書籍名~ 天あり、命(めい)あり ・・百年先が見えた経営者 大原總一郎伝 著者~ 江上 剛(えがみ ごう)さん・・作家》 発行所~ PHP研究所 クラレの2代目社長・ 大原總一郎氏になり代わった江上さんが書いた(1.5自伝) です・・ 相変わらず江上さんの迫力に引き込まれてしまった。 小生の知識では・・<クラレ~大原美術館>でした・・ 大原さんの理想主義から??と考えられる<ビニロン>の開発 小生は<絹や麻・綿等>は従前から承知していたが・・後発の<ナイロン>は靴下で覚えたが・・<ビニロン・・ポリエステル・・塩ビ・・他>は、区別もつかない。 <ビニロン>の開発に多額な費用と時間を費やし世界一の商品に仕上げ・・ノウハウを、周恩来首相当時の中国に輸出したそうだ・・ 特に印象になった文節の一部から 一時期は、誰も<倉敷レイヨン>と呼ばなかった。 ビニロンにこだわり、経営を悪化させたことを揶揄し<クルシキレイヨン>と呼ばれたこともあった。 <總一郎>はどうして戦後の苦しい時期に、<ビニロン>に社運を賭けたのでしょうかね・・ <總一郎さん>は、百年先が見える目を持った経営者だったのだはないでしょうか・・ ほとんど儲けになりませんが、この糸がないと研究者の人たちが困るのです。 わが社が製造を中止するっていったら、世界中から悲鳴があがるんです。 ニッチな市場ですが、シェアはナンバーワンです。 わが社は、世のため、他人のやれないことをやる、というのが企業理念でしてね。 その土台を築いてくれたのが二代目社長・大原總一郎~百年先が見える経営者でした。 親交のあった<松下幸之助>は、<非常に美しい経済人ですなあ>と評し ・・ つまり<日本人を見てくれ~日本人はこんなものだ>という見本に、僕は大原さんを持って行きたい感じがしますなあ・・と語っという。 <江上さん>の言葉から・・ 私は、現在の日本の経営者の多くが目先の企業利益追求に汲々とする余り、かえってグローバル化の時代に取り残されているのではないかと懸念している。 そんな彼らに<大原總一郎を見よ!>と言いたい。 一企業の利益ではなく、社会全体の利益を追求するのが経営者の使命なのだと大原總一郎は教えてくれる。