兵どもが夢の跡
4月
5日
「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり。
ひとたび生を得て滅せぬもののあるべきか」
(人間の一生は所詮五十年に過ぎない。天上世界の時間の流れてくれべたらまるで夢や幻のようなものであり、命あるものはすべて滅びてしまうものなのだ。)
絢爛豪華な安土城を築き、その琵琶湖に面した交通の要所を抑える戦略眼を持ち、
さらに宣教師を通じて世界情勢にまで視野を広げていた異端児信長。
その急進的な独裁体制は「和をもって貴しとなす」古来の日本体制と馴染まず、
明智光秀の謀反がなかったとしてもいつかは暗殺の憂き目に遭ったと考えられます。
完成からわずか3年ほどで炎上し廃城となった安土城には信長の夢が凝縮されているようです。
「夏草や兵どもが夢のあと」とは松尾芭蕉の有名な句ですが、
これを文字ってこの時の私の心境を一句。
「霧雨や先覚者の夢もかすみ」
ハハ、凡庸すぎますねぇ。