襟足より冷たい奴が 油断の隙間から入ってくる 今年の冬も防御しきれず 咳き込んで 最高気温が一桁の数字 ゾクゾクと身体が震え 手足の冷たさを再確認して 寒くても半ズボンを 履いてたころが嘘のようだ 子どもは風の子 元気な子 大人は部屋の子 元気のない子 毛糸の帽子をして 手袋をはめマスクをする 冬の外は厳しくて 自分が誰だか わからない姿になって 今日も歩いている
人生初めての評というものを書いてみました。今回はどちらかというと感想を述べた感じで。投稿された作品を読み込んで私なりに表現しました。なかなか勉強になることばかりあり、良し悪しは置いといて詩に関わったという充実感ありましたね。 投稿された方が「もっと詩を好きになれるよう」をモットーに、精進して作品を読み込んでいこうと思っています。 評を書くというプレッシャーはありますが、いざ作業に入るとこれがなかなか詩を書くことのように集中していて、楽しい作業であることに気づく。有難い機会を頂いて感謝、感謝です。 先輩詩人に読者は、評を書いている人の気持ちはわかりますよ、とアドバイスをもらっていましたので、平等と冷静、平常心をもって真摯な気持ちで対応できたと思います。 いや〜、とりあえず第一弾は放った。再来週、第二弾がやって来る。どんな作品が投稿されるのか、とっても楽しみです!
自分はいつも正しくて わがままは膨らみ 僕は部屋から出れなくなった ご飯が廊下に置いてある ひとりでは 何もできないクズ野郎なのに どうすればいいんだ これで生きていると言えるのか 外に出れば怖くて ひとの視線が僕を馬鹿にする ほんとうは僕 風を感じたいんだ つい数年前まで風に吹かれ 笑っていられたのに どうすればいいんだ 外に出れば 今の僕はどうなってしまうのか 怖い 自分が怖い だけど新しい僕には会いたいんだ 風が窓を叩いている
二十代の頃は 体力の違いだろうか 仕事帰りに受診し 体温が42度あっても へぇ〜 熱っぽいと思ったら けっこう高かったなあ しかし体温計って 何度まで計れるのだろう、と 今ならインフルエンザと診断され 仕事をすることなど厳禁だろう 次の日も少し体温が下がったから、と 働いていたのだから 若さは熱に負けていなかった 今ではもう38度を越えれば はあ〜、俺はもうダメだ これが今の自分だ そしてビタミン剤と薬を たらふく飲み 仕事へ行く組織人間は 何年後に進化を遂げるのだろう ああ、のど飴を落としてしまった 休めばいいのに……
ひとの作品を読み 連詩を最近、楽しんでいる私 ああ、相手の方はこれを拝読されることはないだろうな と、いうことで無題の詩を 挟み込まれた老犬には 過去はあるが未来はない 此処にお前の幸せはあるのか 暫し解放されるのは お前か俺か 海岸線の微かな弧を得た一本 身が縒れ続く蛇行の旋律 此処にお前の幸せはあるのか 空を見上げている老犬 老犬が嘆き吠える気がして 動転し写真集を閉じた その音は図書館に響き俺を刺した
おっと これは扁桃腺がやられる 流行りの風邪だな 目が覚めた途端 喉がイガイガ苦しくて痛い こんばんは、森進一です 目覚めの挨拶 息子にガラガラ声で言ってみた こんばんは、じゃないだろ おはようだろっ モノマネより 基本的なところにツッコミがくる 今のところ 喉が苦しいくらいなので なんとか仕事はできそうだ たいていこんな体調の時には 忙しくなるのが常である ほらっ めちゃ忙しいじゃないか 俺は風邪をひいているんだぞ と、誰に文句を言っているやら なんとか業務を終え 帰ろうとして自分のPHSを 充電器に差し込もうとする あれっ ないぞ、ないぞ 落とした記憶もない でも、青い目立つ紐もついているし 他のPHSから鳴らせば ピーピーピー と、すぐに見つかるはずさ フロアは広い どこからも聞こえない ああ、泣きたくなる もう帰ろうとした時なのに 久しぶりにおじさん、泣いちゃう そんな気分になり だんだん怒りがこみ上げるが そこは冷静に考える これが大人だ って、いうことで 蓋つきのゴミ箱から発見される 三十分も探し物で残業だ ふぅ〜 喉の痛みが増してきたぞ もうこれは寝ないと駄目だ 薬を飲み 久々に10時間ほど寝た ああ、風邪の二日目 寝たのが良かったのか 現状維持でなんとか持ち堪えている こんばんは、森進一です こんばんは、森進一です 息子もガラガラ声だった
冬のノックが聞こえたら 未来に緊張が走り始めたよ 厳しさの中で微笑む喜びがあろうに そらの色はグレーと思いこみ 力の入った肩を冷たい悪魔が とんとん、と叩き始めても 今日は透き通ったブルーの重なり どんな下手くそな生き方をしていても 平等な夢みたいな空が そこにあるから大丈夫さ
止まった君なのに 勢いが観えるのは不思議ですね お互いに生きているから 感じるものがあるのでしょう 君は何を想像していますか とてもアピールが上手な色で わたしを惑わすように 何も言わず咲いていますね でも、もしわたしが 君の言葉を聴けたのなら もう詩を書くこともないでしょう 君の想像を想像できないのなら 心ふくらませるトキメキは 枯れてしまいますから 言葉にできないから 言葉にしようと 君について書いています
僕たちは サッカーボールのように 転がって跳ねて 零れそうな感情を歌う カンカン照った太陽の下でも ジリジリと君と手を繋げば 欠点さえも許せるくらい 僕たちは サッカーボールのように 転がって跳ねて 零れそうな感情を歌う 変わらない時間を過去と 言うのならば 僕たちは可能性の見える 未来へと歌うのさ そう僕たちは サッカーボールのように
なんのため? そこはモヤっとしておこう 答えを探しても おもしろいところではないから いろいろなこと って、なにがあるのだろう それはステキ あれはステキ これはステキ では、なにがステキなの? 主語がないとわからないから 主語は必要? 誰がどうだろうと、なにがどうだろうと いいではないか ねえ、その前にこの詩は ふたりの会話があるけど 誰と誰なの? そして、誰が書いているの? はは、そこに気づいたか それはあれなんだよ もう、わかっているのだろっ そろそろ書き終えよう、っと では、それでは はあ、それでは