何か目立った実績があるわけでもなく、何なら評価はたぶん普通以下で、自分は「ごくごくごくごく普通の人間」だと思っている。
囲まれている人たちが活躍している人たちばかりなので「自分には特別な才能なんてない」と、心のどこかで線を引いている。
努力しても周りのように輝けない。
自分の「強み」や「魅力」がわからず、何を伸ばせばいいのかも見えなかった。
評価される人には、もとから才能がある。
そうに決まっている。
そう思い込むことで、自分の可能性にフタをしていた。
あるとき、いつも通りの何気ない無意識の行動に、仲間が言ってくれたひと言が心に刺さった。
「それ、もっとみんなに見せた方がいいよ。あなたのその視点、すごく深いんだから」
「角度が独特」
その言葉に、初めて「こんなことも価値になるのか」と感じた。
人の「ポテンシャル」とは自分では気づかないけれど、誰かにとって光り輝いて見えたりしていて、それを伝えてもらうことで力強さが増していくものだと、そこではじめて実感した。
自分の思考や行動を、短くてもいいので日々記録してみる。
その中にある共通点や“無意識にやっていたこと”を洗い出し、言語化してみる。
「気配りができる」
「構造化するのが得意」
「気づいたことをそっと伝えるのが自然にできる」
そういった経験に基づいた自然にできる行動を言葉にしてみた時、はじめて自分の輪郭が見えたような気がした。
ポテンシャルは見えない才能ではなく、
「無意識に繰り返している自分らしさ」
それに気づくには、まず自分の日常に目を向けること。
特別である必要はない。
ただ「これ、なんか自然にできてるな」という行動こそ、誰かにとっての価値になりうるのだと思う。
そして、自分自身が「それでいい」と認めた瞬間、ポテンシャルは“力”を発揮していくのだと、そんな気がしている。