こんにちは!
「働くあなたを元気にするプロコーチ」 砂村よしお、です。
「働くあなたを元気にするプロコーチ」 砂村よしお、です。
いつもと指向を違えて、私の前職「経理財務」にまつわるお話です。
今日はCFO、Chief Financial Officerを取り上げます。日本語では「最高財務担当取締役」でしょうか?
1.CFOは「財務の人」ではない 〜CVO(Chief Value Officer)としての真価〜
企業における「CFO(Chief Financial Officer)」という役職を聞くと、多くの方が「数字の人」「経理や財務のトップ」というイメージを持つのではないでしょうか。
確かにCFOは財務諸表や資金繰り、会計ルールに精通している必要があります。
しかし本来CFOとはそれだけに留まらない、もっと広い意味と役割を担う存在です。
私自身、さまざまな企業の経営者や戦略策定に関わる中で実感しているのは、
「CFOとはFinanceの責任者ではなく、Valueの責任者である」。
つまり、CFOとは「Chief Value Officer」 であるべきだと感じます。
2.CFOの仕事は「価値創造」
CFOの本質的な役割は、「会社の価値を高めること」にあります。それは単に利益を上げる、コストを削減するといった短期的な成果にとどまりません。
中長期的な視点で、企業としてどのように社会に貢献し、持続可能な成長を果たすのかを設計・支援する存在こそが、CFOなのです。
この「価値」は当然、数字に表される定量的な側面(企業価値、ROE、成長率など)も重要ですが、「定性的な価値」も同じくらい重視すべきです。
例えば、企業のブランド、企業文化、イノベーション力、そして近年ますます注目されている「人的資本」などがそれに該当します。
3.人的資本経営とCFOの役割
最近では「人的資本経営」という言葉が注目されています。これは、社員一人ひとりの能力や経験、エンゲージメントを「資本」としてとらえ、企業の競争力の源泉とする考え方です。ここにおいても、CFOが果たすべき役割は極めて重要です。
例えば、人的資本に対する投資が中長期的にどのような成果を生み出すのか、
それをどうKPI化し、ステークホルダーに説明していくのか。
これらは、数字だけに頼るのではなく、戦略とストーリーを持って価値を示す必要があります。CFOはその司令塔でありたいですね!
4.欧米企業におけるCFOの地位とは
欧米の多くの企業では、CFOはCEOに次ぐ「No.2」のポジションとされています。
これは単に会計や財務の専門家として信頼されているからではありません。
企業戦略をともに立案し、定量的・定性的な両面からその実現を支える存在として、極めて高い期待と責任が課されているからです。
実際、戦略会議や投資家対応、M&A、ESG戦略などにおいて、CFOが前面に立つケースも珍しくありません。CEOの右腕として、時にはそれ以上に経営の舵取りを担う。それが欧米型のCFOの姿です。
5.日本企業に求められるCFOの再定義
日本においては、CFOがまだまだ「財務部長の延長」として扱われるケースも見受けられます。
しかし、これからの時代、企業が持続的に成長していくためには、
「価値創造のパートナー」
としてのCFO像にシフトすることが求められます。
企業の中に「CVO(Chief Value Officer)」の視点を持ち込めるかどうか。これが、経営チーム全体の質、ひいては企業そのものの未来を大きく左右することになるでしょう。
最後に:CFOの「仕事の定義」を変えてみませんか?
「CFOは何をする人か?」—— もしあなたが企業のリーダーであれば、今一度この問いを投げかけてみてください。
財務報告を正確に行う人という定義にとどめるのか、それとも、企業価値を生み出す頭脳であり戦略の牽引者として位置づけるのか。
それによって、CFO自身の視点も、組織の未来も、大きく変わっていくはずです。
今日はこれくらいで。
「働くあなたを元気にするプロコーチ」砂村よしお、でした。