父から娘への手紙
3月
5日
「明美、14歳の誕生日おめでとう。
この日を自宅でお祝いできるのは久方ぶりですね。
例年ですと州外への出張と重なることが多く
その度に貴方をガッカリさせてきました。
米国では我が子の誕生祝いをどの仕事よりも優先させるのがどうも常識となっているようなのですが…父親は最近それに気付いたばかりなのでした。
それにしても貴方の成長ぶりには目を見張るものがあります。
いつの間にお嬢さんになってしまったのでしょう?
毎朝の登校前、朝食よりも化粧に時間をかけるようになりました。
私たち両親と過ごす時間よりも、友人と休日を過ごすことが多くなりましたね。
貴方が音楽に情熱を注ぎ、
学業にも真摯に取り組んでいる姿勢はたのもしい限りです。
貴方が街中の困っている方々を見て援助したいと思うことや
戦争や病気で苦しんでいる方々に心寄せているのも父は知っています。
これからも神が貴方に与えた賜物を開花していってください。
陰ながら応援しています。」