伊藤若冲
8月
2日
TVで江戸時代の絵師、伊藤若冲の絵画が紹介されていた。
その精密極まりない鳥獣や草木の極彩色と、
生命観あふれる構図には圧倒されるばかり。
200年も前に日本にこのような天才がいたことだけで驚き。
私はピカソの絵が理解できない。
何を描こうとしているのか、どうしてそれが評価されるのか。
だが、若冲の絵に瞬時に釘付けとされた。
この夏、その展覧会が東北の被災3都市を巡り、多くの人々を励ましたという。
彼とその作品は長い間評価されずに、
美術館の倉庫に埋もれていたのを掘り起こしたのが、
ジョー・プライスという米国人であるのがまた驚き。
インタビューでのプライスさんの言葉です。
正確な引用ではないですが、私の記憶にとどまったものです。
*多くの人は誰が描いたのかを目当てにしていて、
署名を見ただけで「次を見せてくれ」という。
*美術には何の知識もない私が23歳とき、
「葡萄の絵」に衝撃を受けた。
*当時日本が鎖国をしていたのが良かった。
外国のものの模倣でなく、自国にある美しい自然や動植物に向き合うこととなった。
日本独特のものを生み出す素地となった。
*津波の数週間後、色彩のない灰色の被災地に、
梅の花が開花した知らせに感動した。
以下はプライスさん自身が展覧会開催にあたり、
日本の皆さんに宛てた手紙からの引用です。
「テレビに映された梅の花にそれまで硬直していた身も心もほぐれ、
泣き崩れてしまいました。
一面灰色の瓦礫の中で咲いたあの色鮮やかな梅の花の美しさは一生忘れることはないでしょう。
また私たちは、避難所で配られたおにぎり1個に「ありがとうございます」
と頭を下げられておられた東北の人々に美しいものをお見せしたいとの思いに駆ら
れ、~」
江戸時代のものばかりでなく、
日本の優美は海外の人によって発見されることは珍しくありません。