無人機によるイラン偵察
12月
9日
今日のニューヨークタイムズ電子版によれば、イランは捕獲したRQ-170を詳細に調査し、更には無人機の技術がほしいロシアか中国に高値で売却するのではないか、とのことだ。アメリカとしては軍事機密が漏れることを恐れ、無人機を回収するか爆破することを検討したが危険が高すぎるため断念したとのことだ。
まだ東西冷戦が続いていた1970年代、ソビエトの空軍パイロットが亡命のために当時最新のミグ25戦闘機で函館空港に着陸したことがあったが、その時は自衛隊がアメリカ軍と共に詳細に戦闘機を分解点検の後ソビエトに返還した。この事件により敵機の性能分析に大いに貢献したことが思い出される。仮想敵国の軍事情報はいつの時代も重要だが、戦闘機や無人機など相手国の最新鋭兵器を入手すれば専門家は色々なことがわかるのだろう。
専門家の話ではこのようなハイテク兵器の現物から製作図を作成することは容易ではなく、たとえ出来たとしても高い精度で部品を製作することはそれなりの技術が必要なため、仮想敵国が複製することは難しく、アメリカにとって緊急な懸念とはならないだろうとのことだが、アメリカとしてはこっそりとやっていた覗き見が白日の下にさらされたようなもので当惑している。もっとも衛星による偵察は日本を含む多くの国が行っており、現代の世の中では他国に知られずに何かをやるのは容易ではない。