日めくりに栞を
3月
31日
日をめくる時計
二十四時間では足らない日々の
ゆとりが忙しさにくっ付いて
めくられてしまう
現実を味わって過ごせる
心のセンスは乏しく
人生のデッサンは線がはみ出し
ガクンと落ちて眠りに就く
目覚めれば未練の布団から
いざ出陣なんて気合を入れて
まだ寒い桜の下
私が冴えていないのだろう
綺麗なはずのものが反射してこない
社会で生きることの
継続と忍耐が必要であるように
ステレオタイプという言葉を
足の裏に刻みながら押しつけている
それでも一歩一歩
今日も先へ進むことに執着しよう
それでも一歩一歩
今日も轍の道が平らになると信じて
桜が桜であるように
私が私であることを捨てぬよう
「それでも」と言う栞をはさみ
日めくられる日々は続く