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2005年3月12日に石森管楽器地下ホールで発足会を行ない産声を上げました。

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ブログスレッド

  • 復刻版 アンブシュア のお話

復刻版 アンブシュア のお話

スレッド
これは2004年9月9日のブログを見直したものです。

3種類のアンブシュアを紹介していますが、どの形でも長時間吹いて疲れないなら正解だと思います。

最近基礎練習のおかげか長時間吹いていても疲れなくなりました。

しかし、この頃の文章は長く書いてますね。 感心します・・・

===========

今日は、どうしようかと思いましたが、アンブシュアのお話をします。

前回は、ロングトーンのお話でしたね。 

腹式呼吸やお腹から圧力をかけた暖かい息を出すこともお話ししました。

少し、復習です。

 出しやすい低域の音から、はじめは音を半音ずつ下げていった後に、今度は上昇していく

 息をたくさん吸って、まっすぐ出す

 自分の目標を練習する

今日は、以前のブログで、演奏するジャンルによって違うので先生に聞いてください。 といいましたが、やはり一度お話ししておかないと、この先説明しづらくなりそうなので、一般的な話になると思いますが、聞いてください。

では、サックスの音を出すために、とても大切な【アンブシュア】について、お話しいたします。

サックスのアンブシュアとは、顔の左右11対の筋肉や、口の中、舌などの状態を指します。

簡単にいうと、『マウスピースをくわえて、音を出すために必要な口のまわりのこと』 です。

よく勘違いする、マウスピースをくわえている唇のまわりだけではない、ということですね。

11対の筋肉というのは目から下にある、顔のいろいろな筋肉のことです。

ここからは、マウスピースのくわえ方・唇の形を、3種類ご紹介します。

1.FAT−LIPS (ファット・リップ)

ジャズ系、フュージョン系などのプレーヤーに好まれる唇です。

【上下の唇を巻かないで、自然にマウスピースをくわえる】方法です。

利点は、唇に柔軟性があるため

・音程・音色の変化がつけやすい (サブトーンやパーカッシブトーン、ベンドなど)

・太い音が出しやすい

・フラジオも含めた高音域で音がやせない

・長時間の演奏でも疲れない などがあげられます。

よく言われるのは、『スープを冷ますような唇』 ですが、私は、それほど口をとがらせないと思います。

20年以上前ですが、アーチーシェップのレコードジャケット(ってやっぱ古いですね〜)が、まさにこのスープを冷ますような、とがらせた唇をしていました。

それを真似て、暫く練習していましたが、全くダメでしたね。

いまは、唇は普通の状態で、マウスピースを口にもってきて、くわえるだけです。

では、歯と唇の状態です。

・上の歯は、マウスピースにあてます。

・下唇は、外に出ているキスをする部分(分かりやすいですね)ではなくて、内側のピンク色の部分を、歯のクッションにしてリードにあてます。 もちろん下唇は巻きません。

このファットリップは、黒人プレーヤーがルーツではないかと思っています。

奏法を教わらなかった黒人が、何も意識せずにマウスピースをくわえただけの状態で、自然にこの状態が、楽に作れて、リードのクッションになる唇のピンクの部分も厚いので、よい音を出しているのが始まりだと思いますね。 (真相は、定かではありませんが・・・)

トランペットの連中も、あの分厚いピンクの唇がほしいと、よく言っていました。

2.SINGLE−LIPS (シングル・リップ)

クラッシックや吹奏楽などの方に多い唇の形です。 もちろんジャズ系の方にもいます。

【下唇を巻いて、自然にマウスピースをくわえる】方法です。

利点は、

・安定した音程が得られる

・安定した音色が得られる

・どの音でもブレスの度合いが、あまり変わらない などがあげられます。

この、安定した音程と音色は、他の方法ではすぐに得られない最大の利点です。

歯と唇の状態です。

・上の歯は、マウスピースにあてます。

・下唇のキスをする部分の範囲で、自然な形で巻き、歯のクッションにしてリードにあてます。

『下唇を巻いて』 と言われると、巻きすぎる人が多いので注意してください。

特に、楽器を初めたばかりのプレーヤーは、先生に見てもらってください。

唇の厚さや、歯の形などが一人一人違いますので、『こうしなくてはいけない』 というものはありません。

しかし、音を出す大切な部分ですので、最初のうちはレッスンのたびにチェックしてもらうようにした方がよいですね。

唇が痛くなると思いますが、最初のうちは誰でも経験することです。

私も始めたばかりの頃は、かなり噛んでいたため、唇が腫れて醤油をつける刺身などを食べると、飛び上がるほど痛くて食べられませんでした。

これは、いま考えると、下唇巻きすぎと、かみすぎだったからです。

3.DAOUBLE−LIPS (ダブル・リップス)

いろいろなジャンルで、吹かれている方が少数ですがいるようです。
もちろんプロに中にもダブル・リップスで演奏している方がいます。

【上唇と下唇を巻いて、マウスピースをくわえる】方法です。

利点は

・歯の形状、かみ合わせ、差し歯などに影響を受けにくい

・音色をコントロールしやすい (歯を直接マウスピースにあてないため、歯や骨などを伝わる音が耳に入りにくいため、自分の本当の音が聞きやすい)

・太い音が出しやすい (口の中が広くなるため)

・タンタンギングがやりやすい などがあげられますがマスターするのは難しそうです。

歯と唇の状態です。

・歯は、直接マウスピースにつけません。

・上唇と下唇の範囲で、自然な形で巻き、歯のクッションにしてリードにあてます。

普通教わるのは、1.か2.だと思いますが、3.の奏法も優れているようですので一度は試してみてください。 私もやったことがありますがけっこう暖かい音が出るものです。

● アンブシュアの注意点

アンブシュアは、

 『 良い音を出し、その音をコントロールするために、いかに歯でかまずに、リードを安定して振動させてあげられるか 』

だと思います。

音楽を表現するには、アンブシュアに柔軟性が必要ですからどの形でも、歯でかむようなことはしないでくださいね。

● アンブシュアの確認

1.どの唇の形でも、手に持ったマウスピースだけくわえて、前後左右に動かしてみましょう。

すぐに動くようならOKです。

固くて動かないようなら、締めすぎ(かみすぎ)ですね。 

合奏のときに、、まわりの人に音程を合わすことができなくなってしまうし、ビブラートもかけられなくなります。

2.次に、マウスピースだけくわえて、ピアノキーで、アルト ”Bb” テナー ”Ab” 程度の音になりますので、確認してみてください。

厳密にピッチを合わせる必要はありません。

そのために、ネックで調整するようにできているんですね。

でも、サックスを吹いたときに、極端に抜いているとか、コルクが見えないぐらい差し込んでいる場合は、楽器自体の音程バランスが崩れてしまうので、もう一度アンブシュアを見直してみましょう。

バリトンサックスの場合や、CキーのソプラノにBb用のマウスピースを入れた場合は、コルクが見えなくなる場合もあります。

チューニングする一つの音程だけではなく、全体のバランスも見るようにしましょうね。

ちなみに音程の70%以上は、このアンブシュアで決まります。

楽器の音程が悪いと疑う前に、アンブシュアを見直しましょう。

それでもダメなときは、サックスを調整に出してくださいね。

誰が吹いても極端に違うようなら、マウスピースを疑った方がよいかもしれませんね。

● ちょっと脱線して、チューニングメーターについて

『音程はチューニングメーターが作るんじゃない! 響きで合わせるんだ!』 

 って知ってますか?

たしかに、メロディやユニゾンの音程は、チューニングメーターでよいのですが、ハーモニーになったときは、その音程ではダメでです。

C(ド)とE(ミ)の音で友達と確認してみてください。

Cを基準に3度Eの音を重ねた場合、Eを吹いてる人が、チューニングメーターどおりに出すと、綺麗にハーモニーにならず、大きなうねりができるはずです。

綺麗なうねりのないハーモニーにするには、Eの音を出している人は、少しずつ音程を下げていってください。

うねりがない綺麗なハーモニーになる場所があります。

響きがよければ、鳴らしていない上のG(ソ)の音も聞こえてくるはずです。

チューニングメーターが、全てではないことが分かっていただけると思います。

このことからも、締め気味のアンブシュアでは、融通がきかなくて、ハーモニーのときに合わせられなくなってしまうんですね。

ジャズの世界では、『上下半音は、口でコントロールできないといけない』 と、言われています。

表現力を求められる音楽ですから、かっちりしたアンブシュアでは、コントロールができないんですね。

*ご注意

アンブシュアは、体型や顔かたちが人それぞれ違うように、一概にこれがいいとは、言えないものです。 ジャズやフュージョンだから、絶対ファットリップだ!とは言えないんですね。 大多数の人がやっている形です。 くらいかな

マウスピースのくわえ方も、『マウスピース全体を輪ゴムで締めるように』 とか 『口笛を吹くように』 とか、いろいろありすぎるんですね。 これは、自分でいろいろな練習をしていく中で、試して、より楽な口で、良い音を出せる方法を見つけていくしかないです。 それも一つだけではなく、表現する音楽やスタイルによって、音色を変えられる、器用なアンブシュアが必要になってきます。 サックスという楽器は、とても奥が深くて、常に研究と新しい発見の繰り返しなんですね。 ですから、アンブシュアの詳細は、とても文章で表現しきれるものではないです。

アンブシュアは、サックスを吹く上で、とても大切な事ですので、特に楽器を初めたばかりの人や、独学で練習している人は、無理なアンブシュアを覚えないようにしてくださいね。 一番よいのは、実際に吹いている姿が見てもらえる先生に相談して、自分にあったアンブシュアを探すことが早道だと思います。

『メロディやユニゾンの音程は、チューニングメーターでよいのですが・・・』 と書きましたが、びったりの音程では、雰囲気がでない音楽も沢山あります。 特に民族音楽や、日本の雅楽・民謡などの西洋音楽から派生していないものを聞いていただければ分かると思います。 フュージョンでも、クォータートーン(1/4音程)を、一つのインパクトとして、当たり前のように使っていますし、ジャズのブルースでは特に、ある音の音程を下げて雰囲気を出しています。

● マウスピースパッチのお話

上の前歯先端が平らでなかったり、揃っていないプレーヤーは、上手く歯をマウスピースに固定できないので、使った方がよいようです。

厚さもいろいろありますので、試してみましょう。

厚いものは、上の歯が固定しやすいので、アンブシュアを安定させる意味でも、始めたばかりのプレーヤーは、一度使ってみることをお勧めします。

ある程度吹けるプレーヤーが試す場合は、厚いパッチをつけると、サウンドが変わったり、変わったように聞こえますので、その点は注意してください。

他にもマウスピースに歯形がつくのを防止するために、薄いものを貼り付けるのも良いかもしれません。 (サウンドがほとんど変わらないので、私はつけています。)

必ずつけなくてはいけない、というものではないことを、最後に付け加えておきます。

● 今日のまとめ

 3つの唇の形と、よく使われているジャンルなどと、注意点、確認方法などを紹介いたしました。

 1.FAT−LIPS

 2.SINGLE−LIPS

 3.DAOUBLE−LIPS

● アンブシュアの注意点

● アンブシュアの確認

● ちょっと脱線して、チューニングメーターについて

● マウスピースパッチのお話

『音程はチューニングメータが作るんじゃない! 響きで合わせるんだ!』 

  今日の一言

  『 アンブシュア 自分の口は 自分で探そう 』

今日のお話は、これでおしまいです。

アンブシュア のお話 でした。
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