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窓の話16『木製窓に使用される木の種類』

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窓の話16『木製窓に使用される...
窓の話3『窓枠とサッシュの材質』で述べたが、現代の住宅用窓に使用される材質としては木材の他にもアルミ、塩ビ樹脂、ファイバーグラスなどがある。今回は窓の話題とは少し離れるが、住宅用窓としてはもっとも優雅な木製窓に使用される木の種類について見てみよう。

あらゆる天候に耐えるシェルターとしての住宅の機能を考えると、窓の強度や熱的性能に加え、雨や紫外線などに対する耐侯性も重要である。、ログホームやシダーホームのようなエクステリアにも木を重視した住宅では、マホガニーやダグラスファーのような比較的耐侯性の高い樹種の窓枠やサッシュに塗膜の薄いクリアコートやステインを塗布することにより木目のある窓を楽しむことが可能である。しかし窓に広く使用されているパイン材の窓ではクリアコートやステイン仕上げでは過酷な環境に対し十分な保護膜とはならないため、以前はペイント塗膜による保護が必要であった。最近では10-15年に一度ペイントを再塗装しなければならないメンテナンスを避けるために、アメリカでは焼付け塗装したアルミニウムをはり付けたアルミクラッドの木製窓が量産されている。

窓の屋内側に目を転じると、ドアや家具などと共に窓もインテリアの一部であり、特に木製フローリングや木製ドアを用いた住宅には木の窓枠やサッシュが持つ温かみは捨てがたい。
木製の窓枠やサッシュといっても使われる樹種によりインテリアに与える印象は異なる。

写真③はアメリカ製の木製窓では一般的なウエスタンパインで、その淡い黄色味を帯びたまっすぐで均質な木目の美しさと加工性の良さが特徴である。窓にはパインのフローリングやパネリングなどとは異なりほとんどふしのない板目のものが窓に使用され、クリアコーティング仕上げではニュートラルな印象を与える。一旦乾燥させると湿度変化による影響を受けにくく寸法安定性が高いため、正確な木組みが必要な家具や窓の材料として広く使われてきた。その表面は適度に硬く、不注意にかたいものをぶつけても他のソフトウッドほど傷にはならない。また伸縮が少ないため、割れ、反り、曲りが少なく年月を経るに従って美しさを増す。個性を強く主張しないためウェスタンパインに濃い色のステインを塗布すると、より荘重な雰囲気のチェリーやアルダーにもよくマッチさせることが出来る。

写真④はダグラスファーで、ファー(もみ)と呼ばれるがもみではなく、日本では米松と呼ばれるが松でもない。正式にはとがさわら(つが)に近い。アメリカ大陸の西北部が主たる生産地であり、心材の明るい赤褐色はまっすぐの美しい木目模様によって引き立てられ、光にさらされると次第にその濃さを増す。ダグラスファーは機械的強度が高く、ツーバイフォー住宅の構造材としても広く使用されるが、窓に使用するものは柾目で鋭利な刃を用いた機械加工により滑らかで光沢のある表面が得られる。

写真②はオーク(なら)で、家具やフローリングの他にウイスキーやワインの樽としても広く使われている。個性の強いはっきりした木目が特徴であり、濃い色のステインを塗布すると重厚感がある。ヨーロッパやアメリカではフローリングの他にドア、キャビネットに加え額縁、まわり縁などのモールディング、更にはパネリングにも広く使われており、それらにマッチさせるために窓の室内側をオーク仕上げとすることも少なくない。

写真①はマホガニーで、寸法安定性に優れ狂いや割れが少なく心材は赤みを持った光沢があることにより高級家具や楽器に使われるが、世界の銘木と呼ばれるほど需要に対し供給が少ないため高価である。耐侯性が高いので、クリアコートまたはステイン仕上げによりダグラスファー同様屋外側にも使用出来る。

写真⑤はウォルナット(くるみ)で、マホガニーやチークと共に世界三大銘木のひとつである。中世のヨーロッパでは高級家具材として普及し、アメリカでもホワイトハウスやアメリカ議会の家具として多用されている。木質は重厚で狂いが少なく、強度と粘りがあり、加工性や着色性も良い。

これらの樹種に加え、アメリカの高級木製窓メーカーはメープル(かえで)、チェリー(さくら)、アルダー(はんのき)などのインテリアを持った窓も製作している。メープルは黄褐色で艶出し加工により美しく仕上がり、現代的な雰囲気があって、メタルやガラスの家具との調和も良い。チェリーは木肌が緻密で仕上がりが美しいため高級家具材としてヨーロッパやアメリカで長く愛用されており、高級住宅では床材、パネル材、ドア材などにも使用される。アルダーは貧乏人のチェリーと呼ばれ、美しく仕上げられたアルダーはチェリーに似た高級感がある。

日本人は古来より木に対するこだわりがあったはずだが、こと木製窓に関してはあまり注意を払ってこなかったように思える。日本でもアメリカのように、特に高級住宅ではフローリング、ドア、モールディング、キャビネット、更には家具とマッチした樹種の窓を楽しむようになってほしい。
#PC #テクノロジー #ネット

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KUMA
KUMAさんからコメント
投稿日 2011-09-16 06:39

なるほど・・・・・

明治村にシアトル福音教会が移築されています、2X4工法です、今度は窓をじっくり見てきます、ありがとうございました。

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くまごろう
くまごろうさんからコメント
投稿日 2011-09-16 23:52

明治村にあるシアトルの教会は多分100年位昔に建築されたものなので、当時はツーバイフォーのようなプラットフォーム工法ではなく、バルーンフレーミングではなかったか、と思います。くまごろうは、シアトルでの解体時に丸ではなく角型の釘が多用されていて苦労した、という話を聞いた記憶があります。

木を多用した住宅の窓の例を添付します。

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エメラルド
エメラルドさんからコメント
投稿日 2011-09-17 19:07

木の香りのする住宅は憧れです。アメリカの木材は豊かだなあといつも思います。
また、ペアガラスの寿命が15-30年というのも驚きました。普通のガラスより長いと思っていました。
いろいろと勉強になります。

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くまごろう
くまごろうさんからコメント
投稿日 2011-09-18 18:18

『窓の話』はちょっと独りよがりのコラムで読んでいる人はあまりいないのでは、と思っていますが、お役に立てば幸いです。

窓のメーカーによっては50年以上の寿命があるペアガラスを採用しているところもあります。窓を選ぶ時にメーカーにペアガラスの寿命を尋ね、かつその理由を明示してもらうことが大切です。

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