佐伯夕利子著「教えないスキル」を読んで(Day8, final)「頑張る文化 vs. 自ら考え行動する文化」

こんにちは!「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

最近、嵌まっている、というか正確に表現すると「研究対象」にしている

「メンタルコーチング」

私はこれまで、ビジネスパーソンを対象にコーチングサービスを提供してきました。従って、アスリート向けのコーチングは新たな領域。

プロコーチ仲間から、有難いことにお声がけを頂いたので、これも何かの「啓示」。

昨年は東京で、そして今年は北京でオリンピックが開催されていることもあり、コーチング業界としてはホッとな分野です。

しかし研究とは言っても、先ずは一人で出来ることということで、メンタルコーチングに関する書籍を読み漁っています。

今日は読了した書籍の中で、感銘を受けたものをご紹介していきます。

それは

佐伯夕利子著「教えないスキル」

タイトルもさることながら、この本の内容は「衝撃」です。

副題が

「7つの人材育成術」

とあるので、7つの育成術を一つずつ取り上げていきます。今日は、育成術の最後、七つ目です。

なおその際、佐伯氏がこの育成術を確立していく過程で、メンタルコーチがどのように関わってきたのか? メンタルコーチの視点も含めてお伝えしていきます。

今日はこのシリーズの最終回です。

【7つの人材育成術】

7.認知力を育てる(cognitive)

(1)著者が指導者として所属していたスペインのサッカークラブで、選手に特に求めていたスキルは「コグニティブ・スキル」つまり認知力。

時間・空間・スピード・変化、シチュエーションなど、ゲームにおける不確定要素を認知する力である。

(2)体が大きい、強い、速いといった要素よりも、試合中の不確定要素をどう捉え、考え、判断し、選択したか。このような認知力を選手が養えるように指導改革をした。

(3)スペインも日本同様に小柄な選手が多く、フィジカルは強くない。従って日本も認知力を高める育成スタイルを選択した方が良いのではないか?

(4)日本のスポーツ界には、一生懸命頑張る文化はあるけれど、選手が自ら考えて行動する文化がなさすぎる。

言い換えれば、頑張らせる指導(教育)はあるけれど、自ら考えて創造したり、自分で判断できる力を養う指導(教育)がない。

(5)日本は「生きやすいけれど、息苦しい国」。秩序ある風土を維持しつつ、人権や尊厳をのんじる社会を目指せば、様々なことが好転するように思う。

(6)少年サッカーの場合も、日本は最初から勝つためにやらなければならないことが大人から提示され、非常に制限のかかった中でサッカーをしていると感じる。

スペインでは「自分たちが思うようにやってごらん。これとこれだけ約束しよう」と話してピッチに送り出す。

このシリーズは今日で最後です。

佐伯氏の著書を読みながら、サッカークラブの指導方法に焦点を当てて来ました。

しかし全く同様のことが日本の、学校内でも、企業内でも、ひょっとしたら家庭内でも起きているように感じます。

大人が先ずは変わらなければ、と強く感じさせる良書でした。

ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお

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