカーのこと。
何とか仕事に区切りをつけて
TVにありつきたい。
周囲を見渡すと寿司屋が目に入る。
ガラス越しに店内と物色するとTVモニターがあった。
その目の前の席に陣取った時、
試合はすでに84分経過で1-1の同点。
試合はほぼ完全のイングランドペース。
防戦一方のなでしこ。
ついに90分の試合時間を消化し
ロスタイムに入っていた。
川澄選手のクロスボールを
アウトサイドキックでクリアしようとしたイングランド、6番の選手。
それがオウンゴール。
直後に試合終了でなでしこの勝利。
嬉しいが、
オウンゴールをしでかしてしまった先の選手が泣き崩れている。
他の選手や監督が肩を支えるが
顔を上げられない。
気の毒という陳腐な言い方では十分でない。
彼女の悲痛さは経験したものでないと分からないだろう。
分からないはずなのに
なぜか涙が止まらなかった。
彼女がかわいそうというものとともに
美しさのようなものを感じた。