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日本万国博覧会とは日本万国博覧会、大阪府吹田市の千里丘陵で1970年3月15日から9月13日までの183日間開催された国際博覧会であり、現在はその跡地の多くが万博公園として残されているのは御存じの通りかと思います。輸送計画の概要万博輸送の概要について、当時の部内誌などを参考にしながら述べてみたいと思います。当時の資料を参照しますと、万国博覧会の訪問者は国内日本人 48,980,000人 近畿 27,500,000人 近畿圏以外 21,480,000人 外国人 1,020,000人 うち訪日外国人 740,000人 在日外国人 280,000人...
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ヨンサントウ改正では、波動輸送について特に注意が払われました。それまでの臨時列車は、いわゆる、「盛りスジ」と呼ばれるもので、既に出来上がったダイヤの隙に押し込む形で臨時列車を設定するようになっていました。この方式だと、同じ急行列車であっても、途中駅で後続の定期急行列車に抜かれたり、単線区間では普通列車を交換待ちすると言ったことも起こりえるわけで、列車としての価値は低くなるのでした。そこで、ヨンサントウ改正では、当初から波動輸送が見込まれる線区には当初から定期列車と同じように設定しておくことで、臨時列車の質を高める工夫がなされました。以下は、紀勢本線のダイヤですが、臨時列車が予定臨として、定期列...
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国鉄の部内誌などを参考にして、ヨンサントウ改正の記述を見ていきたいと思います。ヨンサントウの改正で、もう一つの目玉はやはり東北本線でしょう。東海道線と比べると、近代化も遅れ気味でしたが、盛岡~青森間が複線化・電化開業で近代化は一気に進み、昭和42年に月光がたでデビューした583系電車が東北路を走ることとなりました。電車化により、キハ81で運転されていた「はつかり」は、上野~青森間は8時間30分と大幅に短縮されることとなり、現行の「はつかり」と比べると1時間54分の短縮でした。これは、電車化の高速化以上に、複線化による待避等の時間がなくなったことも大きいと思われます。ちなみに、昭和33年に「はつ...
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国鉄の部内誌、 交通技術の昭和43年9月号の記事を見ていますと、四国に関しては、急行列車の行き違いを主要駅と複線区間で行えるように列車の配列を考えたと書かれています。以下、本文から引用させていただこうと思います。 四国連絡網の整備 ここらで四国連絡に目をむけてみよう。四国の列車ダイヤは、ネットダイヤを組んでフリーケンシーを主体とした輸送計画がなされているが、連絡船~宇野~山陽線と、多岐にわたる連絡はスムーズに行かない。そこで今回は白紙改正の効果を生かすべく、次のような順序でダイヤ作成を行なった。 まず、四国線内のダイヤの形として、急行列車同士の行き違いが、主要駅と複線区間でできるように列車配列...
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今回から、しばらくはヨンサントウこぼれ話として、何回かに分けてアップしたいと思います。一回目は、九州特急と新幹線を取り上げてみたいと思います。東海道新幹線の成功は、いまだ新幹線が開通していなかった東京~九州の旅行者のスタイルを変えました。特に前年に運転を開始した、月光と新幹線を使えば、前日の19:45に月光に乗車すれば、翌朝の9:10には東京に到着が可能になったわけです。この列車の設定には、当初はかなり危惧したらしいのですが、実際には連日好評であったと言うことで、国鉄では、「あさかぜ」を増発することになります。この増発された「あさかぜ」は、博多駅を14:50とかなり早い時間に出発する列車でした...
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荷物輸送の改善ヨンサントウの改正は、スピードアップ【電車の最高速度を110 km/h→120 km/h、客車も95 km/h→110 km/hに引き上げ、気動車も100 km/h→110 km/hに引き上げ、いずれも最高速度】の華やかな部分ばかりが目に行きますが、荷物輸送も地味ですが改善されていきま...
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引き続き、ヨンサントウの概要を見ていこうと思います。JTBでは、ヨンサントウの電子書籍をダウンロードサービスしているらしいですね。さて、新幹線から順に、ダイヤ改正の特徴を見ていこうと思います。 東海道新幹線 現在、1時間当たり「ひかり」3本、「こだま」3本のいわゆる20分ヘッド時間帯は下り延べ約2時間、上り1時間であるが、これを下り9時間、上り8時間に拡大する。と書かれています。実際に、昭和42年10月のダイヤ改正の時刻表を参照しますと、20分ヘッドは、朝8時に新大阪に向かう他は、30分に1本となっています。この改正により、新幹線のダイヤは平常期、波動期平日、週末で異なる形となるが東京口の列車...
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ヨンサントウのダイヤ改正について、もう少し続けたいと思います。ヨンサントウの改正は、サンロクトウの改正以来の大改正であり、昭和40年から改正に向けての準備は始まったと言われています。第3次長期計画の一環として計画されたこの、ダイヤ改正は、スクラップアンドビルドを意識したものでした。特に、ローカル線に関しては厳しい目が向けられ、ローカル線の廃止に至らないまでも利用者の少ない路線では、本数を減らすなどの間引きを行いました。 記録によりますと、全国112線区で、昼間帯を中心に運転キロで18,050 kmを削減したとされています。 その反面、通勤輸送等には、大型の投資が行われ、線路の増設や車両基地の改...
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ヨンサントウ、この言葉は、鉄道ファンでなくとも聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。国鉄が、昭和43年10月に実施したダイヤ改正であり、昭和40年からスタートしました。第三次長期計画の前半部分の成果を取り入れて計画されたものであり、国鉄としても画期的なダイヤ改正と言えました。サンロクロトウと呼ばれた、昭和36年のダイヤ改正と比べますと。増発列車キロはやや少なかったようです。ただし、高速道路などの開通により、国鉄の優位性は少しずつ奪われつつあったことからヨンサントウ改正は下記の点が重点的に整備されました。1無煙化【電化や気動車化の推進】、全国的な高速列車網の増発などを行ったことが大きな...
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ヨンサントウと言う言葉を聞かれた方も多いと思います、昭和43年10月1日に実施された全国白紙ダイヤ改正、国鉄は伝統的に10月1日にダイヤ改正を行うことが多かったのですが、鉄道記念日を意識してのことでしょうか。大規模な改正は、昭和36年10月の白紙ダイヤ改正、昭和39年の新幹線開業に続く大きな改正と言えましょうか。これは、第三次長期計画に基づく成果として実施されたものでした。元々昭和36年度を初年度とする、第二次5か年計画が資金不足などで、昭和39年に中止となり、新たな計画として実施されたのが第三次長期計画でした。第1次5か年計画が、老朽資産の取り替えが中心となり、戦後疲弊した設備の更新に力を入...