会社数字を活かす:経理部門から見える会社・社会とは?(Day13)「会社の『健康診断』の勧め」

会社にも定期的な「健康診断」が... 会社にも定期的な「健康診断」が必要!
こんにちは!「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしおです。

少し間隔が空いてしまいましたが、今日から再開します。

私の前職である「財務経理職」という仕事を振り返りながら、異なる視点や考え方をお伝えして行きます。

全体は、下記のような流れで書き綴っています。

全体の流れ・章立て
第一部:財務・経理部門の役割(完了)
第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」(完了)
第三部:財務経理部門をどう活用するか(本日から)

そして今日はとうとう最終章の第三部、

第三部:財務経理部門をどう活用するか


これまでは財務経理部門の内部に視点でしたが、今日からは

「外部からの視点」で

色々と思うことを綴って行きます。


章立て
1.会社・事業の「定期健診・健康診断」としての活用(本日)
2.課題達成のための「数字・データ」の活用
3.中長期や将来の姿を「数字」で描く


『会社・事業の「定期検診・健康診断」としての活用』

今日の章立て
1.人間と同様、会社にも「定期検診・健康診断」が必要
2.何をチェックするのか?
3.チェックした後は何をするのか?


1.人間と同様、会社にも「定期検診・健康診断」が必要

(1)皆さんは一年に一度、「健康診断」を受けていますでしょうか?「私は健康だから大丈夫!」と自信がある方も是非、定期的に受けて頂きたい健康診断。

(2)実は会社も全く同様です。「うちの会社は儲かっているし、従業員も元気。お客様にも喜んでもらっている。問題無し!」とおっしゃる経営者・社長さんは少ない、かとは思います。

いくら順風満帆だとしても、会社も定期的に「健康診断」を受けて欲しいと考えています。そのメリットを幾つか列挙してみます。

①会社という「生き物」を、全体感を持って眺めることが出来る。

②他社との比較、自社の過去からの推移、などを改めて眺めてみると見えてくるものがある。

③経営者が感覚的に感じている課題が「可視化」される。または自社の将来・未来を考える出発点になる。


2.何をチェックするのか?
我々の定期検診と同様ではありますが、こんな点がチェックできるかと思います。

(1)財務診断

①これはご想像の通り、いわゆる貸借対照表・損益計算書を使って財務状況を見ます。

②業界内の他社との比較はもちろん、異業種だが同規模の企業との比較も可能です。

下記(2)戦略診断とも関連しますが、業態や業種の転換を検討しているのであれば、この比較も重要です。

③財務診断はまさに「定量的」な視点です。数字を以って色々なものが見えます。

しかし、数字の向こう側、その数字に至った背景など、数字の裏側も勘案することが重要です。(以前ここで触れた「story behind the numbers」という発想です)


(2)戦略診断

①自社が採用している事業戦略がどういうもので、それがどういう形で成果として表れているか、という診断です。

いわゆるマーケティング戦略の「4P」の視点で、現状を俯瞰します。4P とは、「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(プロモーション・販売)」を指し、マーケティング戦略を構成する4つの軸です。

②4Pを見る際に重要なのは、誰が自社の「対象顧客」なのか?そして顧客に提供している「提供価値」は何なのか? この2つの事項を明確にすることが大切です。

③戦略診断は財務診断に比べて「定性的」な視点を多くなります。判断を明確にする、一般化するためには定量的な視点も重要ですが、一方、数字的な視点だけでは不十分な場合が多いです。


(3)将来の計画や「ありたい姿」との差異分析

①財務診断と戦略診断で得られた「現状」を元に、自社が思い描いている将来の姿との比較が最も重要です。

②中長期経営計画を策定している会社であれば、その計画で描いている数年後への道筋と、現状を比較してみる。

その道筋上にあるのか(on the right track) 、それとも下方を走っているのか?

③中長期経営計画の通りには、残念ながら事業展開が進まない、ということが多いかと思います。何が問題・課題なのか? それを全体感を持って診ることが「健康診断」によって可能になると考えます。


3.チェックした後は何をするのか?

(1)皆さんは健康診断で確認した結果を見て何をしますか?企業の「健康診断」も全く同様です。PDCAを回すことで、事業展開をしている企業であれば、これは自明ですね。

(2)つまり課題・問題が浮き彫りになったので、改善や修復のための活動に着手します。

(3)ここで勘案したいのが「優先順位」。限られたリソース、つまり「ヒト・モノ・カネ」で事業展開をしているので、何でもかんでもには手を付けることは不可能です。

(4)ではどういう観点で優先順位を検討するのか?上記と同じ切り口、即ち財務・戦略・将来像、で考えてみましょう。

①財務:
キャッシュをどれだけ生み出しているか?

目先では、日々の資金繰りはどうか?資金ショートを起こして、短期借り入れに依存していないか?

②戦略:現状と採用している事業戦略を「ビジネスモデル」という視点で比較してみる。

③の将来像とも関連しますが、将来に向けて描いているビジネスモデルと乖離しているのであれば、早めの手当が必要です。

③将来像:これは戦略策定と比べて将来像は、もう少し先の未来に置いて考えると良いと思います。

例えば戦略が3年後くらいの時点を到達点としているのであれば、将来像は5年から10年後を見据えて検討したいです。

その際は「世の中がどうなっているのか?」「その時に人間の行動や嗜好・志向はどうなっているのだろうか?」という視点を持って夢想することが必要です。

今日は、ここまでにします。

ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお

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