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徒然なるままに日暮

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ブラチスラバ城に響く哀愁のハーモニカ

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大統領府から坂を上ると石垣が見... 大統領府から坂を上ると石垣が見えてくる ブラチスラバ城の外門 入場無料... ブラチスラバ城の外門
入場無料で開放されている
すぐ脇に建つスロバキア国会議事... すぐ脇に建つスロバキア国会議事堂
んー、どう見ても景観的に合わねーだろ
ブラチスラバ城全景 ブラチスラバ城全景 展望台からドナウを望む 展望台からドナウを望む 展望台の下はお土産屋さん 左側... 展望台の下はお土産屋さん
左側の奥が「とうもろこし人形」
中庭の井戸 一体、何人を飲み込... 中庭の井戸
一体、何人を飲み込んだのか?
何も無い中庭に老人のハーモニカ... 何も無い中庭に老人のハーモニカが響く
心象風景としてディライトに加工してみた
『大統領府』の手前を左手に入り坂を上ると、丘の上にある『ブラチスラバ城』に着く。「ひっくり返したテーブル」と呼ばれるスクエアなお城だ。入場のチェックゲートなどは無くフリーで入ることができる。駐車場には「ドナウ川クルーズ」の観光バスが何台も止まっていた。お城を観光した後に船でランチクルーズってパターンなのだろう。

城の右手には「灰色の四角いビル」がある。これがスロバキアの『国会議事堂』である。まぁ、素っ気無い。ブダペストのハンガリー国会議事堂のイメージが記憶に新しい身からすれば、このコンクリートの四角い建物は、城の丘という場にそぐわないこと夥しい。社会主義時代に作られた建物と思い込んでいたが実際には築10年もたっていないらしい。

入り口の門を入ると、すぐ左手に小さい庭園、そのまま進めば城の城門だ。現在では衛兵などが居るわけでもなく門も開かれている。

その先が城のテラスになっている。一段高く櫓になっている所が展望デッキになっていて大勢の観光客でにぎわっている。その下が城のお土産屋になっている造りだ。

早速、登ってみれば眼下に広がるドナウが美しい。UFOレストランを有する『MOST SNP橋』が景観のアクセントになっている。

スロバキアの首都ブラチスラバは、ヨーロッパの首都に珍しく市域がオーストリア、チェコとの国境に接している。当然、ここからも両国の領土が見渡せる。3つの国を一度に見る、という感覚は日本人には当然なく、このあたりが国際化や社交性という点での民族意識の差を感じさせもする。

「ひっくり返したテーブル」の中に入ってみれば、ぽかーんと何もない。よーく見れば、隅に井戸が一つっきり。四隅を白い城の壁面が覆っているだけに、余計に「何にもない」感が強まっている。ちなみに井戸の深さは85mと伝えられている。聖マルティン教会の塔の高さと同じだ。スロバキア人は85mが好きなのかもしれない?

この城、現在は純白の城壁に深橙の瓦の色が映えて美しい城だが、これは近年の大規模改修で建築当時の状況を再現したもので、その前は黄土色の壁面の城だったようだ。現在では歴史博物館として館内見学ができる。

さて、何も無い中庭は流石に何もすることもなく、そうそうと引き揚げようとすると、ドイツだかタリアの団体で来ていた爺さんがポケットからハーモニカを出して哀感のある旋律を吹き始めた。城館の壁に反射して美しい調べが響く。ん~、無茶苦茶かっこいいじゃねーか。思わず、私もハーモニカを習おうかと思う。(やりはしないが)

ざっと、城のお土産屋を眺めると「トウモロコシの「皮で作った人形が名物」と教えてくれた。記念にはなるが、そういう趣味でも無いので買わずに店を出る。

外門まで帰ってきたら、門のすぐそばに場内の案内図が有った。入るときには気もせいていて気が付かなかったが、その図によると城の右手奥に、さらに庭園やテラスのようなものがあったらしい。初めての施設では、こういう物を見逃すと肝心なものを見逃すこともある。気を付けよう。

教訓:観光施設の案内板を見落とすな
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ブラスチラバ 朝の街歩き

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聖マルティン教会 聖マルティン教会 黄金の王冠 誰も盗めないのか、... 黄金の王冠
誰も盗めないのか、と誰もが思う
ブラチスラバの中央広場 ブラチスラバの中央広場 楽団ご出勤 楽団ご出勤 モーツアルトの「ここ何プレート... モーツアルトの「ここ何プレート」 ミハエル通りからミハエル門を望... ミハエル通りからミハエル門を望む こういう街かどのカットが どれ... こういう街かどのカットが
どれも絵になるのがヨーロッパの魅力
TOKYO 9140km 思え... TOKYO 9140km
思えば遠くに来たもんだ
『ラディソン・ブリュ・カールトン』をチェックアウトし街の散策に出る。まずは、ホテルの目の前からも鐘楼の頭を覗かせている『聖マルティン教会』へと向かう。

ブラチスラバにある各国大使館で唯一、鉄網のフェンスで囲われている米国大使館などぶらぶらと見ていると、すぐに『聖マルティン協会』に着く。

まぁ、何のことはない村にもよくある感じの教会なのだが、この教会実は何気にすごい教会なのだ。

まず、その初期ロマネスクの建築様式からも判るように14世紀の建物である。まぁ、見た目がそっけないわけだ。14世紀といえばブダペストの国会議事堂よりも300年も古い。こういう建物が、普通に残っているのが、中欧の凄いところだ。現在の内装は19世紀にネオゴシックに改装されているとの事。

その歴史的価値は、この教会が歴代ハンガリー国王の戴冠式の会場であったことである。11人のハンガリー国王と8人の王女が戴冠式が行われた。その中には、オーストリア=ハンガリー二重帝国の皇帝として戴冠したマリアテレジアも含まれている。なぜ、ブラチスラバの、この規模の教会が戴冠式の会場として使われてきたのかと言えば、昔ハンガリーが東方からのオスマントルコの侵攻を受け、敗退を続けて、この教会まで逃げ延びてきた際に、新たなハンガリー国王の戴冠式を行った故事に由来する。新しいハンガリーの国王は、この教会で生まれなければならなかったのだ。

3つ目は先の故事の象徴ともいうべき純金の冠が、その尖塔の塔頂に輝いていることである。何金製かはわからないが、一説には350kgあるという、ホンマかいな?

さて、続いて中央広場(フラヴニー広場とも呼ばれる)まで戻り、『ミハエル門』へ進む。朝のミハエル通りは人通りが少なく歩きやすいが、夜の雑多な雰囲気の方が楽しい。この通り沿いには、ここで何があった、という「ここ何プレート」(命名)が張られた建物が散在している。中にはモーツァルトが6才の時に演奏会した、なんてプレートもあった。

門をくぐり、今日は左手の大統領府から『ブラチスラバ城』へ向かう。
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スロバキア ブラチスラバの夜

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ブラチスラバのオペラ座 ブラチスラバのオペラ座 ロランド噴水もライトアップされ... ロランド噴水もライトアップされていた 中央広場 それほど大きな広場で... 中央広場
それほど大きな広場ではない
ブラチスラバの裏道 ブラチスラバの裏道 ブルーチャーチ 夜の闇に美しく... ブルーチャーチ
夜の闇に美しく染まる
スロバキアの首都『ブラチスラバ』へは、ハンガリーから一度オーストリアを経由して入った。言うまでもなくEU圏なので入国審査も税関もない。

オーストリア国境を越えて、すぐにドナウを渡ると「ひっくり返したテーブル」と呼ばれる『ブラチスラバ城』が見えてくる。

『ブラチスラバ』の宿は『ラディソン・ブリュ・カールトン』。もともと狭い都市で「小さな大都市」と呼ばれる『ブラチスラバ』の中心街、ど真ん中の宿だ。正面はモール状の公園となっていて美しい。ちなみに、この広場、正しくは『フビエズドスラボボ広場』(Hviezdoslavovo námestie)日本人には覚えられんし、言えない。国立オペラ座がそばに建つ。

日が落ちた街に出るとオペラ座の前で大勢が集まりPVの画面に興じている。この夜はスロバキアの国技であるアイスホッケーの世界選手権決勝。しかもカードはスロバキア対チェコ。全国民がスポーツバーのTV中継、街中のPV、自宅TVに釘付けになっている。その分、街中は観光客しかいなくて空いているし、治安も良いか?

まずは、中央広場から『ミハエル門』を目指す。

中央広場には『ロランド噴水』と呼ばれる共同水汲み場があり、この製作を命じたマクシミリアンの像が戴かれるが、その造形は、実は中世都市の守護騎士ロランドである、との風説で『ロランド噴水』と呼ばれている。

この広場には日本大使館もある。そもそも、この都市は非常に小さい都市だが国家の首都なので各国の大使館が置かれ、至る所に各国の国旗がはためいている。

『ブラチスラバ』の一つの楽しみに、街中に点在するオブジェがあるが、それよりも、そこに絡む世界中の観光客の方が面白い。やはり、街には人が居るから面白いのだ。

さて、『ミハエル門』は、この街が城塞都市だったころの名残で、現存する唯一の門。時計台を持つ塔楼が美しいが、これはマリアテレジアの時代に増築されたもの。門の真下には世界都市への里程標が埋められており東京は9200kmと記載されていた。

門をくぐると、今は空堀となった上に掛かる短い橋を渡る。振り返って『ミハエル門』をみれば、跳ね橋の支柱を止めた穴が見受けられる。

その先は、もう普通のビルが並ぶ大通りでトラムが走り銀行が林立する。左手に上れば『大統領府』から『ブラチスラバ城』だが、この時間に行っても仕方がない。右手に降りるとTESCOなどのある交差点。『ブラチスラバ』』の夜のお目当てとして考えていた『Blue Church』は、この奥に在る筈。

大通りを外れると全く人通りのない暗い道を『Blue Church』へ向かう。女房は、ビビッて「どこよー、暗いじゃないー、日本じゃないんだからぁ」と文句を言いだす。だったら腕でも組めばいいのに。

薄暗い道を何本か折れると闇に青くライトアップされた『Blue Church』が現れた。この時間では内部の見学はできないが、想像通り外観だけでも十分に美しい。他に1人ブロンドの女性バックパッカーが写真を撮っていた。軽く挨拶する。

ホテルへの帰りはドナウ沿いを戻ろうかと思ったが、女房がうるさいのでショートカットして直線的に戻る。それでもオペラ座の脇までは人通りのない道だった。(アイスホッケーの影響か?)
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閑話休題 電力需給

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風力発電の風車が連なる 風力発電の風車が連なる 菜の花畑と原発 菜の花畑と原発 渓谷にかかるとダム 渓谷にかかるとダム ダム湖の上を行く ダム湖の上を行く 当然、発電所があれば変電所も有... 当然、発電所があれば変電所も有り。
ハンガリーからスロバキアへ入るのに、途中オーストリアを少し経由した。その辺りは壮大なる風力発電所である。

千機を超えるとも思わされる風車が連なっていた。これほど大規模な風力発電所は初めて見た。17年くらい前にサンフランシスコからヨセミテに向かう途中で見た風車以来だ。それにしても、その規模はこの10分の1くらいだった。

再生可能エネルギーかと思っていたら、次には原発のサイロが現れた。4基ほどが稼働している。

そうかと思うと次は渓谷にかかる水力発電ダムだ。

今日の経済はエネルギー政策で回っていることが実感できる。
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エステルハージの夢

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フェルデードのエステルハージ宮... フェルデードのエステルハージ宮殿
おっさんの顔のように見えるのは建築家の皮肉か。
庭園のファウンテーション 庭園のファウンテーション 派手なロココ調のホール 派手なロココ調のホール どこから見ても、自分の方に走っ... どこから見ても、自分の方に走ってくるように見える馬車
寝台のサイズから、当時の貴族は... 寝台のサイズから、当時の貴族は非常に単身だったことがわかる。 ハイドンの間 後からつけられた... ハイドンの間
後からつけられた名称か
風通しの良い「控えの間」 客は... 風通しの良い「控えの間」
客はここまで馬車で乗り入れたらしい
ハンガリー最後の街は『フェルテード』。この田舎町に何があるかと言うと「ハンガリーのベルサイユ宮殿」と言われる『エステルハージ家の宮殿』がある。

勿論、この手の話は小江戸、小京都、戸越銀座という奴で本家のベルサイユ宮殿には及びもつかないのだが、ハンガリーと言う国の共産圏の時代が長かった地味なイメージからすれば、その対極にあるロココ調のベルサイユ宮殿のミニ版があるという事には興味がひかれる。

エステルハージ家はハンガリー1の大地主だったそうだが、歴史の舞台ではハプスブルク家と親交が深かったハンガリーの豪族として紹介される。フェルテードの他に2つ、計3つの宮殿が現存する。

宮殿そのものとしては、然程大きくも無く、我が家よりちょっと広いか、といった佇まい。(大嘘)それを意識してか、ホールなど広さを欲しい部屋には、鏡が効果的に配されて見た目よりも空間的な広がりを持たせている。

そして、内装はロココでロカイユ。当然、感想は「まったく、金持ちって奴は。」である。

調度品は、当時の貴族豪族が「所有する事によって自らのステータスとした」品物の数々。具体的にはオリエンタルな陶磁器や箪笥、テーブル等々。中には、山水図のような構図の金地のレリーフの部屋なんてのまであった。

実はエステルハージ家を有名にしている最大の要因は、「交響楽の父」と呼ばれたハイドンのスポンサーであった事。この宮殿では「ハイドンの間」という部屋があったが、ハイドンは実際には、この宮殿に居があったわけでは無く、近くの家に住んでいた。結局、この家の一族にとってはハイドンも又、所有する事で己のステータスを上げるアイテムの一つであったに過ぎないと思わされる。

どうも己の精神性を磨く事を高潔と定める東洋哲学と己の影響範囲の拡大が高貴とする西洋思想の差分を感じずにはいられない。

まぁ、持たざる者の僻みでもある。
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パンノニアの聖なる丘

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パンノニアの丘に佇むパンノンハ... パンノニアの丘に佇むパンノンハルマ大修道院 世界遺産センターから見学入口ま... 世界遺産センターから見学入口までは植物園の中を進む パンノンハルマのシンボル 鐘楼 パンノンハルマのシンボル 鐘楼 鐘楼広場から周辺の村並を望む 鐘楼広場から周辺の村並を望む 礼拝堂のリブボールトが美しい 礼拝堂のリブボールトが美しい 世界の知を集める図書館 世界の知を集める図書館 VIATORから鐘楼を眺める VIATORから鐘楼を眺める
ちょっと早いリゾート気分を味わった『バラトンフュレド』を出て、『パンノンハルマ修道院』を目指す。世界遺産として有名な修道院なので名前くらいは聞いたことがあるが、実態に関しては、さっぱりわからん、というのが修道院という物。『パンノンハルマの修道院』は、その周辺の景観を含めた世界遺産だ。

途中、ハンガリーでは珍しい古城を峠道から望む。ハンガリーではオスマントルコ軍に対し、地方の城が攻防拠点となった事から、ハプスブルク家による統治となった時代に反体制勢力の拠点を潰す目的で多くの古城が爆破された歴史を持つ。故に、古城が周辺諸国に比べ少ないのだ。

峠には、バイクで飛んだと思われる墓碑が設けられていた。思わず合掌する。

ハンガリーは大平原の国とも言われるだけあって、聖イシュトバーンにより名づけられた『パンノニアの聖なる丘』の上に建つ『パンノンハルマ修道院』は、かなり遠くから見ることが出来た。周辺の村は小さな家が目立つが、いわゆる長屋のように連なっているわけでは無く、一軒家集落と言う感じだ。パンノンハルマの世界遺産センターの駐車場に着くころにはポツリと雨が降り出していた。

世界遺産センターでは、ここでも、まずは「パンノンハルマ修道院のお勉強」として、シアターでVTRを観る。そして、ここもまた日本語字幕で上映してくれた。

勿論、VTRの内容は何国人だろうが共通なのだが、どうもキリスト教文化圏の欧米人にとっても「修道院」というのは、「今でも殉教精神に基づき厳しい戒律の下で修業している修道士が居るのか?」という疑問を持つ物らしく、VTRでは「今でも多くの修道士が在籍」、でも「修道士も普通の生活をしている」「電子レンジも使う」「ipadも使う」という「思ってるほど別世界でもないんですよー」的なものだった。この修道院には付属の高校が2校あるが、その高校生も全寮制だが「卒業者がみんな修道士になる訳ではありません」なんてところに、やたら力を入れて説明していたのが印象的だった。

まぁ、受けた印象は日本の禅宗の本山参詣と似た感じだ。

世界遺産センターからは修道院の植物園=ハーブや薬草を育てている、を巡って建物の入口へ行く。入口から鐘楼のある広場までは極めて近代的なエレベーターで上がれる。

鐘楼の広場からは、周辺の村と近隣が一望に見渡せる。建物は、右手に高校の校舎、左手が図書館?と言う造り。修道院内部の見学はキリスト教の宗教観を表したレリーフの鉄扉から入る。一番上は神で一番下は蛇・蜥蜴・蛙って奴だ。

見学路の最初は修道院の礼拝堂からだが、思ったほどの大きさは無い。むしろ、小じんまりとした印象を受けた。思えば、修道士の為の礼拝堂であり、集う村民が居たとしても、絶対人口が多くない事を考えれば、こんなサイズなのだろう。ベネディクト派最大の修道院という訪問前のイメージとは若干のギャップを感じる。

むしろ、この礼拝堂で驚いたのは主祭壇の下に納められた霊廟。なんと、ハプスブルク家最後のボヘミア王であるオットー・フォン・ハプスブルクの遺骨が眠っているという。オットーは2011年まで生きたので高校時代ハプスブルクの歴史を学校で学んだ際に「でぇー、この時代の末裔が今でも現役で評議会議員とかやってんだぁ」と驚き、且つハプスブルクを身近に感じた人でもある。その遺骨が眠る霊廟を前にして、少しく感慨に耽った。

その後、装飾が施された礼拝堂の正面扉(右下の台座に世界最古の落書きと呼ばれるXX参上なんて文字が書かれている)や回廊を彩る十字の紋章などを見学した。ふと、廊下の隅にドネーションの賽銭箱(寄付金箱が正しい)が置いてあったので、オットーへの思いとして10Hft投げ込んでおいた。(日本円換算5円)

一度、鐘楼広場に戻って左手の建物に進むと立派な図書室へと出た。大きな地球儀をホール中心に据えた日本人が最も「んー、これこれ」と思う西洋の古書庫のイメージそのままの図書室だ。入口右手にはペスト患者(実はキリスト)に差しだされた聖人のマント、奥には聖イシュトバーンの塑像もたつ。

後は、お定まりのスーベニアショップ(宗教団体は商売がうまい)だが、ここでパンノンハルマシグネチャ(PAXマーク)の半そで白ポロシャツを買う。2990Hft=1500円位。なにしろ、この旅では冬の関東をベースとした服しか持ってきていなかった為、結構暑くてしかたが無かった為である。買って気が付いたが、バックプリントはパンノンハルマのもう一つのシンボル『♡♡♡♡』だった。か、かわいい♡。

昼食は他に探すのも厳しいという感じで修道院直営のレストラン『VIATOR』で取る。流石に一面ガラス張りの窓からは鐘楼が美しく眺められ、ロケーションは抜群。また、日本の有り勝ちな付帯施設としての「食堂」ではなく、ちゃんとレストランになっているのは流石。

カリフラワーのスープは美味だったが、海老のリゾットはコメの芯が有りすぎて「アルデンテ」というよりも「バリカタ」だった。コシヒカリの国の者としては、ちょっとねぇ。
でも、お目当ての「3つの丘のワイン」は戴けたので良しとしよう。(キリスト教はワインで布教推進してきた宗教だかんね)
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バラトンフュレドの泉と並木道

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アンナ・グランドのロビーから中... アンナ・グランドのロビーから中庭を望む コッシュートの泉 コッシュートの泉 ヨットハーバーと湖のコントラス... ヨットハーバーと湖のコントラストが美しい ホルバートの家。アンナの日の舞... ホルバートの家。アンナの日の舞踏会の舞台だ。 夜半のダゴールの散歩道 夜半のダゴールの散歩道 アンナ・グランドの前でハンガリ... アンナ・グランドの前でハンガリーの月を見上げる 朝のダゴールの散歩道 朝のダゴールの散歩道 バラトン湖に網打つ老人 バラトン湖に網打つ老人
ハンガリー1番のリゾート地、『バラトン湖』のほとりにある『バラトンフュレド』は、こじんまりとした美しいリゾート地らしい街だ。

駅から少し入った緑地にある『アンナ・グランド』に宿を取った。このホテルはハンガリーの著名人が7月26日の「聖アンナの日」を祝う大舞踏会「アンナ・バール」の1825年からの会場であった『ホルヴァートの家』をホテルとした建物である。その舞踏会の会場で朝晩のビュフェを戴いた。夕食がビュフェスタイルと言うのはコンチネンタルの高級ホテルでは珍しいと思うが、舞台が『ホルヴァートの家』だと思えば、ビュフェスタイルの方が舞踏会に居るようで楽しかった。

さて、このホテルのすぐ前には、バラトンフュレドの名物の一つ『コッシュートの泉』がある。

コッシュートはハンガリー独立運動の指導者コッシュート・ラオシュの名前から取られている。ホテルの並びには19世紀に創立された療養院があり、今でも長期滞在で療養を受けている人々が集う。

この泉、いわゆる飲用鉱泉で心臓病に効用があると言われている。療養院の患者はもちろん、一般の観光客も飲み放題で公開されている。

と、なれば心臓病でも何でもないが、ペットボトル持ち込みで汲まずばなるまい。

泉の建屋には、押しボタン付きの蛇口が設えてあり、ボタンを押すと微かなモーター音と共に鉱泉が流れ出る。

一口、口に含めば、凄まじい鉄分の味。んー、貧血に効きそう。

女房は、一口で「ダメ」だそうだが、私はそうでもない。旨いわけでは無いが、十分に飲用に耐える。何せタダだし。

500mlのペットボトル2本を満たして湖畔の散策に出る。80mも行けば湖畔に至る。ハンガリーの海は波も無く静かに揺蕩うていた。

すぐ左手の続く並木道はアジア人初のノーベル文学賞受賞者、インドの詩人タゴールが療養し快癒した事にちなんで『タゴールの散歩道』と名付けられている。全長300mほどの閑静な並木道だ。夜も街路灯の灯りが美しいが、やはり早朝、バラトン湖の靄にかすむ時間帯が一番美しい。秋の紅葉の頃となればなおさらだろう。

夜、部屋に戻れば鉱泉を入れたペットボトルは鉄分が酸化して少し濁っていた。
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ハンガリー国鉄 バラトン北線

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バラトンアルマーディ駅。バラト... バラトンアルマーディ駅。バラトン北線では大きな駅の一つ。 列車を待つベンチに春の日差しが... 列車を待つベンチに春の日差しが柔らかい。 一等コンパートメント。意味ない... 一等コンパートメント。意味ないかも。 二等車両もガラ空き。のんびりと... 二等車両もガラ空き。のんびりと湖畔を進む。 自転車専用車両。稼働率はともか... 自転車専用車両。稼働率はともかく、連結していることが素晴らしい。 バラトン湖を望む バラトン湖を望む そして、これがバラトン富士。 そして、これがバラトン富士。 犬 ノーリースで公共交通 ダメ... 犬 ノーリースで公共交通 ダメでしょ。
今回の旅では、列車にも乗った。「ハンガリーの海」と言われる『バラトン湖』の北側を走る路線だ、左手にバラトン湖やティハニ半島を眺めながら45分程度の旅。

乗車駅は「バラトンアルマーディ」。ブダペスト南駅から来た急行がバラトン湖の沿岸では各停に代わる。バラトン湖は南線が幹線なので、北線は電化もされておらずディーゼル機関車が客車を引くローカル線だ。

とはいえ、中欧一、琵琶湖を一回り小さくした面積を持つバラトン湖はハンガリーを始めドイツ、チェコなどの周辺国からも人気のリゾート地であり、夏場は湖水浴客で大変な賑わいを見せるという。5月の今の時期は、子供たちのスプリングキャンプの時期らしい。まだ、湖水浴はできず、オートキャンプ場に泊まるトレーラーの客は、地元に言わせれば「みんなドイツ人」らしい。ハンガリー人は、「まだ来ない」時期だそうだ。

お蔭で、1等のコンパートメントを取った切符の車両はガラ空き。2等車両も見に行ってみたが、こちらもサマーキャンプの子供たちの団体を除けばガラガラの状況、ハンガリー国鉄が大赤字なのも、むべなるかなという感じだった。

感心したことは2つ。まず、運行は定時に行われていた。乗車車両の他にも列車を見たが、どれも定時運航で時刻表の信頼性は極めて高いと感じた。

もうひとつは、自転車専用客車。まぁ、ヨーロッパだから、と言ってしまえば、それまでだが、こういう部分のインフラが「自転車での旅」を当たり前にしている。

車窓の眺めはトーマスクックの「景勝路線」に指定されている、と言う割りには然程の物でもなく、バラトン湖も「間近に見える」という感じではない。あんまり風景を期待せずに、のんびり田舎の鉄道の旅を楽しむ、という心持の方が適しているだろう。

このまま乗り続ければ温泉湖で有名なケストヘイや洞窟温泉、洞窟探検で面白そうなタポルッツァへ行けるのだが、今日の宿はバラトン湖最大のリゾート地『バラトンフュレド』に取っている、って、おーい、行き過ぎとるやないかい。(ま、予定通り)

右手にハンガリーには珍しい「山」が見えてきた「バダチョニトマイ」で降りる。駅を出て件の山を眺めれば、おお、これぞまさしく「バラトン富士」(命名)。

左手の丘に小規模な葡萄畑を眺めつつ、「バラトンフュレド」まで鉄道に沿って戻る。自動車道の方が鉄道より丘側を走っているので湖からは遠いが、その分高い場所になるので、むしろ鉄道よりも見晴らしが良い。
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バンド村 民家で食事

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村のレストラン 村のレストラン バンド村 民家で食事 バンド村 民家で食事 バンド村 民家で食事 バンド村 民家で食事 ランプシェードが美しい ランプシェードが美しい
陶器の郷『ヘレンド』から、ものの10分も走ったところに在る民家レストランで昼食。

ドガンとした大皿を取り分けるタイプが民家風という事か。スープはレンズ豆、サラダはキャベツとトマトのざく切り。女房が頼んだ「コケモモのジュース」などは、この盆地の平原では貴重なビタミン源と思わされる。メインは鶏と豚だが粗にして野という感じの大皿料理。

この肉を、この後に向かう『バラトン』辺りの白ワインで流し込む。これも、また粗にして野。
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陶器の郷 ヘレンド

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陶器の獅子が出迎えてくれる 陶器の獅子が出迎えてくれる 工房では、まずヘレンドの歴史。... 工房では、まずヘレンドの歴史。
英語ナレーション、日本語字幕で判り易く学習できます。
職人さんも中々のショーマン。 職人さんも中々のショーマン。 絵付けの工程 絵付けの工程 モール付けの工程 焼成すると真... モール付けの工程
焼成すると真っ白になる
もっとも難しくヘレンドを代表す... もっとも難しくヘレンドを代表する抜き彫りの工程
現在でもヘレンドではすべて職人の手作業で制作しているとの事
美しい絵皿の数々 美しい絵皿の数々 Caféにてエスプレッソを戴く... Caféにてエスプレッソを戴く。
私のカップは「ロスチャイルド・バード」のカップ&ソーサー
ということで、日本円では30,240円也
ハンガリーの名産品の一つに数えられるのが『ヘレンド』の陶磁器。現在ではヘレンド村に体験工房や記念館、Cafe、ショップを有した立派な施設が在る。日本でも良くある陶芸の里のパック施設と同じ物だが、中々こじゃれているし綺麗な施設なので行ってガッカリ、という物でもない。

工房棟では、まずはシアターで「ヘレンドの歴史」をお勉強させてくれる短編VTRが上映されるが、字幕はご丁寧に日本語表示。こういう所は、日本人団体ツアーの呼び込みどころを押さえている。続いて簡易な皿の型抜き工程や繊細な絵付け、ヘレンドを代表する手作業による「抜き彫り」、薔薇の装飾作りなどを1時間位で一通り実際の職人が見せてくれる。

本当は体験コースでバラの花を造りたかった(以前、BSの紀行番組でやってたので)のだが、今回は見学だけ。実は、ヘレンドに行くのに道を迷って約1時間のロスが出たので仕方ない。

工房見学とセット料金の博物館にはヘレンドの名作が展示され、焼き窯も原型展示されていた。買いはしないがショップにも寄ってヘレンドがメジャーになった『クィーン・ヴィクトリア』シリーズや窯のルーツとも言える東洋陶磁器の影響を色濃く受けた作品などを見て回る。(ヘレンドの大元は東洋陶磁器の修復屋だったそうだ)

ショップの品はどれも良い値段だが、日本語が判らない店員さんを良い事に「食器棚ごと持ち帰りだぁ」などと言って女房の顰蹙を買う。

併設の「APICIUS」と言うお洒落なCafeでは、工房見学のチケットでお茶を飲めるが、もちろん器はヘレンドの高級品とあって、何となく只のコーヒーがリッチに感じる。この辺がブランドの威力なんだろう。

ざーっと見て回って約2時間。昼食は、ちょっと走って平原の中のバンドという村で民家料理を食す。コケモモのジュースなどあり、重要なビタミン元なんだろうなぁ、と思いつつ、ひたすら肉とジャガイモを、この後に向かうバラトンあたりのワインで流し込む。肉料理だが白ワイン、ハンガリーでは勿論赤も有るが、ワインは白が主流のようだ。
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