年次休暇はあまっているのに……
11月
27日
たしか出勤してはいけない
ことになっているのに
誰かに言っている
「今日、職場に来ては
いけないのに間違ってしまった」
しかもその話をしている場所が
四十年前に通っていた
小学校への通学路で神社の前だ
私の声は無機質な人間に聞こえず
ひとり空回りしている
光が瞼を刺激する
今は朝か昼なのかさえわからない
悪いことをしている訳じゃない
だけど罪悪感は正直に
正確な心理の夢を見せてくれる
仕事を休みたい
そう思ってみることは多いが
私ひとりの負担を誰かが補う仕事
やはり迷惑を掛けることを
申し訳ないと日本人の血が淀む
病気と言う理由で一週間
何に追われ過ごして行くのだろう
なかなか両手をあげて喜ぶ
休暇とはならない
なんて器の小さい私なんだろう