OVAに比べてメリハリが薄い気がする。
淡々とした物語だからこそ、
メリハリが大事だと思うんだ。
OVAだと特徴的な飯塚が、実写だと印象薄くて、
誰なのかわかりにくかった。
有村巴ちゃんもずっと儚げで、強さが足りない。
一本筋が通った強さや狂気がほしかった。
酒、菖蒲の花、鞘、白梅香。
OVAで効果的に使われていた小道具が、
実写では全く登場しないか、
登場しても生かしきれてない。
アニメと実写だと勝手が違うだろうから、
それぞれの表現方法で良いのだけど、
もっと五感に訴えることができたのではないかと。
最初の刀傷も、
生かしきれていなかった気がする。
巴の中にある憎しみや悲しみ、
殺意をどの時点でどの程度見せるかってのは
やり方次第だと思うけれど。
あまりにも見せなすぎたかな、と。
本当に、最小限の言葉で、
複雑な心情を描き出す作品なんだなと。
個人的には「同じ視線」というよりも、
ひとつの言葉や出来事をいろんな視線で多角的に見ているのだと思った。
視線が違うからこそ、同じ言葉でも、
いろんな意味が込められているのだろうなと。
【silent(サイレント)】繰り返しのシーンが描く言葉の魔力/想と湊斗、紬と萌そして真子のセリフ【川口春奈 目黒蓮(SnowMan) 鈴鹿央士 夏帆
「好きな人がいる」って言葉が、
こんな形で生かされるなんて思わなかった。
真意が明かされたはずの言葉が、
さらに深みを持って迫ってくる。
コンポタ飲む度に、
Silent思い出してしまいそう笑
単なる三角関係では言い表せない人間模様が、
すごく切なくて苦しくて、
純度100%のダイヤモンドみたいで、
一点の穢れもない雪の結晶のようで、
プリズムの光のように、心を貫くんだ。
仕事をする上で、
すごく重要なことが描かれていた気がする。
現場の漁師にとっては、
獲った魚を市場に卸して終わり。
その先どうなるかがわかっていない。
だから、その先の対応がトンチンカンになる。
これ、どんな組織でも、
どんな場面でも言えることだ。
目の前の仕事に精一杯で、
この業務の展望が見えずにいた私と、
私がどんな経緯で前の配属先を異動になり、
何を理想とし、何に失望し、何を目指していたのか、
皆目見当のつかない元上司のトンチンカンな会話だってそう。
「普通はこうだろ!」って言われたって、
全くの畑違いから来た私には、普通が何かがわからない。
「これは普通じゃないんだから、
ここまでしなきゃいけないだろ!」って言われたって、
「普通がわからないのに、そんなんわかるかぁ~!!!」って思ったし、
逆に彼には、私が見ているものがわからない。
「先が見えない」って、上方下方、中枢末端、
どっちのベクトルに対しても言えることだね。
中枢の人間には現場が見えないし、
現場の人間には中枢が見えない。
その先がどうなっているかわからないから、
互いにトンチンカンな対応になる。
同じ現場でも、相対する対象が違えば見えるものも違ってくるし。
前の上司はよく「なんでなんだ!?」と言ってたけど、
そんなの簡単だった。
私と彼では、見え方が違うから。
見てきたものが違うから。
自分の尺度に当てはめて考えたって、
わかるわけがない。
それなのに、あくまでも自分の尺度で見ようとするから、
いろんなことがおかしかった。
これはきっと、今後、部署を異動しても一緒だ。
自分が上に立つ立場になっても一緒だ。
見えていないから、想像できていないから。
いかに可視化するのか、共通認識を持つのか、
どんな風に先を見据えて動くのか。
すごく重要なことが描かれていた気がする。
初恋の悪魔は、
言葉を並べ立てるくせに、肝心な事は語らず、
比喩的に表現することで、
想いを表現していた気がするけど。
Silentは、言葉を極限までそぎ落とすことで、
純度を高めている気がする。
それこそまさに、雪の結晶みたいに。
初恋の悪魔が「語り」で余韻を残したドラマだとしたら、
Silentは「沈黙」で何かを訴えかけるドラマな気がする。
あえて語り尽くすことで、そのくせ語らないことで、
大きな余韻を残した初恋の悪魔と、
ある意味、言葉を封じ、その限界を突きつけることで、
何かを訴えかけるSilent。
酷似しているようでいて、
実はものすごく対照的だなぁと。
あえて言葉を並べ立てることで、
倍速視聴や飛ばし見をさせない初恋の悪魔と、
倍速視聴や飛ばし見では、
沈黙を感じることができないSilent。
あえてタイトルを捻ることで、
あれこれ考えさせる初恋の悪魔と、
あえて直球で攻めることで、
深く染み渡るSilent。
ダイヤモンドやプリズムのような初恋の悪魔と、
雪の結晶のようなSilent。
比類なき宝石と比類なき結晶。
夏と秋、どちらも良作に巡り会えました。
【silent主題歌】Subtitle 歌詞付き動画
ドラマ「初恋の悪魔」について、
「この作品は事件の当事者に真相を直接語らせない」と
考察をしている方がいて、ものすごく腑に落ちた。
当事者には直接光を当てず、背景の光でもって
当事者の影を映し出しているようにも思えてきた。
まるで、舞台のホリゾント幕だけ照らして
役者の影を浮かび上がらせるように……。
下記サイトの「シルエット」のようなイメージ。
舞台照明用語集
https://wickedchild.nobody.jp/term/lighting.html
もしかしたら、「エフェクトマシンで投写された影」の方が
近いかもしれない。
周囲が光を当てないと、途端に掻き消えてしまう影。
照明大辞典 エフェクト・マシン
https://weblio.jp/content/%E3%82%A8%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%EF%BD%A5%E3%83%9E%E3%82%B7%E3%83%B3
この作品はたぶん、刑事が犯人や被害者、
事件そのものに迫る物語ではなく、
一般人に近い変わり者たちが、犯人や被害者の人物像、
事件の全体像に迫ろうとする物語なのかなと。
捜査権を持たないし、
持っても深入りできない彼らが追うのは、
あくまでも「像」なので、
光を当てないと消えてしまうのかなと。
本来は、本人に直接確認しないと
わからないことが多いけど、
あえてそれを封じることで、
周囲の証言や当時の状況から
推測せざるを得ない状況を作っているのかなと。
そうすることで、他人の状況や心情を類推する
必要性や重要性を描くと同時に、
危険性や愚かしさも描いているのかなと。
相手がどんな人物なのか。
どんな気持ちで何をしたのか、されたのか。
それを考えることはすごく重要だけど、
時として見方を誤り、像が歪んでしまう。
けれど、考えることを辞めてしまったら、
思い描いていたはずの人物像や全体像が
全て消えてしまう。
まるで、あることないこと騒がれた挙句に
忘れ去られた事件のように、
消え去ってしまう。
そしたらまた、どこかで似たような悲劇が
起きるかもしれない。
ボタンの掛け違えのように、連鎖のように。
だから、考えることを放棄してはいけない。
そういうことなのかなと。
今の部署に来たばかりの頃。
この作品が再放送されていて。
設定や世界観が大好きだった。
戻れるのは時間単位で、
戻ってやり直しても、
また別の問題が出てきたりして、
必ずしもうまく行くとは限らない。
ファンタジーとリアリティの
バランスが絶妙で、
コミカルでシニカルで
ほっこりする展開が絶妙で。
私も選TAXIに乗ってみたいと、
選TAXIが本当にあればいいのにと、そう思った。
一方で、「必ずしもうまく行くとは限らない」っていう展開にも
好感が持てた。
夢を見せてくれる一方で、
夢を見すぎない仕掛けが絶妙だった。
話数を重ねるにつれて、
徐々に「戻らない」という選択も出始めて、
「戻れるのに戻らないなんて、つまんない」って
思ったりもしたけど。
今にして思えば、これまたラストに向けた、
絶妙な「仕掛け」だったんだなと。
「戻らない」。
戻ることができる世界観において、
あえてそれを選択すること。
戻ろうと思えば戻れる。
けれど、それをする必要性やリスクを、
いたって自然に考えさせてくれる。
「戻らない」という選択肢を
自然と醸成した上での、
あの最終回。
あの選択は、
彼の本来の望みではなかったと思うけれど。
あの選択をするにあたっては、
一種の「諦め」のような気持ちも
含まれていたと思うけど。
でも、あれが、あの時の彼にとって、
未来にとって、
ベストな選択だったと思います。
なんで別れるんだよ!って何度も思った。
まだやり直しできるよ!って。
でも、「終わり」はそういうものかもしれないとも思えて、
心が痛かった。
端から見たら好き同士だし、
やり直しも可能なのに、
当人たちにとっては、
何かが決定的にずれてしまって、
溝は埋められないんだろうな、と。
溝を作ってるのは当人同士で、
ちょっと歩み寄れば修復できるのに、
あえてそれをしない、できない、
それがすごく歯がゆくて切なくて痛かった。
タイトルがインパクトありすぎて、
もっと凄惨だったり悲劇的だったりするのかなと思ってた。
もっとも、そういう印象を持たれがちだけど、
実は違うんだ、という前情報も軽く見聞きはしてたのだけど。
思った以上にコミカルで驚いた(笑)
あと、初っ端から「葬式には行かなかった」で始まったものだから、
行かんかいっ!!と突っ込んでしまった。
現実から目を背けたくなるのはわかるけど、
受け入れたくない気持ちもわかるけど、
でも、きっと「僕」にとって
「彼女」はすごく大切な人だったのだろうから。
「彼女」のために、行ってあげてほしかった。
でも、そこら辺はきちんと終盤で、
フォローというか、挽回をしてくれたので、
これはこれでありかなと。
自分は誰それに会うために生きてきた、
誰それと会えるのをずっと待っていた、という表現も、
今や非常に青臭く感じてしまうのだけど、
ふたりは高校生だから、
まあ、これもこれでありかなと。
彼女の死因だけが非常にもやる。
え!?そっち……!?っていう。
今思うに、きっとそういう反応を期待して
この設定にしたんだろうなぁと。
でも、あえてそういう設定にしたのたら、
もっと背景や「その後」に触れてほしかったなぁ。
あまりにもさらっと行き過ぎて、
え!?その理由で死ぬ必要あった!?って思ってしまった。
あまりにも唐突すぎて、
心が追いついていかないというか。
でもそれはきっと「僕」も同じだから、
視聴者を「僕」と同じ視点に立たせることに
成功したわけではあるんだけど。
でも、もっとこう、
ニュースや新聞のカットを入れるとか、
「僕」がそれを拒絶する描写を入れるとかした方が、
すんなり入って行けたかなぁと。
「彼女」の母親役は、まさかの和久井映見さん。
彼女が出てるって知らなかったから、
声聞いた途端、テンション上がって、
若干、物語の世界から現実に舞い戻ってしまった(笑)
でもすごく包容力のある素敵な声だった。
優しい母親役が板についているなぁと。
「僕」の葛藤がもっと描かれた上であれば、
もっと心にじんと来るシーンになっていたかも。
「僕」が心を整理するのに時間がかかったように、
視聴者にももっと時間を与えてくれれば、なお良かったなぁと。
それにしても、ちょくちょく出てくる同級生、
名前調べたら、「ガムくん」って(笑)
可哀そうだから名前つけてあげてって思っちゃうけど、
「僕」にしてみたら、
「ガムくん」以上でも以下でもなくて、
そこがミソなのかもしれない。
作品そのものをしっかり見たわけでは
ないのだけど。
主題歌を歌うメンバーの一人に
琴音ちゃんがいることもあって、
存在は気になっていた、
月9ドラマ「ナイト・ドクター」。
今日、ついに予告と2話のダイジェストを見た。
私は医療関係者ではないものの、
内容的に一部、
日頃の業務とリンクしすぎる部分があって、
ガッツリ見る気にはなれないのだけど。
予告とダイジェストだけ追いかけるのも、
アリかもしれない。
2話で出てきた患者の母親役、
なんか見たことあるなって思ったら、
谷村美月さんだった。
彼女、ドラマ「Woman」では、
医者を演じたんですよね。
それこそ、激務で疲れ果てて、
家事や育児に手が回らず、
役場勤務の夫とすれ違い、
離婚する女医役。
そんな彼女がこの母親を演じたことも、
すごく感じるものがある。
本当に、「普通」って何なんだろう。
『ナイト・ドクター』“朝倉”波瑠「普通って何」 ドラマを超越した問いかけにネット共感
https://news.yahoo.co.jp/articles/4a456f33371f396e52ac886b3b160860d2f3e2bb
「Night Doctor」第2話レビュー:普通とは、何か?(※ストーリーネタバレあり)
https://www.excite.co.jp/news/article/CinemasPlus_046874/
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