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くまごろうのひとりごと

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窓の話13『耐風圧性能』

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住宅は人を自然から守るシェルターであり、そのような住宅の重要な構成要素である窓も自然環境に耐えうる強度が必要である。自然環境の中で窓が第一に考慮しなければならないものは風である。毎年フロリダ半島を襲うハリケーンは風速が毎秒70メートルに達することがあり、一旦住宅のひとつの窓を破壊すると室内に入った風は屋根を引きはがし、外壁を外側に押し倒すエネルギーを持っているので、このような地域で使用される窓やパティオドアはハリケーンによる風圧や飛来する破片にも耐えられなければならない。

1枚のガラスの耐風圧強度はガラスが厚いほど高く、また同じ厚みでは面積が小さいほど高い。またガラスに作用する風圧は風速の2乗に比例し、更に地上からの高さが高いほど大きくなる。日本の建築基準法では室戸台風の最大風速63メートル/秒を基準とし、地上からの高さ15メートルにおける許容風圧は186 Kg/m2となっている。また許容荷重=許容風圧xガラス面積の関係があり、ある試験データによれば厚さ3ミリのフロートガラスの許容荷重は180 Kgなので0.97 m2以下の面積のガラスが許容範囲となり、これより大きい面積のガラスを使用するにはより厚いガラスを使用しなければならない。因みに前述の試験データでは3ミリのペアガラスの許容荷重は230 Kgなので、このペアガラスは1.23 m2の面積まで使用出来る。

窓やパティオドアの耐風圧強度はガラスの強度だけでなく、窓枠・ドア枠の強度、ガラスの窓・ドアへの取付け法、更に窓枠・ドア枠の躯体への取付け法にもよる。窓の耐風圧強度は日本ではJISの、またアメリカでは窓・ドア製造者協会(WDMA)の基準がある。これらの基準は単位面積あたりの風圧で示されているが、よりわかりやすい風速で示すと下記のようになる。

JIS等級    風速    WDMA等級
S-1    36.0m/秒
      42.2m/秒    R-15
S-2    45.3m/秒
      48.9m/秒    R-20
S-3    51.1m/秒
      54.1m/秒    R-25
S-4    56.4m/秒
      60.6m/秒    R-30
S-5    63.1m/秒
      64.4m/秒    R-35
S-6    68.4m/秒
      68.9m/秒    R-40
      76.9m/秒    R-50
S-7    77.3m/秒
      84.4m/秒    R-60

WDMA等級はハリケーン地域向けのために更にR-80まで規定されている。日本では一般住宅用窓の耐風圧強度は1階ではS-1、2階ではS-2、3階ではS-3として設計されているが、アメリカの高性能窓メーカーの場合はR-40、すなわちJISのS-6以上の性能が標準となっている。

余談になるが、ハリケーン地域であるフロリダ州マイアミ・デード郡の窓・ドアの基準は厳しいことで有名だが、ハリケーンの際の飛来物規準についてはインパクトテストと呼ばれ、重さ約5キロのツーバイフォーの角材を時速56キロで発射してガラスにぶつけても破損しないことが求められる。このテストは http://www.youtube.com/watch?v=TL_j8sp8Vx8 で見ることが出来る。

またアメリカの高級木製窓メーカーでは144m2の住宅でのマグニチュード6.7の地震に耐える窓・パティオドアのテストを http://www.youtube.com/watch?v=q21pMDf6Wwo に示している。
#PC #テクノロジー #ネット

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エメラルド
エメラルドさんからコメント
投稿日 2011-06-17 14:51

災害の多い日本にはこういう丈夫な窓がひつようですね。

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くまごろう
くまごろうさんからコメント
投稿日 2011-06-18 11:26

窓に関しては日本はアメリカより遅れています。だから日本製窓・パティオドアはアメリカに輸入されていません。

日本の建築士や信頼出来る工務店は防火性やシックハウスばかりに関心を持たず、窓の基本的な性能にもっと関心を持ってもらいたい、とかねてから思っています。

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