2019.3.30 空飛ぶタイヤ
3月
30日
池井戸潤の『空飛ぶタイヤ』
800ページを超えるかなり分厚い本
下町ロケットや陸王もそうだが、企業ものはサラリーマンを38年やっていたので、書いてある大企業のセクショナリズムや派閥、考え方・思考回路が良く分かる。
内向きの仕事、大企業に勤めているというプライド、他社が頭を下げるのはその人じゃなく会社の看板に頭を下げていることを勘違いしている社員などなど、いま振り返るとそうせざるを得ないのが企業で生き残る方法だし、勘違いさせてしまうことなんだと思う。
郷に入れば郷に従え ではないが、先輩社員からそれが常識と教えられて同じことをするのが波風立てずに会社生活を送ることだし、それが後輩に伝わり社風と言うものができてくる。
それに歯向かえば飛ばされたり冷や飯を食うだけ。
私はメーカーの品質保証部門と営業部門をそれぞれ19年ずつ経験して、いろいろな仕事を経験させてもらったけど、一番疲れるのが業務内容ではなく人間関係
早期定年退職して7年ほど経つが、そのような世界から離れても38年間の思考回路は消えるものではないが、このような本をたまに読んでみると、当時と現在の思考対比ができて面白い。
いまやっているタイマッサージは全く別の世界だが、テキストを作ったり教えたりする時にサラリーマン時代の経験がとても役に立っているので、その経験は無駄じゃなかったな と思わせてくれた本でした。