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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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淋しき夢から

スレッド
淋しき夢に涙した
まだまだ弱い空の下

流れるもの冷たさに
噛みしめ鳴った悔しさよ


淋しき夢に涙した
肥やし蒔いた空の下

誰が知ろうかこの孤独
押しては返す鼓動の波よ


淋しき夢に涙した
まだまだ終わらぬ空の下

誰が笑うかこの孤独
誉れ消し去り躍動の人よ

#詩

ワオ!と言っているユーザー

サラリーマン/雨の露天風呂を満喫

スレッド
土曜日の仕事は午前までから
週休二日制になって何年経ったろう

でもルール通りには行かない
出張したのなら午後は観光だ
サラリーマンは気楽な稼業であって欲しい

雨の露天風呂
首までつかり天を仰ぐ
顔だけにぽつんとぽつんと落ちてくる

子どものように口を開け
雨を飲み込んでみたりすり
都会じゃなければ許せるお遊びだ

水面をほぼ平行の視線で雨粒を見る
音と跳ね返り
何もかもが響いて揺れている
ずっと感じていたい癒しがあった

詩人ならいい湯を
いい湯と言わずに表現したいところだが
我はサラリーマン

ああ、いい湯だ
雨に打たれればなおいい湯だ

サラリーマンは気楽な稼業であって欲しい
今日はビールもつけて
こっちに泊まってしまおうか

#詩

ワオ!と言っているユーザー

天然天才詩人

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僕は三日に一回ほど
天才だねと言われる
でもそれは天然という言葉と
聞き間違える自意識過剰

今日も言われた
君はやっぱり詩を書かせたら天才だね
でも言われた言葉の天才を天然に置きかえると
君はやっぱり詩を書かせたら天然だね
これって褒め言葉なのだろうか
天才とか天然とか僕にとっては関係ないけど、と表向きは

馬鹿にされているか褒められているのかぐらいは知りたい
僕は極度に耳が悪いから大事なところが聞こえないんだ
聞き返すことなんて出来やしない内気だから

でも大事なのは
ほんとうに関係ないと思えること
天才とか天然とかどっちもとかそっちもとか

詩の表現で一番に大事なのは
ピエロ以上の哀しいときでも奉仕の志し
そう天然の天才で表現できること
おいおいやっぱり戻ってきちゃったよ

だからそういうことはひとが言うことで
僕は僕の中にある自由に自由であることさえあればいい

って言うことだ

#詩

ワオ!と言っているユーザー

海が見えています

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海が見えています

波は穏やかな感情の起伏
心のどこかで津波を回想させ
あの悪夢の表情がどこに潜んでいるのか
不思議な気持ちで揺れる反射
優しい光を追って
まだ冷たい風に吹かれています

自然の力で私たちは
生かされたり
死に押しやられたり
人間に踏まれる小さな虫のように
やはり無力でか弱い存在

私たちは感情に揺られる生きもの
悲しい辛い
そんな過去を引きずってゆきます

穏やかな波は語ってはくれません
その怒りの意味を

今はただ美しい海でも
偽りの表情ではないかと
疑問と一緒に眺めています

#詩

ワオ!と言っているユーザー

僕のスター

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どんな時でも
生きていくスタンスは超まっすぐ
君の輝きはグイグイ刺さってくるから
痛いくらいに眩しいよ

ほんとうのスターは身近にいて
スクリーンの中では現れない

君は弱い僕に

お前らしくやればいいじゃないか
俺は応援しているぜ
頑張れよ

君はどんな景色を見て
どんなことを思って
ひとを見てきたのだろう

その輝きの奇跡は偶然じゃないんだ
きっと君は強くて優しいから
心から発しているんだ

暗く寂しい気持ちを吹き飛ばす
やっぱり君は最高さ

ありがとう
僕はもう負ける気がしないよ

#詩

ワオ!と言っているユーザー

隙間風

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隙間は上手に使うと
物事がハマったりするが
春の早朝で風なんか吹いたら
攻め込まれて身体を冷やす

着こなしているつもりが
襟元、裾から
グイグイと入ってくる冷たさ
思わず肩に力が入り
厳しさなんてものがしみてくる

高台のホームで電車を待つには
ちょっと時間がある
また風が攻めてくるから
コンクリートの隙間に入り込み
上手に隙間を使ってみる

風から逃げている感じだが
今日一日の勝敗を長い目で考えたら
隙間には隙間で勝利を勝ち取ろうじゃないか

それでも風はヘッヘッヘッ、と
肩を叩いて来るのだから抜け目がない

「間もなく列車が参ります」
コンクリートの隙間から出て行く
うおっ、めちゃ寒いぞ

でも、戦いは終わった

じわじわ、じわじわ
心地よい線香花火がパチパチと
身体が冷えていたことを教えてくれる
電車の中はちょっとした天国だ

そして、カバンからiPadを取り出すと
早く俺を温めてくれ
冷たい画面が隙間風に冷やされていた

お互いのスイッチをオンしたのなら
さあ、詩でも書きましょうか

#詩

ワオ!と言っているユーザー

雨を鑑賞中

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あっ、雨が降って来た
子どものようにわくわく

バスの窓から外を眺める
曝されているすべてのモノが濡れてゆく

ひとも道も車も自動販売機も
そこにとっても平等を感じてしまう
そんな僕は
バスの中で雨模様を眺めている
まさに特別待遇だ

ああ、このまま知らない街へ
そう願いながら
近づいているものを遠ざけながら

#詩

ワオ!と言っているユーザー

ズルズル出勤

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「十分ほど遅れています」
とのアナウンスで一斉に動き出すひとびと
電車の乗り換え
隣を走る違う線のホームに急ぐ

十分が待てない朝
なんてセコセコした時間の費やし方だ

しかし、今日も花粉が飛んでいる
「シュッワッチ、シュッワッチ」と
ウルトラマンが車内に数名いる
私も休日から気持ちは変身し切れていないが
ウルトラマンになっている

「ネクスト ステーション イズ シンジュク ターミナル」
鼻声の自動アナウンス、あんたもウルトラマンか
さあ、また乗り換えだ

あらら、こっちの電車も遅れている
けっきょく今朝はズルズルな出勤にイライラ
連鎖反応、よくあることだ
どっかのサラリーマンが独り言で
ブーブーと愚痴をこぼす
気持ちはわかるが静かにしてくれ

朝はなるべく滑るように時間が流れ
爽やかに仕事を始めたいと思うが
このゆとりの無さにカラダから
針が出ているような苛立ち

それでも幸せがここにあった
こうやってこの詩を書けているのだから
もう、それでいいじゃないか

さあ、来たぞ満員電車
iPadを閉じバックに入れよう

#詩

ワオ!と言っているユーザー

僕らの詩球

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感情は言葉となって踊りだし
賑やかに上昇すると
いくつかの雲になります
その雲の名前は連

いくつかの連が
空を流れて行きます

太陽はタイトルになり
地上から眺めると
詩が仕上がっています

みんなの詩が暮れる頃には
月のあとがきが現れ
一冊の詩集になります

夜の風が吹き始め
湿った匂いがすると
詩集の雨が落ちてきます

水たまりは本棚になり
たくさんの詩集を収めながら
水かさが増して
湖の図書館になります

世界は詩集の図書館で栄え
僕らの住む地球は
豊かな詩球になるのです

#詩

ワオ!と言っているユーザー

光/影/光/影

スレッド
なぜだろう
夜のひとりぼっち
さっきまでの賑やかな時間は
紺青の空へ昇り雲にでもなったのかい

光と影の影
嫌いじゃないけど
僕が膨らませた声がたくさん
聴こえて来る寂しさがクルクル回って

どっちも僕
すぐ変わるんだよ
光の時間は影の時間を消して
影の時間は光の時間を消しながら進む

光と影の光
嫌いじゃないけど
僕が背伸びした声がたくさん
聴こえて来る虚しさがクルクル回って

なぜだろう
昼の忙しい夢中に
さっきまでの静まった時間は
琥珀の間へ滑り光にでもなったのかい

#詩

ワオ!と言っているユーザー

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