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内倉憲一 ニュースレター Vol. 290 消費者の心理

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消費者の心理

ものを買うときの基準は何ですか?もちろん、欲しいものをできるだけ安く買いたいという気持ちは誰にでもあります。同じものを買うのに他の人より高いお金は出したくありません。これが原因で価格競争が起こるのですが、本当に大切なのは価格だけでしょうか。ものには適正価格があります。その適正価格の範囲であれば、どのような違いで消費者は判断するのでしょうか。

  1. 立地条件
    インターネットが盛んな今でも、今すぐ欲しい、今すぐ必要となると価格だけではありません。例えば、急に必要になった日用品や食品は、近所のスーパーやコンビニエンスストアで購入することが多いのではないでしょうか。なぜそこで買うのか?答えは近いから、です。また、ウィンドウショッピングをしていて衝動買いをすることもあります。これは立地条件が大切な要素になります。
  2. 価格が正統で品質が良い
    例えばコストコが良い例でしょう。コストコで買ったものは特に安くなくても品質が良いように思います。万が一、問題があっても返品できます。品質保証があるため、消費者は安心して購入できるのです。また、適正価格とは、単に安いというだけでなく、品質と価格のバランスが取れていることを意味します。
  3. 利便性
    言うまでもなく、アマゾンがこれに当たります。どこからでも注文できて、価格も適切で、返品が簡単。これは消費者にとって大きな魅力です。迅速な配送サービスや豊富な商品ラインナップも、アマゾンが選ばれる理由です。
  4. ブランド力
    デパートやブランド品のお店が該当します。例えば米国で腕時計を購入する場合、機能面だけで言えば、お手頃な価格のTIMEXで十分です。それでも、高級ブランドの時計が売れるのは、ブランドの力です。ブランドは、品質の保証だけでなく、ステータスや信頼性、デザインの魅力を提供します。
  5. 風評
    一見同じに見える物でも、多くの人が話題にしている商品が売れます。これがインターネットを使った広報が流行する理由です。広告のみならず、インフルエンサーが使うだけでも広告効果が上がります。レビューサイトやSNSでの評価が高い商品は、消費者の信頼を得やすく、購買意欲を高めます。
ものを買う際の基準は価格だけでなく、立地条件、品質、利便性、ブランド力、風評など、多岐にわたります。消費者はこれらの要素を総合的に考慮し、最適な選択をします。企業はそうした消費者の心理を理解した上で、効果的なマーケティング戦略を立てる必要があるでしょう。

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内倉憲一(うちくらけんいち)

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