サンフランシスコからコペンハーゲンへ引越しの友
12月
11日
十数年 のお付き合いとなっている
サンフランシスコの美容師Kさん。
この日は何やら覚悟を決めた様子で私の元にやって来てハサミを差し出す。
他の業者に研磨を依頼したが、
お望みの切れ味に回復していないという。
エッジを精査するとうまく仕上がっていないのが判明。
研磨・調整してお返しすると納得されて喜んで頂けた。
さらに新規のハサミを購入してみたいという。
いろいろ伺ってみると、婚約した彼女は2週間後、
フィアンセのいるコペンハーゲンへ引っ越すのだという。
多くの人は英語を話すとのことであるが
その国に永住の覚悟で引っ越す以上、
これからデンマーク語も勉強するとのこと。
引越しのための荷物整理は進み、
来週月曜には愛車も手放すそうな。
11年間の相棒のそれを手放すのは彼女にとって辛いようで
目に涙を溜めながら話してくれる。
女性にとり、モノは単なるモノでなく、
長年愛用したそれは魂の宿るものとなっているようだ。
家内が高校時代からの愛車のビートル車を手放した時も
別れを惜しみ、辛そうにしていた。
私が10年ほど乗り回したトヨタ・カムリを手放すときは
何の感慨も湧いてこなかったけどなぁ。
私にとって車は単なる移動のための道具でしかなく、
その役割が十分果たせないものなら、
躊躇なくオサラバである。
ところで、
未知の生活に船出しようとしているKさんには、
希望が風船のように全身を膨らませているオーラが感じ取れる。
小柄ながら目鼻のクッキリした出で立ちに絶えず微笑を混ぜながら
無駄一つない動きとテキパキした物腰。
テストの後に即決して購入して下さった新しいハサミも
彼女の手の中で魂宿るものとされ、新天地で活躍してくれることを祈った。
投稿日 2015-12-13 19:54
ワオ!と言っているユーザー